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「土のいろ集成 第五巻」(復刊された昭和初期の郷土雑誌) [読書記録 郷土]

今回は 遠州の誇る郷土雑誌「土のいろ集成 第五巻」を紹介します

「土のいろ」
大正末から昭和初期 柳田国男の呼び掛けに呼応した 遠州の郷土雑誌
飯尾哲爾さんが中心になって 地域の文化人・教員が同人となっています
言い伝え、方言、遺跡、神社の言われ、伝説等々 歴史・民俗・言語…
記事は多岐にわたっています
抜き書きでは そのおもしろさをなかなか伝えられないのが残念です

ひくまの出版の努力で集成として復刻されています
(とは言ってもかなり以前にですが)
ありがたいことです

今回紹介文からは…

今でも浜松市内の小中学生に配布されている「のびゆく浜松」
読み物資料として 社会科学習に生かされています
その発刊に著名な芦田恵乃助さんがかかわっていたことを初めて知りました

方言の話題がありましたので
以前 資料としてまとめたものから少し紹介します
例文を載せましたが 正しいかどうか 少しあやふやです
わたしが子どもの頃 よく聞いた言葉ですが
今ではすっかり聞くことがなくなってしまいました
なぜか亡き叔母の語り口を思い出してしました
遠州弁で優しい言葉をわたしに掛け続けてくれました…



一昨日 学年園のタマネギを収穫しました
小振りのものが多かったのですが 
子どもたちの喜びようを見て うれしく思いました
今度は サツマイモ
子どもたちと一緒に頑張らなくては!












☆「土のいろ集成 第五巻」(復刊された昭和初期の郷土雑誌)

◎月報5
 飯尾哲爾先生(同人主宰者-ハマコウ註) 鈴木實

飯尾哲爾 大正4年 静岡第二師範卒 → 可美尋常小学校 首席訓導
担任は高橋栄一郎 後役場→村長

 教育者・民俗学者 中道朔爾先生のこと(1) 鈴木波男
積志小の図書館正面に川上嘉市(卒業生)・中道朔爾(元教師)肖像写真
中道朔爾 本名・中道作次 明治34(1901)12.18和田村薬師新田生
大正3年 浜松中学入学 → 大正10年 元城小代用教員
与進小・積志小・小野口小・和田小


◇8-2 通刊42号 昭和6年3月
川名のヒヨンドリ 法月俊郎

日本左右衛門について 船越勇三郎

河豚閑話(1) 後藤粛堂

見付名物について 辻村栄一



◇8-3 通刊43号 昭和6年4月
俳諧よりする 狐狸表現の史的研究資料 前編



◇8-4 通刊44号 昭和6年5月
同上 後編  「百舌鳥」新津小学校



◇8-5 通刊45号 昭和6年5月
遠州方言研究1

静岡県方言の重要性 東条操    

 遠州方言の特色 野島角男

 浜名湖と方言分布 宇波耕策    
   丁斑魚考 佐々木清次 メダカ・メンパ

 方言の二三について 平松東城



◇8-6 通刊46号 昭和6年8月
木喰五行上人の遺作に就いて 牧沢宇兵衛  

 浜松の秋葉神社 山田鉄一

河豚閑話(2) 後藤粛堂



◇8-7 通刊47号 昭和6年9月
蜆塚 後藤粛堂   浜松秋葉神社境内

 地名の起源について 佐藤秀太郎  

 井戸に関する報告 御手洗清



◇9-1 通刊48号 昭和7年1月
郷土研究の新傾向 佐々木清治    

松島鶴島並びに四本松の起源 鈴木松陽
 
 五島村字松島鶴島の起源 鈴木五右衛門

 梵鐘の研究について 荒川忠市

 浜松市郷土読本 芦田恵乃助に指導を受ける
   (現在発行されている「のびゆく浜松」のルーツ-ハマコウ註)



◇9-2 通刊49号 昭和7年3月
つるし地蔵につきて 佐久間村半場   

 再び御旅所と月見里について 佐々木清治  

 兼吉の墓につきて 鈴木泰助 = 新津・助信地名の由来 
刀鍛冶大家 志津三郎兼吉

 中泉地方の俚諺と謎々 辻村梁一

 「百舌鳥」(文集 新津小学校発行 鈴木實)

 「浜松郷土読本」



◇9-3 通刊50号 昭和7年5月
方言研究号2 坂本幸次郎,宇波耕策,平松東城



◇9-4 通刊51号 昭和7年8月
克明館蔵書目録 内田旭    

 善那祠堂建立の企 三輪桂作

 中道朔爾「遠江積志村民俗誌」 東京・郷土研究社より




☆「遠州地方の方言」アで始まる言葉(ハマコウ資料より)
あいさ │間
あいた │飽きた
あいまち │怪我
あかん │開かない
あっかあ │赤子 乳児
あそばまいか │遊ぼうじゃないか
あたける │暴れる 当たり散らす
あっつら │あったろう
あらすか │あるものか
あわっくい │あわて者
あんき │気軽 安心
あんにい │兄
あんねえ │姉
あんもう │餅 あんこの入った餅


◇使い方例
・そこのあいさに指をはさまんで、あいまちするに。
(そこのすきまに指を挟まないでよ。けがをするから)

・そこいらへんに、あんもうあっつら。知らんけ。
(そこらあたりにおもちがあったはずだけれど、知らないですか)

・うちのあんねえ、あわっくいでいかんわ。あんにいはよくあたけるし。
(うちの姉は慌て者でいけない。兄はよく暴れるし)

・あっかあ あやすのにあいちゃったなんて。そんなこと あらすか。
(赤ちゃんをあやすのに飽きただなんて。そんなこと あるものかね)
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コメント 6

mizuho

玉ねぎの収穫、子どもたちが喜んでくれたのが、
何よりですね。サツマイモも楽しみですね。
手をかけたものが形になる様を見るのは、
人でも物でも、やっぱり嬉しいんだと思います。

遠州の方言、全部ではないですが、
私の地元の藤枝も、少し似ているところがありました。
懐かしい響きです。
by mizuho (2012-04-27 06:25) 

伊閣蝶

私は長野県の南信出身なので、ご照会のあった遠州方言を同じものが結構たくさんあります。
「あっつら」「あらすか」「あんき」などは、大変懐かしく思い出しました。もちろん、私も使っていましたから。
by 伊閣蝶 (2012-04-27 10:16) 

ハマコウ

mizuho さん  いつもありがとうございます

子どもたちに聞いたら カレーに入れて食べたという子が何人かいました
「おいしかった」の声を うれしく思いました

志太と浜松 近いと言えば近いから 似ている言葉も多いでしょうね
by ハマコウ (2012-04-27 21:36) 

ハマコウ

伊閣蝶 さん いつもありがとうございます

天竜川筋ということで似ている言葉が多いのでしょうか
わたしも使っていた言葉
子どもたちの世代では使われなくなってきているのを寂しく感じます

「三遠南信」交流が少しずつ進んでいますね
三遠南信道の完全開通が待たれます
by ハマコウ (2012-04-27 21:39) 

mk_papanero

こんばんは~
方言って面白いですよね。今は長野県に住んでいますが
東信、佐久と南信では全く違います。っていうか、

同じ東信でも、山を挟んだ佐久と松本では、結構違いがあったりしますね。
by mk_papanero (2012-04-28 00:32) 

ハマコウ

mk_papanero さん  いつもありがとうございます

方言 おもしろいですね
長野県は広くて高い山もあるので 
土地によっての違いも大きそうですね
by ハマコウ (2012-04-28 05:34) 

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