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「困った児童への言葉かけ指導」赤坂真二 学陽書房 ①(前半)2006年 [読書記録 教育]

今回は 赤坂真二さんの
「困った児童への言葉かけ指導」1回目の紹介です

赤坂慎二さんは元新潟県の小学校教員であり
現在は上越教育大学准教授
専門分野は学級経営 教育相談

生活指導面で子どもたちへ指導する際
指導の言葉がすんなりとは入らない子どもが増えているように思います
かつては こうしてああすれば 反抗している子の目が潤みはじめ
指導の言葉が素直にすっと入って といったこともあったのですが
以前のままの指導ではなかなか…
指導が素直に受けとめられるようにする 心のコップを上向きにするには
さまざまな配慮・工夫が必要になっています
「子どもに学力を」云々以前に


本書は その課題についてのヒントを与えてくれるものでした
(「困った」について誤解される恐れもありますが)
事例が詳しく書かれていること 参考になります
2回に分けて紹介します


事例への対応の仕方を見て 
手ぬるい それでいいのかと思う方もおられることでしょう
しかし…

教育の課題について マスコミではいろいろ報じられますが
マスコミ・政治家の方が一か月間学校現場に張り付いて
(立場を明かさず決してお客様としてではなく)
現状を知っていただいたとしても 論調は変わらないのでしょうか


きのうは 「建国記念の日」
ラジオでアナウンサーが「建国記念日」と言っているのを何回聞いたでしょう

浜松ジオラマファクトリー






☆「困った児童への言葉かけ指導」赤坂真二 学陽書房 ①(前半)2006年

1.jpg

◇プロローグ
○困った子供を理解するには
Ⅰ 原因を追及するのではなく、目的論に立つ
1 ますます難しくなる学級経営


2 原因さがしは有効か


3 目的論に立つ


4 教室における子どもの目的
    「自分の居場所の確保」


 5 (略)

 6 (略)

7 問題行動のメカニズム
     子どもの問題行動は適切な行動をする意欲がくじかれてしまった
    結果起こってくるものといえないか



適切に行動する意欲とともに適切に行動する方法を教える。





Ⅱ「困った子ども」への対応ポイント 
 1 子どもの目的を考える  相手役は → 教師? 友達?
  子どもの目的を考えよう。子どもの目的を知るには、「相手の感
    情」に注目しよう。


 2 不適切な行動に注目しない
  不適切な行動には、まず声を掛けて、様子を見よう。改善が見ら
     れなかったら、注目するのはやめよう。


 3 適切な行動に注目する
  「フルタイムの困った子ども」はいない。探せば必ず適切な行動は
      見つかる。また、見つかるだけでなく、作り出して注目しよう。」


 4 適切な行動を教える
適切な行動を教えるときは、焦らず、少しずつ挑戦させよう。失
    敗しても責めずに、「できたところ」や「やろうとした努力の姿勢」
    に注目して励まそう。


 5「解決すること」よりも、まず「寄り添うこと」 
高学年女子 - 人間関係のトラブルを抱えている
  → 彼女たちと協力しながら解決しなければならない

解決しようとするよりも、まず徹底して寄り添い、信頼関係をつ
      くるプロセスで解決策が見えてくる。




〈事例①〉
◇教師に反抗する子ども
 ① 注意しない      ひとことふたこと声を掛けてから授業に入る 

② 速やかに授業を始める 穏やかに、あっさりと

 ③ 授業に参加したときを見逃さない
     「おっ、よく知っているね」
     「今の意見、鋭い」 

 ④ 注意、叱責以外の言葉掛けを増やす

⑤ (略)

 ⑥ 対等な立場で 
     ○「~してくれてうれしい」△「~してえらいね」
○「~してほしい」△「~しなさい」



◇授業中、まわりにいたずらをする子ども
① 授業続行 
    「みなさん、あきらさんが今泣いているけれど、あきらさんはもう少し
     落ち着いたら、ちょっとがまんしてくれる?先生はこのあと忙しいの
     で、協力してもらえるかな」

 ② 言葉掛けを変えてみる
「あきらさん、話を聞いてくれませんか。」-お願い
     →聞く様子がなかったら、かまわず授業を続ける

③ よい姿を探す 
     授業中参加していたら上手に取り込む
     「今のところもういっぺん言って」                   
        (都合がいいところだけ、と腹は立つが、妨害されるよりはまし)   

 ④ 叱るとき以上の感情を示す                         
     迷惑を掛けない時間 
     「あきらさん静かに授業に参加してありがとう。先生、すっごく気分が
      よかったよ」   

 ⑤ ときには厳しく 
     「あきらさん、○○さんの迷惑です。やめなさい」            
        → ひるんでいたら                       
   
  「あきらさんのやっていることがおかしいと思う人は手を挙げて」
                        (信頼関係がつくられてから)



◇授業中立ち歩く子(略)

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コメント 10

たぬき3

赤坂先生はすでにフォローを具体的に書かれていたということですね。大切なのは指導者の意識化でしょうか。参考になりました。
by たぬき3 (2013-02-12 06:02) 

ハマコウ

たぬき3 さん  ありがとうございます

具体的な対策の仕方が多数紹介されており
非常に参考になりました
現場に役立つ本だと思いました
by ハマコウ (2013-02-12 20:20) 

RuddyCat-Lalah

今回の紹介内容とは異なり、申し訳無いのですが、
ある新聞で読みましたが、
「何故教師の暴力は『体罰』と言って『傷害』とは言わないのか?」

今問題になっている大阪の教員が懲戒免職になりました。
異例の処分であると新聞にはのっていました。
異例の処分なのでしょうか。

by RuddyCat-Lalah (2013-02-12 20:38) 

ハマコウ

RuddyCat-Lalah さん ありがとうございます

体罰で懲戒処分というのが「異例」ということなのだと思います
by ハマコウ (2013-02-12 22:18) 

DEBDYLAN

親にも参考になりそうな内容ですね。
一人っ子なんで試行錯誤してます^^;

by DEBDYLAN (2013-02-12 22:20) 

ディブ松本

家庭でも参考になります
紹介されたことは実践してきましたが
確認と益々勉強に集中すよう読みたくなりました
早速、購入いたします。
by ディブ松本 (2013-02-12 22:30) 

ハマコウ

DEBDYLAN さん ありがとうございます

集団で生活する学校での指導について書かれた本ですが
保護者が読んでも参考になることがあるかもしれません
by ハマコウ (2013-02-12 23:32) 

ハマコウ

ディブ松本 さん ありがとうございます
指導に悩む指導者向けの本ですが
子どもへの接し方について参考になることが書かれています
「納得」感のもたせかた なかなか難しいところです
by ハマコウ (2013-02-12 23:35) 

NsHome

授業中に立ち歩く子がいるなんて、昔では考えられないことでしたが、
今を象徴する現象なんでしょうね。
by NsHome (2013-02-13 00:30) 

ハマコウ

NsHome さん  ありがとうございます

いろいろな子がいます
もちろん昔に比べて マイナス面ばかりでなく プラス面も
by ハマコウ (2013-02-13 04:49) 

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