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「子供たちに読書力をつけさせよう」対談-夏目研一&宮本由里子 『致知』2003.12月号 ⑨ [読書記録 教育]

今回は 2月10日に続いて 月刊誌『致知』より 夏目研一さん 宮本由里子さんの
「子供たちに読書力をつけさせよう」の紹介 9回目です

読書についての対談は 読書指導の参考になります



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…
・『お父さんのバックドロップ』
- わたしの世代にじんとくる 中島らもさん作の物語です

・「教師に熱い心があるか、子どもたちに対する眼差しが行き届いているか。」
- 熱い心はもっているもののそれを表に表さないというのが好きです

  


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☆「子供たちに読書力をつけさせよう」対談-夏目研一&宮本由里子 『致知』2003.12月号 ⑨

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◇いま求められるべきは教師の熱さである

 夏目 ご推薦の本を読ませていただきましたが、とてもおもしろかったです。

    特に先ほど朗読していただいた『ハードル』『お父さんのバックドロップ』は
   小学校高学年から高校生向きの本ですが、これは教師や親が読んでもいい。子ど
   もってこういうところでつむじを曲げてしまうんだなとか、こんなところで腹を
   立てていたんだとか、日常では大人が気づかないことを教えてくれます。



 宮本 『ハードル』は生徒たちにも絶大な人気を誇っています。

    続きを聞くために熱があっても学校に来た子がいるくらいですから。

    でも、逆にそれが落とし穴になったというか…。この本を朗読するようになっ
   てしばらくたつのですが、どの学年のどのクラスでもそれなりの手応えを得てき
   たんです。だから、「この本を読めば生徒はこのくらい喜ぶだろう」と予測して
   しまっていました。少し前までは、いまこの生徒たちのために次は何を読もうか
   と必死で考え、一所懸命本を探していました。最近はそういう目が欠けていたな、
   と反省していたところなんです。

    自分の感動はもちろんですが、生徒たちにとっていま何が必要かという目線が
   必要だと思います。 



 夏目 教師に熱い心があるか、子どもたちに対する眼差しが行き届いているか。

    教育が行き着くところはそこです。教育に効果的だと聞いて、自分もやってみ
   ようとシステムだけを導入する。でも途中で失敗するのは、この二点が欠けてい
   るからです。
    どんなに完璧なシステムやノウハウでも、使う人間に心が伴っていなければ有
   益に使いこなせません。

    また、日頃生徒に必死で知識や技術を伝授したとしても、心が空っぼでは正し
   く忍耐強くそれらを使えない。その心を育む手段の一つに読書、特に『致知』の
   ような文章を読むことが効果的だと思うんです。



 宮本 そうですね。朗読劇場でも朝の読書でも、何でも教師の「熱」次第ですよね。
   温かさも大事ですが、「熱さ」も必要です。



 夏目 この前新聞に載っていた高校生の投書を手帳に書き留めているんです。

   「私は生徒会長をしていますが、自分の存在価値や生きている意味、目的みたい
   なものがまだはっきり見えてきません。最近は本気で叱る先生も減っていると思
   います。本気で仕事を全うしている先生がいったい全国に何人いるでしょう。私
   たちよりも教師のほうが無気力になっている感じです。先生がもっと体でぶつか
   ってきたら、寂しがっている生徒も減るのでは」
 
    多くの生徒たちが心の底では教師がぶつかってきてくれることを待っています。
   いまこそ教師は「熱さ」を取り戻さなければならないのです。

    そういえば、『致知』にも以前登場された元中学教師の「生徒指導の神様」原
   田隆史さんが最近出された本のタイトルは『本気の教育でなければ子どもは変わ
   らない』(旺文社)でした。

    いや、それだけじゃない。最近『ヤンキー母校に帰る』というドキュメントが
   テレビで放映されましたが、元ヤンキーでありながら母校の北星学園余市高校の
   教師になった義家弘介さんもこんなことを本の中で述べています。

  「過ちを犯す少年たち全てに共通していること、それはまさに「真剣な情熱と思い
   を持つ大人と過ごした時間」が圧倒的に少ないことであろう」(『ヤンキー母校
   に生きる』文藝春秋社)と……。

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Silvermac

安岡章太郎の実家は残っています。
by Silvermac (2015-02-13 16:31) 

ディブ松本

子供に小遣いをあげて本を朗読してもらっています
by ディブ松本 (2015-02-13 23:02) 

ハマコウ

Silvermacさん ありがとうございます
安岡さんの描く劣等生に共感をもっています
ご実家がまだ残っているのですね
by ハマコウ (2015-02-14 00:52) 

ハマコウ

ディブ松本さん ありがとうございます
わたしは子どもが本を音読するときの声が大好きです
活き活きとした声 わたしには出せないものだと思います
by ハマコウ (2015-02-14 00:53) 

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