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①木陰の物語「いじめた側の…」団士郎 ②「世の中が変わり始めた?」竹原泰三 ジャーナリスト『月刊少年育成』2003年10月号より [読書記録 教育]

今回も 昨日に引き続き 『月刊少年育成』(現在休刊中)より
 
団士郎さんの「木陰の物語」と
竹原泰三さんの連載記事を紹介します
※ 団士郎さん http://www.asoblock.net/works/will/lw_hp/lw_top.html
※ 「木陰の物語」ユーチューブ  http://www.youtube.com/watch?v=ffF6S_eMavo

9か月間 再刊を待ってしましたが
HPより 季刊誌として再度創刊との情報を得たので
それを楽しみにしています
 ※ 月刊少年育成  http://www.osaka-hodoukyokai.or.jp/oubo.html


昨日は クラブ活動がありました
「図工クラブ」では アクリル画を楽しんでいます
写真立てのプラスチック板に お気に入りの絵を描きます
子どもたちの活動中の静かなこと! 熱中していました
今回 紙パレットを初めて知りました
顧問からいろいろなことを 教えてもらっています
2学期から始まったクラブ活動は 来週の活動が最終
子どもたちの満足した顔を見られるといいのですが…






☆①木陰の物語「いじめた側の…」団士郎 ②「世の中が変わり始めた?」竹原泰三 ジャーナリスト『月刊少年育成』2003年10月号より

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◇いじめた側の…  団士郎

(イラストがいいのですが 文章のみの紹介です)

 いじめは許されない、これに異論があるわけではない

 いじめられる側にも問題がある、そんなことを一般論として主張したい
 わけでもない

 ただ「いじめる-いじめられる」は人と人との関係だ

 関わった当事者に聞いても、理由のはっきりしないことや、そんなこと
 くらいで…
 と思うことが多い

 中学2年生のクラスでいじめが話題になり、祥子が転校していった

 祥子の母親に「いじめっ子グループ」と名指しされた6人が残った

彩子がグループの筆頭だと言われた
 確かにいじめていたと思う。だから何も言い訳できなかった。

 いじめは人権無視の、卑劣な行為であると厳しく指導された。
 教師の提案でグループのメンバーは手紙を書いた

 しかし彩子だけは頑なに沈黙し続けた

 そして今度は自分が学校中から無視されるターゲットとなった
 

 彼女の胸の内にはたくさんの思いがあった
 クラスメートも教師も覚えていないだろう。
 でも、彩子には忘れられない記憶があった。


 学年が変わって新しいクラスになった頃
 すでに祥子は五人組のいじめのターゲットだった
 なんてことをする人たちだと思ったから、
 彩子は積極的に祥子と関わろうとした

 しばらくして、それなりに親しくなったつもりだった彩子にショッ
 クなことが起きた

 祥子だけに話したちょっとした秘密を、五人組の一人からからかわ
 れたのだ

 「なぜそんなことをあなたが知っているの!」

 と問いつめると、笑いながら「みんな知っているよ」と言った

 祥子が以前のクラスの人たちにしゃべりまくっているという

 問いつめたが、祥子は知らないと言い続けた

 祥子の友人関係はこの繰り返しだったらしい

 
 悔しかった
いじめられている彼女のことを思って、努力した自分が可哀相でな
 らなかった。

 五人組とは祥子批判で、話が合うようになっていった

 そんな中で突然、

 祥子の母親が、学校のいじめグループ対応を問題にして、転校させ
 ることにした

「自分たちがどんなに酷いことをしたのか考えてみろ!」

 そう言われながら、一生忘れない悔しさだろうと思った


 あれから5年、大学生になった。

 今もいじめが話題に出ると自分の中に反応が起きる

 でも、

 「いじめられる側にも問題があることもある…」

 そんなことを言ったら 総攻撃を食らうだろう

 だから彩子は黙っている
 あのときと同じように…


 



◇世の中が変わり始めた?
                 竹原泰三 ジャーナリスト
 中央教育審議会の教育課程部会が8月はじめ、小中学校の学習指導
要領の見直しを求める中間報告をまとめた。文部科学省が学力低下の
批判にこたえて打ち出した学力向上路線を踏襲するものだ。

 10月にも本答申を受け、来年度の教育課程編成に間に合わせると
言う。いまの学習指導要領は、小中学校では昨年度、高校は今年度か
ら改訂されたばかりだ。

 このところ、学習内容を減らし、やさしくして、子どもたちにおも
ねるばかりの学習指導要領の改訂が続いた。しかし、今回ばかりは、
改訂前から、新しい学習指導要領では学力が低下するという批判が広
まった。

 そこで文部科学省があわてて「学びのすすめ」のアピールを発表し
たのが、路線変更のきっかけだった。
 それにしても学習指導要領が2年足らずで見直されるのは初めての
ことだ。

 学習指導要領はこれまで、学ぶべき内容をきびしく制限するもので、
いわば「上限」と受けとめられてきた。教科書検定も公立学校の入学
試験も、学習指導要領の範囲内に決められていた。

 ところが「学びのすすめ」は
「学習指導要領は最低基準であり、理解の進んでいる子どもは、発展
 的な学習で力をより伸ばす」
となっている。

 今回の中間答申は「学習指導要領は最低基準」と改めて明記すると
ともに、教科ごとに教える内容を細かく規定したいわゆる「歯止め規
定」も見直すべきだとしている。

 この中間答申がそのまま本答申になれば、学力の低下を放置してき
たこれまでの教育路線は大きく転換することになる。

 教育改革は学習指導要領の見直しにとどまらない。文部科学省は学
習指導要領の見直しを先取りするかのように、去年の教科書検定から
「発展的記述」として、指導要領をこえる内容を「コラム」の形で教
科書にのせることを認めている。

 東京・荒川区では区立の小中学校の学力テストの結果を学校別もふ
くめて公表した。
 これも学校の序列化、児童生徒の序列化を極端に否定してきた従来
の教育方針とは相反するものである。

 そして何より、教育基本法改正への取り組みが本格化している。
「国を愛する心」という言葉が、戦前の思想教育につながるという根
強い反対論があるが、中央教育審議会はあえて「基本法を改訂すきだ」
とする答申を出している。

 変わり始めたのは教育だけではない。

 日米防衝協力の指針を定めたガイドライン関連法が成立したのは平
成11年5月。同じ年には国旗・国歌法も成立している。
 翌12年には少年法が改正され、刑事罰の対象になる少年の年齢が
16歳から14歳に引き下げられた。
 先の通常国会で成立した改正自衛隊法を含む有事関連法には、野党
の民主党・自由党も賛成している。

 よし悪し、賛成・反対を抜きにして客観的にふり返ると、これらの
法案はいずれも十年ほど前まではとても成立するとは思われなかった
ものばかりである。

 それが大きな混乱もなく、比較的すんなりと成立した。

 終戦から半世紀あまりがたって、日本の社会が変わり始めたという
ことだろう。

 終戦直後の日本にとってアメリカは自由・平等の国、豊かな国の象
徴だった。「知識人」は個人の自由を訴え、「人権」の名のもとに国家
のいっさいの関与を拒否した。

 そこでは「お国のため、社会のため」などとんでもないことだった。
家庭でも「子どもの人権」が幅をきかせ、親が子どもを厳しくしつけ
ることもできなくなった。
 その結果が大人も子どもも「自分勝手で無責任」のいまの社会情勢
ではないだろうか。

 バブルが崩壊し、不況が長引いているとはいえ、日本は世界第2位
の経済大国の地位を保っている。
 しかし、政治家や官僚の腐敗・堕落ぶりは目をおおうばかりである。
こんな日本を何とかしなければ、というのが最近の、そしてこれから
の動きであろう。

 義務や責任を伴わない自由などあり得ない。

 自分の人権を主張するためには、他人の人権、他人の生命も同じよ
うに大切にしなければならない。そんな社会を実現するために、国づ
くりをもう一度やり直さなければならない。家庭の役割、学校の役割、
地域社会のあり方、国家のあり方、こうしたもののすべてを見直す必
要がある。

 教育改革はその基本をなすものだ。世の中には、みんなが幸せに生
きていくために必要なルールがある。「自分さえよければ」は通用し
ない。

 夢や希望を実現するには、努力が必要だ。学力もあった方がいい。
こんな当たり前のことを大人も子どもも、もう一度考え直す時期であ
る。


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コメント 7

YUTAじい

おはようございます。
ご訪問、nice! ありがとうございます。
by YUTAじい (2011-11-26 06:09) 

海を渡る

ご訪問、ありがとうございます。
今の世の中、学校の先生も大変なお仕事なんでしょうね。
これからもよろしくお願いします。
by 海を渡る (2011-11-26 10:08) 

駅員3

子供たちが熱中して、何かに取り組む姿は、微笑ましいです。
また、子供達の笑顔は最高ですね!
私がボーイスカウト運動に関わるのも、子供達の笑顔を見るためです[exclamation×2]
by 駅員3 (2011-11-26 18:45) 

Mitchell

はじめまして!ご訪問ありがとうございました。

教育制度の見直しの議論があるたびに歯がゆさを感じています。
私はいわゆる「ゆとり」世代です。
ゆとり教育を実際に受けた世代として感じることは
世論が必ずしも正しいとは言えないのでは?という疑問です。

詰め込み教育が結果的に成功であったのかは、よくわかりません。
しかし事実として、現在の日本の姿は必ずしも褒められたものではなく
改善すべき問題がいくつも転がっています。
これは詰め込み教育世代が出した結果の一つといえるでしょう。
対して、ゆとり教育世代はこれから結果を出す世代です。
結果を出す前に「ゆとり」は失敗だったと言われることに対しては
残念な気持ちになります。

私は教育者ではなく、ただの大学生ですが
ゆとり教育は悪いことばかりではなかったと言われるためにも
ゆとり世代として良い結果を出す責任を感じています。
今後、教育はどのような方向に行くのでしょうね?

なかなか面白い話題であったので
長々とコメントしちゃいました。
失礼しました。
by Mitchell (2011-11-26 19:26) 

ハマコウ

>YUTAじい さん
nice! コメントを ありがとうございます
これからも よろしくお願いいたします


>海を渡る さん
nice! コメントを ありがとうございます
どの職業も大変なことに変わりはありませんが
「学校」経験は ほとんどの人にあるので 
教育観の違いが生まれてしまいます
単純に考えられるといいのですが…


>駅員3 さん
nice! コメントを ありがとうございます
ボーイスカウト活動でも同じでしょうが
子どもたちの がんばっている 熱中している 真剣な顔は
とても美しく感じるものですね


>Mitchell さん
nice! コメントを ありがとうございます
「結果を出す前に「ゆとり」は失敗だったと言われることに対しては
 残念な気持ちになります」
納得します
教育の結果はすぐに現れるものでもないですし
結果がはっきりと目に見えたりかんじたりするものではありません
あたかも 批評家のように 「失敗だった」 と発言するのはどうか?
と感じてしまいます
お考えを聞かせてくださり 感謝します





by ハマコウ (2011-11-26 22:51) 

麻能

ご訪問&nice!ありがとうございました。
子育てブログと旅行記ブログ、2つを交互に更新しているので、お礼が遅くなり失礼しました。

とても重い問題で、真剣に読んでました。
言いたいことがうまく言葉になりませんが、私も色々辛い経験をしたこともありますが、辛いことって後から糧になることも多いと、大人になって思います。
by 麻能 (2011-11-26 22:53) 

ハマコウ

麻能さん
nice! コメントをありがとうございました

文科省も 言われて変えるくらいのものを 出さないでほしいなあ
自信をもって 変えないものでなくては…

団士郎さんの木陰の物語
とても読みやすいのですが 深く考えさせられます

重いものばかりではないので これからも おいでください
by ハマコウ (2011-11-27 00:09) 

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