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(1)「ラジオ深夜便」2010年9月号 (2)「ママもっと笑って」 青い窓の会 より -紹介文 ようこそようこそ 東井義雄 【再掲】 [読書記録 一般]

今回は 月刊誌「ラジオ深夜便」2010年9月号の紹介です

NHkラジオ深夜便
聞き始めてから 15年

特に 「あすへの言葉」(以前は「こころの時代」)が好きです
人選はどのようにおこなっているのでしょうか


もう一つ
以前 本ブログで紹介した詩集より東井義雄さんの言葉を載せます
教育者であり宗教者でもある東井さんの言葉
胸にぐっときます







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(1)「ラジオ深夜便」2010年9月号

1.png

◇永遠の若大将 加山雄三
 59歳で絵画に開眼 

  少年時代の夢は造船技師 

  黒澤学校と若大将の狭間で

  どん底の辛苦 つらい時代があったからこそ





◇お経再発見の日々から 伊藤比呂美
  とんでる人生 親鸞・法然に救われて





◇ひたすらに生きた無名の母たちへ  澤地久枝
  貧しさの中の悲しみ 

  少女時代に芽吹いた反骨精神 

  父の死

母への負い目と心残りと





◇福岡ハカセが読み解く日本 福岡伸一(青山学院大学教授 S34生)
おなかの脂肪をミクロで見れば

  「動的平衡」-常に動き回りながらバランスをとっている
食べ物をとって栄養に-古い細胞は壊れている

  蝶の禁欲に学ぶ「消化」
   = 情報の解体 ~  もとの肉や野菜の情報 = 言葉

  人類~飢え、不足、欠乏に対処できる 過剰摂取を前提としていない
「足るを知る」

  教師 「馬を水辺に連れて行くことができても水を飲ませることはできない」
    ~ 不可能性の連続の中で、それでもあきらめずに伝え続けようと努力する
     のが教師の務め
   
 「sense of wonder」を大切に - その人を支える芯となる

気軽に行こうよ  
     効率主義 ~ 長い目で見ると局所的な幸福が全体の不幸につながるかも
           しれない = とんとん

  動的平衡の考え方は「Take it easy」





◇読者のひろば
京都府京丹後市 
 「間人」=「たいざ」
   聖徳太子の生母・間人(はしうど)皇后の名と同じでは恐れ多いとして
     1400年以上「たいざ」地名を守り通してきた













(2)「ママもっと笑って」 青い窓の会 より -紹介文 ようこそようこそ 東井義雄 【再掲】

☆ようこそようこそ 東井義雄

◇富田林市・金剛コロニーの辻新太郎君

 精薄に生まれただけでなくひどいてんかんの病気を背負っていた。
高血圧で左半身が不随でもあった。何重もの苦しみを背負いながら
見事に耐えて生きていた彼であったが、三年ばかり前、遂にいのち
が尽さて亡くなった。亡くなってから発見された彼のノートには


       ○
  ぼくの母が訪ねてきた                         
  やせてしまって細い体になっていた
  苦労したんやな
  ぼくのために
  母ちゃん ゆるしてや
  ほくがバカヤってんな
  ゆるしてや 母ちゃん


と書き遺されていたという。何重もの重い苦しみを、最後の日まで
耐えぬかせたものは、「やせたお母さん」だったのである。
 


◇兵庫県立盲学校の全盲の六年生のことば

「先生、そりや、もし見えたらお母ちゃんの顔が見たいわ。けど、
見えたら、あれも見たい、これも見たいいうことになって、ぼくな
んか、気が散って、ダメになってしまうかもしれん。見えんかて別
にどういうことあらへん。
 そりゃ、見えんのは不自由やで。でも、ぼく、不幸や思ったこと
いっペんもあらへん。先生、不自由と不幸は違うんやな」

といったという。大好きな、お母さんの顔さえ見たことのない、光
のない世界を生きながら、何という明るきであろうか。
「そりや 、見えたら、お母ちゃんの顔が見たいわ」
と言っていることからも、この子の心の中には、「お母さん」が、
ちゃんと生きていてくださり、それが
「不幸や思ったこと、いっペんもあらへん」
と、言わしめている のである。


◇おうちがだんだん遠ざかっている
 お母さんさえ、子どもの心の底に戻ってくだされば、盲学校の全
盲の6年生の子どものように、光のない世界をきえも見事に生きぬ
いてくれるのである。
 それなのに、お母さんたちの心は、どんどん子どもから遠ざかっ
てしまいつつあるのではないか。

 この夏、島根県の幼い子どもたちを預かっておられるお寺の奥さ
んから
「預かり始めた十数年前には、朝、お母さんと子どもの別れがたい
 へんでした。親も子も、泣き別れだったのです。それが、今では、
 至極あっさり別れていきます。預かる方もしやすいのですが、ふ
 と、これは喜んでいいことなのかな?と、心にひっかかるものを
 感じるのです」

 ところが、過日、宮崎県のある保育園に伺ったときにも、園長先
生がおなじことをおっしゃるのである。
 子どもが、家へ帰りたがらなくなっているとも聞いた。


 この詩集の中に、編者は、北海道の3年生の女の子が
「日本じゅうの3年生に、おかあさんの『おかえりなさい』という
ことばを聞かせてやりたい」という詩を入れてくださっているが、
いまのお母さん方に、ぜひ、子どもたちのこの願いを、考えてみて
やっていただきたいと思う。

 昔だってお母さんたちは忙しかった。国中が貧しかったから、お
母さんたちは、外に出て働かれた。
 しかし、家に、心は残していてくださった。ある、農村の2年生
の女の子の作文を思い出す。


            〇                         
 きょうもおかあちゃんははたけだろうなとおもいながら、学校か
らかえってみると、やっぱり、うちの大戸がしまっていました。わ
たしは、つまらないなあとおもいながら、よいしょと大戸をあけま
した。
 戸をあけたわたしはびっくりしました。にわじゅういっぱいに、
なにかかいてあります。
 よくみると、それは、けしずみでかいたおかあさんのかおでした。
大きなかおのところのそばに

「おかえり、やきやまのはたにいるよ」

とかいてありました。
 わたしは、けしずみでかいたおかあさんがまっていてくれたので
さみしくないとおもいました。
 わたしは、かばんをおろしてから、けしずみを一コもってきまし
た。そして、おかあさんのかおのところのそばに、小さいわたしを
かさました。
 リボンをつけたわたしにしました。そして、おかあさんのほうに
手をのばして、かたたたきをしているところにしました。

「かあちゃん、かたたたいてあげるよ」

とかきました。はんたいがわに

「あしたもまっててね」

とかきました。すっかりかきあがったので、手をあらって、おやつ
をたべてから、おかあさんのかおのところのそばで、ゆうがたまで、
いっぽんふみをしてあそびました。              
   
         ○ 

 こういうお母さんによって、子どもたちは、人間の心を育てられ
ていくのである。
 それなのに、お母さんの心が、子どもから遠ざかるようになって、
子どもは、だんだん人間でなくなりはじめている。

 昭和39年頃までの詩には、


  おかあさんのおっぱい
                東京都一年 たけとみまつ子
 せんせい
 おかあさんの
 おちちのことが
 きになってくるので
 まいにち
 きになってくるので
 せんせい
 どうやって                                   
わすれますか


 というように「おかあさんのおっぱい」についてのものがいくつ
もでてくる。それが、その後、すっかり出てこなくなっている。
 これは偶然であろうか。        

 学校給食が普及して、お母さんたちは、弁当づくりの苦労から解
放されなさったかもしれない。が、


        ○
   母
           6年 樫本輝雄
 けさ学校に来がけに
 ちょっとしたことから母と言いあいをした
 ぼくは どうにでもなれと思って
 ボロクソに母を言い負かしてやった
 母がこまっていた
 そしたら 学校で 昼になって
 母の入れてくれた弁当のふたをあけたら
 ぼくのすきなかつおぶしが
 パラパラとふりかけてあった
 おいしそうに かおっていた
 それを見たら
 ぼくは けさのことが思い出きれて
 後悔した
 母は いまごろ
 さびしい心でごはんをたべているだろうかと
 おもうと
 すまない心が
 グイグイ こみあげてきた


 こういう感動は、今の子どもたちにはなくなってしまっているの
である。毎日、学校で給食を受けているのだから、遠足の弁当くら
い、手づくりのおむすびに、手紙でも添えてやれば、子どもがどれ
だけ感動するかもしれないのに、遠足の弁当まで、おすし屋さんの
おすしにしてしまうのである。

 この詩集の中に「こたつ」という詩が出されている。
5年生の女の子の詩である。

        ○
                                             こたつ
          福島県 5年 佐藤悦子

 あたたかいこたつ
 家のかぞくは 五人
 「五角のこたつなら
  いいのに」
 と おねえさん
 一番あとからはいる
 かあちゃんは
 私と同じ所
 私は やっぱり
 四角でもいい


 子どもは、こんなふうに、お母さんとの触れ合いの時と所を求め
ているのである。

                ○

     ポケット
         東京都 3年 粟辻安子

 お母さんの エプロンの
 ポケットの中をみると
 ボタンや はんけち 小さなえんぴつ
 ちり紙や ひもも はいっている
 そのほかにも まだはいっている
 ポケットに手を入れて いそがしそうに
 はたらいている
 くしゃみをすると すぐちり紙を
 出してくれる
 妹のかおが きたないと
 はんけちを出して かおをふく
 おかあさんだけのポケットではない               
 みんなのポケットだ


「みんなのポケット」とは、よくぞ言い切ったものだ。「みんなの
ポケット」ということは「みんなのお母さん」ということだ。 
 お母さん方、どうか、どうか、この詩集を手がかりに、「みんな
のお母さん」に戻ってやってください。

 それにしても、佐藤先生、ようこそ、ようこそ、日本の子どもた
ちのねがいを、このように見事にまとめてくださいました。

「ありがとうございます」

と、こころからお礼を申します。
   
 おしまいに、一昨年いただいた熊本の女子高校生の作文を紹介
させていただきたい。


          ○
     母の日
             熊本県 高一 小林ルリ子

 私が母の日を意識しはじめたのは、小学4年のときでした。一週
間100円の小づかいの中から、50円出して、お母さんの大好き
な板チョコをプレゼントしたのが始まりでした。
 あのときは、きまりがわるくて、お母さんのエプロンのポケット
にほおりこむなり、逃げるようにふとんにもぐりこみました。
 そして、あんなものでもよろこんでくださるかしら、誰かが聞い
たら笑うんじゃないかしらと、喜びとも、不安ともつかない複雑な
気もちのまま、わたしは、いつか深い眠りにおちていきました。
 翌朝、目をさますと、わたしの枕もとに、一枚の手紙と、板チョ
コの半分が銀紙に包んでおいてありました。
「ルリ子、きのうはプレゼントどうもありがとう。お母さんね、い
 ままで、こんなおいしいチョコレート、たべたことがなかったよ。
 こんなにおいしいんだもの、お母さん一人で食べるのはもったい
 なくて、お母さんの大好きなルリ子にも半分食べてほしくなりま
 した。どうか、これからも、元気で、そしてすなおなよい子にな
 ってくださいね」
  


 読んでいる中に、涙がこみあげてきて、あのときほど、お母さん
の子に生まれたことをほこりに思ったことはありませんでした。
 あのときの感激は、生涯、忘れることができないでしょう。

というのである。

 この詩集にも「おかあさんのようなおかあさんになりたい」とい
う詩を出してくださっているが、いま、お母さん方が、ほんとうの
お母さんに戻ってくださることが、いまの女の子たちを「おかあさ
んのようなおかあさんになりたい」と身構えさせることにもなると
考え、それを期待するからである。

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green_blue_sky

毎日1時間だけ聴いています~
by green_blue_sky (2013-05-25 19:20) 

ハマコウ

green_blue_sky さん ありがとうございます

どの時間帯も楽しいですよね
by ハマコウ (2013-05-25 19:42) 

さきしなのてるりん

このごろツレが録音して、なお雑誌も買ってくるようになりました。
by さきしなのてるりん (2013-05-25 22:35) 

ハマコウ

さきしなのてるりん さん ありがとうございます

わたしも同様です
洋楽 日本の音楽も 懐かしいものが多く 通勤の車の中で 聴いています
by ハマコウ (2013-05-26 04:55) 

RuddyCat-Lalah

ラジオ深夜便、私も聴いています。
再放送があったりするので、聴き逃した回やもう一度聴きたい回も
再び聴く事ができるのも良いですね。
たしか、過去の放送分をNHKのHPから聴けたような気がします。
地球ラジオも好きです。
by RuddyCat-Lalah (2013-05-26 23:43) 

ハマコウ

RuddyCat-Lalah さん ありがとうございます

落ち着いて楽しめる番組ですね
大好きです
by ハマコウ (2013-05-27 04:30) 

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