「徳のある子の育て方」1 豊岡中央病院理事長・田下昌明 『致知』 2004.12 ⑤ [読書記録 一般]
今回は 11月23日に続いて 月刊誌『致知』2004年12月号より
田下昌明さんの
「徳のある子の育て方」1(=1/4)を紹介します
「人間の一生にとっていかに乳幼児期が大事か」
いかに大切かということを このごろの子どもたちと接していて 思います
徳があるというより 徳がつくでしょうか
<浜松ジオラマファクトリー 再開間近!>
先月末日で閉館となった浜松ジオラマファクトリーですが
12月4日同じザザシティ西館での開館が決まりました
かなり狭くなるとのことですが 山田卓司さんの作品を見ることができます
ものづくりの楽しさを味わえることと思います
☆「徳のある子の育て方」1 豊岡中央病院理事長・田下昌明 『致知』 2004.12 ⑤
田下昌明 たしも・まさあき
昭和12年北海道生まれ。北海道大学医学部卒、同大学院医学研究科修了。医学博士。 現在、医療法人歓生会豊岡中央病院理事長。旭川医科大学臨床指導教授を兼務。著書 に『よい子はこうして育つ』『子育て健康教室』『母の積み木』『子育てが危ない』など。
小児科医として39年。田下昌明さんは100万人に及ぶ母と子を見守り続けてきた。 そして思うのは、母子の接触が希薄になっていく最近の子育てのあり方だ。これで は徳のある人間は育たない。その危機感が田下さんを駆り立てる。
田下さんが熱く説く子育ての根幹。
◇人間たらしめる人格形成の根本
- 田下先生は小児科医としての豊富なご体験から、いま日本の子育ては大変危ないと
説いていらっしゃいます。
田下 子育て論の前に老人の話をさせてください。私のところには介護保険による老人
保健施設もあって、約百人のお年寄りのお世話をしています。
老人ですから人生経験を積まれて、いろいろなものを身につけていらっしゃる。
それが老いとともに剥げ落ちていくんですね。
その剥げ方には順序があって、後から身についたものから順に剥げ落ちていく。
- ラッキョウの皮をむくように。
田下 本当にそうです。
ラッキョウの皮のように外側から、つまり後から身につけたものから剥げていく。
で、最後まで残るものは何か。
それは生まれる前後から乳幼児期にかけて身につけたものなんですね。このこと
は人間を人間たらしめるもの、人格形成の根本は何かを示していると思います。
- 人間の一生にとっていかに乳幼児期が大事か、ということですね。
田下 その通りです。
この時期に身につけたものはその人の一生を左右すると言って過言ではない。
その時期に人格形成を阻害するものがあったとしても、その後の人生で克服する
のは不可能ではないかもしれない。
しかし、それは一生を通じて苦闘し続けなければならないほど大きなものである
ことは確かです。
- 乳幼児期の重大さ、子育ての大事さがうなずけます。
田下 いや、子育ては乳児期から始まるのではありません。
母親の胎内にいる時からスタートしているのです。
- 胎教ですか。
田下 胎教も重要ですが、それは方法です。もっと根本的なものですね。
最近は出生前心理学として、この方面の研究もだいぶ進んでいますよ。
- どういうことでしょう。
田下 妊婦は四つのタイプに分けられるんですね。
① 妊婦自身も周囲の人たちも妊娠、出産を喜んでいる。
② 妊婦自身は喜んでいるが、周囲は歓迎していない。
③ 周囲は歓迎しているが、妊婦自身は産みたくない。
④ 妊婦も周囲も歓迎していない。
この四つです。これ以外はありません。
ザルツブルグ大学教授のゲルハルト・ロットマン博士はこの四タイプの妊婦から
生まれた子どもを調査し、次のような結果を得ました。
①の子は肉体的精神的に健康です。また妊娠経過がよく、出産の苦痛も少ないん
です。
②の子は二面的な価値観にとらわれる。つまり、裏表のある人間になるというこ
とです。それに胃腸に問題のある子が目立つ。
③は早産や低体重児の割合が高い。
④の子は感受性に乏しく、無気力な子が多い。
私も調べましたが、ロットマン博士の結論にはまったく同感です。
- 妊婦の心理状態が影響する。
田下 そうです。
母から子へのインフォメーションの方法は三通りあります。
胎生四か月で目、耳、口、舌といった器官が全部完成し、五感が機能するんです。
感覚を通して伝わってくる。それからホルモンですね。お母さんが戦慄を覚える、
悲しい思いをする。
そういう時に分泌されるホルモンが胎児に影響する。三つ目は波動とでも言えば
いいのか、お母さんに共感するものが胎児には備わっているんですよ。
お母さんの考えていること、感じていることを胎児はみんな分かっている。それ
を受け止め、人格の最も土台となるものをつくり始めているんです。
田下昌明さんの
「徳のある子の育て方」1(=1/4)を紹介します
「人間の一生にとっていかに乳幼児期が大事か」
いかに大切かということを このごろの子どもたちと接していて 思います
徳があるというより 徳がつくでしょうか
<浜松ジオラマファクトリー 再開間近!>
先月末日で閉館となった浜松ジオラマファクトリーですが
12月4日同じザザシティ西館での開館が決まりました
かなり狭くなるとのことですが 山田卓司さんの作品を見ることができます
ものづくりの楽しさを味わえることと思います
☆「徳のある子の育て方」1 豊岡中央病院理事長・田下昌明 『致知』 2004.12 ⑤
田下昌明 たしも・まさあき
昭和12年北海道生まれ。北海道大学医学部卒、同大学院医学研究科修了。医学博士。 現在、医療法人歓生会豊岡中央病院理事長。旭川医科大学臨床指導教授を兼務。著書 に『よい子はこうして育つ』『子育て健康教室』『母の積み木』『子育てが危ない』など。
小児科医として39年。田下昌明さんは100万人に及ぶ母と子を見守り続けてきた。 そして思うのは、母子の接触が希薄になっていく最近の子育てのあり方だ。これで は徳のある人間は育たない。その危機感が田下さんを駆り立てる。
田下さんが熱く説く子育ての根幹。
◇人間たらしめる人格形成の根本
- 田下先生は小児科医としての豊富なご体験から、いま日本の子育ては大変危ないと
説いていらっしゃいます。
田下 子育て論の前に老人の話をさせてください。私のところには介護保険による老人
保健施設もあって、約百人のお年寄りのお世話をしています。
老人ですから人生経験を積まれて、いろいろなものを身につけていらっしゃる。
それが老いとともに剥げ落ちていくんですね。
その剥げ方には順序があって、後から身についたものから順に剥げ落ちていく。
- ラッキョウの皮をむくように。
田下 本当にそうです。
ラッキョウの皮のように外側から、つまり後から身につけたものから剥げていく。
で、最後まで残るものは何か。
それは生まれる前後から乳幼児期にかけて身につけたものなんですね。このこと
は人間を人間たらしめるもの、人格形成の根本は何かを示していると思います。
- 人間の一生にとっていかに乳幼児期が大事か、ということですね。
田下 その通りです。
この時期に身につけたものはその人の一生を左右すると言って過言ではない。
その時期に人格形成を阻害するものがあったとしても、その後の人生で克服する
のは不可能ではないかもしれない。
しかし、それは一生を通じて苦闘し続けなければならないほど大きなものである
ことは確かです。
- 乳幼児期の重大さ、子育ての大事さがうなずけます。
田下 いや、子育ては乳児期から始まるのではありません。
母親の胎内にいる時からスタートしているのです。
- 胎教ですか。
田下 胎教も重要ですが、それは方法です。もっと根本的なものですね。
最近は出生前心理学として、この方面の研究もだいぶ進んでいますよ。
- どういうことでしょう。
田下 妊婦は四つのタイプに分けられるんですね。
① 妊婦自身も周囲の人たちも妊娠、出産を喜んでいる。
② 妊婦自身は喜んでいるが、周囲は歓迎していない。
③ 周囲は歓迎しているが、妊婦自身は産みたくない。
④ 妊婦も周囲も歓迎していない。
この四つです。これ以外はありません。
ザルツブルグ大学教授のゲルハルト・ロットマン博士はこの四タイプの妊婦から
生まれた子どもを調査し、次のような結果を得ました。
①の子は肉体的精神的に健康です。また妊娠経過がよく、出産の苦痛も少ないん
です。
②の子は二面的な価値観にとらわれる。つまり、裏表のある人間になるというこ
とです。それに胃腸に問題のある子が目立つ。
③は早産や低体重児の割合が高い。
④の子は感受性に乏しく、無気力な子が多い。
私も調べましたが、ロットマン博士の結論にはまったく同感です。
- 妊婦の心理状態が影響する。
田下 そうです。
母から子へのインフォメーションの方法は三通りあります。
胎生四か月で目、耳、口、舌といった器官が全部完成し、五感が機能するんです。
感覚を通して伝わってくる。それからホルモンですね。お母さんが戦慄を覚える、
悲しい思いをする。
そういう時に分泌されるホルモンが胎児に影響する。三つ目は波動とでも言えば
いいのか、お母さんに共感するものが胎児には備わっているんですよ。
お母さんの考えていること、感じていることを胎児はみんな分かっている。それ
を受け止め、人格の最も土台となるものをつくり始めているんです。
出生前心理学・・・なるほど、ここまで考えもしませんでした。
これは面白いですね。
もう少し掘り下げて学びたくなりました。
by 駅員3 (2015-11-29 09:20)
駅員3 さん ありがとうございます
「お母さんの考えていること、感じていることを胎児はみんな分かっている。」
何となく想像できます
by ハマコウ (2015-11-29 09:41)
>ラッキョウの皮のように後から剥げ落ちていく
>妊婦の心理状態が胎児に影響する
とても興味深いですね。
by bun-ta (2015-11-29 11:56)
bun-taさん ありがとうございます
ゆったりと穏やかな気分で過ごすということが大事なのですね
by ハマコウ (2015-11-29 15:46)
とても興味深いお話しでした。
続きを楽しみにしています(^^)
by Amy (2015-11-29 16:39)
Amyさん ありがとうございます
親のかかわり方は大切だと改めて思いました
by ハマコウ (2015-11-29 17:11)
出生前心理学!初めて聴きました(@0@;)
でも、普段私が感じている事でもあります。続きがとても楽しみです(^^)v
by さうざんバー (2015-11-29 17:44)
さうざんバーさん ありがとうございます
心理学と聞くと少し構えてしまうのですが
このようなことはありそうだと感じます
by ハマコウ (2015-11-29 23:23)
こんばんは。
人間形成において乳幼児期が大切だとはわかっていましたが、出生前も大切なんですね。
でも日本においては一億総活躍を掲げる政府。そして母親が出産ギリギリまで働き出産後すぐに働かなければならない日本経済の厳しさを、愚かな少子化対策を打ち出す政府にもっと考えてもらいたいですね。
by 天神堂牛笛 (2015-12-01 19:55)
天神堂牛笛さん ありがとうございます
確かにそうですね
「一億総活躍せざるを得ない社会」がいいのだと言い切る自信は
わたしにはありません
by ハマコウ (2015-12-01 20:37)