(1)「都道府県の急所」 いぢちひろゆき 新潮社 2002年 ② (2)「今風子育ての親と子どもたち~補導メモより~かっこよく子育てはできない」 小坂映子(守口少年サポートセンター)『月刊少年育成』2004年7月号【再掲載】 [読書記録 一般]
今回は 7月23日に続いて いちぢひろゆきさんの
「都道府県の急所」の紹介 2回目です
2002年と古い資料ですが 参考になりますす
ちょっとした解説がきいています
もう一つ 再掲載となりますが 『月刊少年育成』誌より
小坂映子さんの「今風子育ての親と子どもたち」を紹介します
この文が書かれてから十年
読んだ当時は驚いたのですが 今はそう驚かなくなっている自分に気がつきました
時代がすすんだのかすさんだのか
「カッコ良く子育てはできない。」
子どもたちを見ていても 自分の子育てを振り返っても そうだなあと思います
※浜松出身の女性講談師の講談師・田辺一邑さんの浜松での独演会のお知らせです
日時 :8月3日(日)午後2時開演
場所 :浜松市地域情報センターホール
料金 :前売り2500円 当日2700円
ゲスト :のだゆき(音楽パフォーマンス)
一邑演目:「英一蝶浅妻船」「レビューの王様・白井鐵造」
※「すみれの花咲く頃」を作詞した宝塚歌劇・白井鐵造さんは北区春野町の出身です
チケットはアクトシティ浜松のプレイガイドで販売中です
お問い合せは 053-438-1863(ケイ企画 河村さん)まで

※浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー
ものづくりの街 浜松
行くたびに新しい感動が得られる 山田卓司さんの世界
6月から開館日が増えました
詳しいことはホームページをご覧になってください
ホームページにも魅力がいっぱい詰まっています

(1)「都道府県の急所」 いぢちひろゆき 新潮社 2002年 ②

◇日本一 生活習慣病
①沖縄
②埼玉
③神奈川
ワースト ①秋田 ②高知 ③山形
◇日本一 海外旅行好き
①東京
②神奈川
③千葉
ワースト ①秋田 ②高知 ③青森
◇日本一 車好き
①群馬
②富山
③栃木
ワースト ①東京 ②大阪 ③神奈川
群馬…短気で威勢のいい県民性
◇日本一花を買うのは
①鹿児島
②福島
③栃木
ワースト ①沖縄 ②徳島 ③静岡
鹿児島県民は先祖を敬う
◇日本一広い家
①富山
②福井
③石川
ワースト ①東京 ②神奈川 ③沖縄
◇日本一子どもに仕送り
①山口
②長野
③静岡
ワースト ①埼玉 ②東京 ③大阪
富山はコツコツ勤勉
◇日本一交際費
①和歌山
②山形
③佐賀
ワースト ①神奈川 ②静岡 ③埼玉
◇日本一早婚
①香川
②岡山
③和歌山
ワースト ①東京 ②神奈川 ③山形
瀬戸内海と早婚
(2)「今風子育ての親と子どもたち~補導メモより~かっこよく子育てはできない」 小坂映子(守口少年サポートセンター)『月刊少年育成』2004年7月号【再掲載】

◇制服姿の男子中学生とその母親
○月×日
大阪・谷町四丁目界隈の昼下がりには、行き交うサラリーマンとともに、近くの家
庭裁判所からの帰途と思われる親子連れの姿がよく見られる。
今日も制服姿の男子中学生とその母親が歩いている。
「お昼何食べる?」
と明るく子どもに聞く母親の横には、屈託なく笑い、今にもⅤサインでもしそうな緊
張感のかけらも見られない子どもがいた。
出頭日に備え不承不承ながら染め直したであろう髪は、一部に少年がかって茶髪で
あった痕跡を残している。
おそらく少年の髪は時日を待たず、再び茶髪になるであろう。
仲が良く、親子関係も悪くなさそうに見える。
しかし、ではなぜこの少年は、家庭裁判所に出頭しなければならないような事をし
たのだろうとふと疑問に思った。
親子ともにこの事実を、もう少し重く受け止めて欲しい。
この少年が再びこの道を歩かないためにもと思った。
◇「私は子どもを信頼してやりたい」
○月×日
午後6時30分、昨夕、喫煙行為で補導をした女子高校生の保護者である母親に電
話連絡を入れる。
食事の支度で多忙のせいか母親の応対は、すこぶる悪い。
制服姿でタバコを吸っていたこと、かなり常習化していると思われることを告げ、
私が
「A子ちゃんは、お母さんは自分がタバコを吸っていることを気づいていると言って
いましたが、如何ですか」
と聞くと母親は
「タバコを吸っているのは知っていましたが、私の前では吸いません。見たわけでは
ないので注意はしていません」
と答えた。
どうしてなのだろう。警察ではあるまいし証拠がなければ、親が子どもを指導でき
ないのだろうか。何かがおかしい。
今日の仕事は、やたら空しさだけが残ったような気がした。
某高校の先生の話によると、校内でタバコを吸った生徒の保護者を呼ぶと、
「私は子どもを信頼してやりたい。親子には信頼関係が一番大切ですから」
と言い指導に困難をきたしたとのことである。
信頼していると言い切る自信はなく、信頼してやりたいと言うところに、親の切な
い思いが表れているような気もするが、問題を直視することなく逃げる姿勢の中には、
親としての責任が放棄されていることには違いないと思う。
◇IT時代の申し子のような親子
○月×日
継続補導を行っている高校生のB子宅を訪問する。
B子は異性交際が原因で、母親ともめ半月間にわたり家出をしていたが、帰宅後も
登校せず母親とは険悪な状態が続いている。
玄関を入ると母親が現れ、
「すぐB子を呼びますから」
とのことである。どうもB子は二階にいるらしい。
母親は二階に向かい声を掛けるのかと思ったところ、やおら携帯電話を取り出しメ
ールを始めた。
待つこと一分、母親の携帯電話が鳴り、メールが着信した。
「今、下に降りると言っていますので」
と母親が言う。
なんと家の一階と二階でメール交換をしていたのである。
私は
「お母さん、家の中で組子がメールで会話するのは少し変ではないですか」
と言うと、母親は
「口で話すともめてばかり、必要なことはメールですると喧嘩にならないので、無駄
なエネルギーを使わなくていいのです。ここしばらくは、メールがあって助かって
いるのです」
と言う。
やがて階下にやってきたB子に、私が
「お母さんにはメールではなく、自分の声を出して話すほうがいいよ。やっぱり顔を
見て話さないと気持ちが伝わらないよ」
と言うと
「本当は私もそう思うよ。でも今のお母さんはすっかりメールにはまってるねん。そ
れにお母さんがケイタイをやっていると、私のケイタイ料金が高くてもあまり文句
言われへんから」
とB子は自嘲気味に答えた。
親子の間に無駄な事などない。
思い切りエネルギーを使ってぶつかってこそ親子だと思うのだが。
IT時代の申し子のような親子である。
◇眠らない幼児
○月×日
ミナミの盛り場も午前4時ともなると、さすがの喧噪も陰を潜めるが、終夜営業の
カラオケ店は明るくネオンが輝いている。
そのカラオケ店の階段を幼稚園児くらいの男児が下りてくる。
なぜこんな時間にこんな場所にこんな幼い子がいるのだろう。迷い子なのだろうか。
誰もがそう思った時、男児の後ろを若い女性が追いかけてきた。
雰囲気からどうも親子らしいと分かった。
男児はカラオケの余韻を楽しむかのように身振り手振りではしゃぎ、母親もそれに
応えるかのように笑顔で話しかけている。
折からの雨で帰りそびれ、仕方なくカラオケ店で雨やどりをしていたのだろうか。
いやそれにしても、24時間都市大阪といえども、こんな場所に眠らない幼児がいる
とは、思いも至らなかった。
驚きとともに、一瞬、別世界に足を踏み込んだような気がした。
ここにも仲の良い親子がいたのである。
◇着信拒否転じて養育拒否
○月×日
中学3年生のC子は、いつもふて腐れた態度である。怠学、喫煙、不健全性行為、
深夜はいかいなど、さまざまな問題行動のあるC子は、いつも先生に連れられて定
期的にセンターにやってくるが、母親には一度しか会えていない。
母親に来所を促しても
「ここのところ仕事が忙しいので」
とか
「下の子の具合が悪いので」
などと理由を付けられてしまう。
そのようなC子であるが、今日は妙に機嫌が良くニコニコしている。
「何かいいことあったの?」
と聞くと
「今日からお父さんとお母さんが、会社の旅行で九州に行くねん。お金を置いて行っ
てくれるし、冷蔵庫にも色々入っているから、今日はD子らを呼んで遊ぶつもり
やねん」
と言う。
C子宅は少し前から、不良グループのたまり場となりつつあった。
D子が来るならおそらく先輩の男子グループも来るに違いない。どうして、C子に
とって大参な時期に、子どもだけ残して両親揃って家を空けるのか。これでは猫に鰹
節ではないか。呆れると同時に怒りが沸いてくる。
私は仕方なく、
「タバコを吸ってはダメ。お酒もダメよ。男の子を家に入れてはダメ」
と約束させるとともに、保護者が旅行から帰宅するのを待ち、再度連絡をとることと
した。
その時、某中学校の先生の話を思い出した。
「呼び出しに応じない保護者にしつこく電話で連絡を入れたら、とうとう着信拒否を
されてしまいました。学校の電話、関係ある先生の携帯電話すべてです。そこで保
護者に知られていない妻の携帯電話から掛けたところ、やっと繋がりましたが、こ
れも一度きりでしょう。もう着信拒否リストに入っていることでしょうから」
これでは着信拒否転じて養育拒否ではないだろうか。
C子の保護者への連絡の事を思うと、暗澹とした気持ちになった。
◇カッコ良い子育てはない
私は今から20年前のある音を思い出すことがある。
それは夜も更けた警察署で響いた。
家出をしていた女子高校生の娘を引き取りにきた父親が、娘の頬を叩いた音である。
その後父親は無言で涙を流しながら、娘に向き合っていた。そこには渾身の力をもっ
て、子どもに向き合う親の気構えを見ることができた。
いつの頃からか、そのような音を聞くこともなくなった。
カッコ良く、無駄な事はせず、自分なりの価値観で生きることが、今風の生き方と
してもてはやされた時代に今の親たちは育った。
その延長線上に今風の子育てがある。
しかし子育ては親の価値観だけでできるものではない。
自分の価値観だけを押しつけず、やがて社会の一員となる子どもを訓練する責任が、
親にはある。
それが、子どもの生きる力ともなる。
そのためには、なりふり構わず髪を振り乱し子どもに対峠してこそ、本当の意味の
子育てができると思う。
カッコ良く子育てはできない。
それにつけても、せめて家庭裁判所の帰り道には、もう少し親子とも神妙な顔をし
て欲しい、どうか着信拒否はしないで欲しい、深夜まで幼児を連れ回さないで欲しい
と思うのは、補導の現場で仕事をするものの差し迫った願いである。
「都道府県の急所」の紹介 2回目です
2002年と古い資料ですが 参考になりますす
ちょっとした解説がきいています
もう一つ 再掲載となりますが 『月刊少年育成』誌より
小坂映子さんの「今風子育ての親と子どもたち」を紹介します
この文が書かれてから十年
読んだ当時は驚いたのですが 今はそう驚かなくなっている自分に気がつきました
時代がすすんだのかすさんだのか
「カッコ良く子育てはできない。」
子どもたちを見ていても 自分の子育てを振り返っても そうだなあと思います
※浜松出身の女性講談師の講談師・田辺一邑さんの浜松での独演会のお知らせです
日時 :8月3日(日)午後2時開演
場所 :浜松市地域情報センターホール
料金 :前売り2500円 当日2700円
ゲスト :のだゆき(音楽パフォーマンス)
一邑演目:「英一蝶浅妻船」「レビューの王様・白井鐵造」
※「すみれの花咲く頃」を作詞した宝塚歌劇・白井鐵造さんは北区春野町の出身です
チケットはアクトシティ浜松のプレイガイドで販売中です
お問い合せは 053-438-1863(ケイ企画 河村さん)まで

※浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー
ものづくりの街 浜松
行くたびに新しい感動が得られる 山田卓司さんの世界
6月から開館日が増えました
詳しいことはホームページをご覧になってください
ホームページにも魅力がいっぱい詰まっています

(1)「都道府県の急所」 いぢちひろゆき 新潮社 2002年 ②

◇日本一 生活習慣病
①沖縄
②埼玉
③神奈川
ワースト ①秋田 ②高知 ③山形
◇日本一 海外旅行好き
①東京
②神奈川
③千葉
ワースト ①秋田 ②高知 ③青森
◇日本一 車好き
①群馬
②富山
③栃木
ワースト ①東京 ②大阪 ③神奈川
群馬…短気で威勢のいい県民性
◇日本一花を買うのは
①鹿児島
②福島
③栃木
ワースト ①沖縄 ②徳島 ③静岡
鹿児島県民は先祖を敬う
◇日本一広い家
①富山
②福井
③石川
ワースト ①東京 ②神奈川 ③沖縄
◇日本一子どもに仕送り
①山口
②長野
③静岡
ワースト ①埼玉 ②東京 ③大阪
富山はコツコツ勤勉
◇日本一交際費
①和歌山
②山形
③佐賀
ワースト ①神奈川 ②静岡 ③埼玉
◇日本一早婚
①香川
②岡山
③和歌山
ワースト ①東京 ②神奈川 ③山形
瀬戸内海と早婚
(2)「今風子育ての親と子どもたち~補導メモより~かっこよく子育てはできない」 小坂映子(守口少年サポートセンター)『月刊少年育成』2004年7月号【再掲載】

◇制服姿の男子中学生とその母親
○月×日
大阪・谷町四丁目界隈の昼下がりには、行き交うサラリーマンとともに、近くの家
庭裁判所からの帰途と思われる親子連れの姿がよく見られる。
今日も制服姿の男子中学生とその母親が歩いている。
「お昼何食べる?」
と明るく子どもに聞く母親の横には、屈託なく笑い、今にもⅤサインでもしそうな緊
張感のかけらも見られない子どもがいた。
出頭日に備え不承不承ながら染め直したであろう髪は、一部に少年がかって茶髪で
あった痕跡を残している。
おそらく少年の髪は時日を待たず、再び茶髪になるであろう。
仲が良く、親子関係も悪くなさそうに見える。
しかし、ではなぜこの少年は、家庭裁判所に出頭しなければならないような事をし
たのだろうとふと疑問に思った。
親子ともにこの事実を、もう少し重く受け止めて欲しい。
この少年が再びこの道を歩かないためにもと思った。
◇「私は子どもを信頼してやりたい」
○月×日
午後6時30分、昨夕、喫煙行為で補導をした女子高校生の保護者である母親に電
話連絡を入れる。
食事の支度で多忙のせいか母親の応対は、すこぶる悪い。
制服姿でタバコを吸っていたこと、かなり常習化していると思われることを告げ、
私が
「A子ちゃんは、お母さんは自分がタバコを吸っていることを気づいていると言って
いましたが、如何ですか」
と聞くと母親は
「タバコを吸っているのは知っていましたが、私の前では吸いません。見たわけでは
ないので注意はしていません」
と答えた。
どうしてなのだろう。警察ではあるまいし証拠がなければ、親が子どもを指導でき
ないのだろうか。何かがおかしい。
今日の仕事は、やたら空しさだけが残ったような気がした。
某高校の先生の話によると、校内でタバコを吸った生徒の保護者を呼ぶと、
「私は子どもを信頼してやりたい。親子には信頼関係が一番大切ですから」
と言い指導に困難をきたしたとのことである。
信頼していると言い切る自信はなく、信頼してやりたいと言うところに、親の切な
い思いが表れているような気もするが、問題を直視することなく逃げる姿勢の中には、
親としての責任が放棄されていることには違いないと思う。
◇IT時代の申し子のような親子
○月×日
継続補導を行っている高校生のB子宅を訪問する。
B子は異性交際が原因で、母親ともめ半月間にわたり家出をしていたが、帰宅後も
登校せず母親とは険悪な状態が続いている。
玄関を入ると母親が現れ、
「すぐB子を呼びますから」
とのことである。どうもB子は二階にいるらしい。
母親は二階に向かい声を掛けるのかと思ったところ、やおら携帯電話を取り出しメ
ールを始めた。
待つこと一分、母親の携帯電話が鳴り、メールが着信した。
「今、下に降りると言っていますので」
と母親が言う。
なんと家の一階と二階でメール交換をしていたのである。
私は
「お母さん、家の中で組子がメールで会話するのは少し変ではないですか」
と言うと、母親は
「口で話すともめてばかり、必要なことはメールですると喧嘩にならないので、無駄
なエネルギーを使わなくていいのです。ここしばらくは、メールがあって助かって
いるのです」
と言う。
やがて階下にやってきたB子に、私が
「お母さんにはメールではなく、自分の声を出して話すほうがいいよ。やっぱり顔を
見て話さないと気持ちが伝わらないよ」
と言うと
「本当は私もそう思うよ。でも今のお母さんはすっかりメールにはまってるねん。そ
れにお母さんがケイタイをやっていると、私のケイタイ料金が高くてもあまり文句
言われへんから」
とB子は自嘲気味に答えた。
親子の間に無駄な事などない。
思い切りエネルギーを使ってぶつかってこそ親子だと思うのだが。
IT時代の申し子のような親子である。
◇眠らない幼児
○月×日
ミナミの盛り場も午前4時ともなると、さすがの喧噪も陰を潜めるが、終夜営業の
カラオケ店は明るくネオンが輝いている。
そのカラオケ店の階段を幼稚園児くらいの男児が下りてくる。
なぜこんな時間にこんな場所にこんな幼い子がいるのだろう。迷い子なのだろうか。
誰もがそう思った時、男児の後ろを若い女性が追いかけてきた。
雰囲気からどうも親子らしいと分かった。
男児はカラオケの余韻を楽しむかのように身振り手振りではしゃぎ、母親もそれに
応えるかのように笑顔で話しかけている。
折からの雨で帰りそびれ、仕方なくカラオケ店で雨やどりをしていたのだろうか。
いやそれにしても、24時間都市大阪といえども、こんな場所に眠らない幼児がいる
とは、思いも至らなかった。
驚きとともに、一瞬、別世界に足を踏み込んだような気がした。
ここにも仲の良い親子がいたのである。
◇着信拒否転じて養育拒否
○月×日
中学3年生のC子は、いつもふて腐れた態度である。怠学、喫煙、不健全性行為、
深夜はいかいなど、さまざまな問題行動のあるC子は、いつも先生に連れられて定
期的にセンターにやってくるが、母親には一度しか会えていない。
母親に来所を促しても
「ここのところ仕事が忙しいので」
とか
「下の子の具合が悪いので」
などと理由を付けられてしまう。
そのようなC子であるが、今日は妙に機嫌が良くニコニコしている。
「何かいいことあったの?」
と聞くと
「今日からお父さんとお母さんが、会社の旅行で九州に行くねん。お金を置いて行っ
てくれるし、冷蔵庫にも色々入っているから、今日はD子らを呼んで遊ぶつもり
やねん」
と言う。
C子宅は少し前から、不良グループのたまり場となりつつあった。
D子が来るならおそらく先輩の男子グループも来るに違いない。どうして、C子に
とって大参な時期に、子どもだけ残して両親揃って家を空けるのか。これでは猫に鰹
節ではないか。呆れると同時に怒りが沸いてくる。
私は仕方なく、
「タバコを吸ってはダメ。お酒もダメよ。男の子を家に入れてはダメ」
と約束させるとともに、保護者が旅行から帰宅するのを待ち、再度連絡をとることと
した。
その時、某中学校の先生の話を思い出した。
「呼び出しに応じない保護者にしつこく電話で連絡を入れたら、とうとう着信拒否を
されてしまいました。学校の電話、関係ある先生の携帯電話すべてです。そこで保
護者に知られていない妻の携帯電話から掛けたところ、やっと繋がりましたが、こ
れも一度きりでしょう。もう着信拒否リストに入っていることでしょうから」
これでは着信拒否転じて養育拒否ではないだろうか。
C子の保護者への連絡の事を思うと、暗澹とした気持ちになった。
◇カッコ良い子育てはない
私は今から20年前のある音を思い出すことがある。
それは夜も更けた警察署で響いた。
家出をしていた女子高校生の娘を引き取りにきた父親が、娘の頬を叩いた音である。
その後父親は無言で涙を流しながら、娘に向き合っていた。そこには渾身の力をもっ
て、子どもに向き合う親の気構えを見ることができた。
いつの頃からか、そのような音を聞くこともなくなった。
カッコ良く、無駄な事はせず、自分なりの価値観で生きることが、今風の生き方と
してもてはやされた時代に今の親たちは育った。
その延長線上に今風の子育てがある。
しかし子育ては親の価値観だけでできるものではない。
自分の価値観だけを押しつけず、やがて社会の一員となる子どもを訓練する責任が、
親にはある。
それが、子どもの生きる力ともなる。
そのためには、なりふり構わず髪を振り乱し子どもに対峠してこそ、本当の意味の
子育てができると思う。
カッコ良く子育てはできない。
それにつけても、せめて家庭裁判所の帰り道には、もう少し親子とも神妙な顔をし
て欲しい、どうか着信拒否はしないで欲しい、深夜まで幼児を連れ回さないで欲しい
と思うのは、補導の現場で仕事をするものの差し迫った願いである。
補導メモは具体的で参考になりました
ある程度大きくなると、それまでにしつけができなかった親には、手に余るのでしょう
お互いがやけどをしない為に、距離を置くほうが、殺傷沙汰にならなくて賢いのかも入れません
by よいこ (2014-07-26 08:44)
よいこ さん ありがとうございます
そうですね
取り返しの付かない関係にしないために…という面があるのかもしれませんね
その前に指導しておきたいものですが
by ハマコウ (2014-07-26 22:27)