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「人生のくくり方」 加藤秀俊 NHKブックス 1981年 ⑧ [読書記録 一般]

「老人のけじめの付け方は美しく悔いのないものでありたい」




今回は 7月1日に続いて 社会学者 加藤秀俊さんの
「人生のくくり方」の紹介 8回目です。



わたしは中学生のころから加藤秀俊さんの本が好きで 今でもしばしば読んでいます。
「社会学」を学びたいと思ったものですが、ある本と出合い教職へと方向転換しました。
加藤さんの本を読むと「あのころ」を思い出します。



定年も間近となった今 「人生のくくり方」について 折々考えます。



出版社の案内には

「著者加藤秀俊氏は、現代の生きた諸問題に挑戦する意欲に満ち溢れている。行動的に世
 界中を駆け巡る個性的な社会科学者である。現代に生きることへの責任を行動をもって
 果たしたからである。」

とあります。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「隠居=家を子供に譲り渡すこと , 正常・平穏な隠居 と 刑罰としての隠居」


・「隠居してから後,自分の人生を探そうというすばらしい精神」


・「日本経済を支えていた根本 定年制のない中小企業の人々」


・「シンガポール住宅制度
  → 隠居した老人の面倒を誰が見るかについて,子供が面倒を見る場合は優遇し,核
   家族的な生活を求める人には,相対的に悪い条件で住宅供給(儒教精神)」







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☆「人生のくくり方」 加藤秀俊 NHKブックス 1981年 ⑧

1.JPG

◇隠居と定住

□年齢に関係なく隠遁生活

「世捨て人」(超俗の人)
  寒山拾得 9世紀 唐

西行   もと武士

  鴨長明  「方丈記」



□「隠居」

 一定年齢で老後生活


 平安時代 
  - 官僚の退官制度
おおむね40歳くらい


 戦国時代
  - 「家社会」成立
財産・家名・仏壇・位牌の継承



  家督相続 ~ 隠居 


 相続人が結婚した時期に父親引退



老人自ら隠居宣言


 隠居 = 家を子供に譲り渡すこと


 正常・平穏な隠居 と 刑罰としての隠居



□西日本  

 離れを使っての隠居 = 二世帯住宅

 嫁入り婚の為



□国東半島 

 家長権利 
  戸主権 ①家の財産の運用
②田畑の管理
③家族全体の管理


 ヨワタシ


 主婦権(杓文字ワタシ,ヘラワタシ)


 隠居分家 - 次男を連れて親が分家

   本家6割 隠居分家4割



□隠居分類学 
 1 完全隠居か不完全隠居か

 2 別居隠居か同居隠居か

 3 別火か同火か

 4 財産分与


 積極隠居 と 消極隠居



隠居してから後,自分の人生を探そうというすばらしい精神



関西の町衆
  


□定年制 

 大正末~昭和の初め

 昭和8年  40%が定年制 50歳(平均寿命45歳)


 1975年 60%が定年制


 1980年 90%


 大正時代 退職金 最終月収の100倍

               ↑↓

 専門職の人々に定年はいらない 中小企業



日本経済を支えていた根本 定年制のない中小企業の人々
  


□シンガポール

 国家社会主義 
   42%が所得税 = 社会資本の充実


 シンガポール住宅制度
・若夫婦と親同居 
     日当たり良 4LDK 安い家賃で 共同住宅の4・5階に

  ・同居せず    
     条件悪・小さな住宅・割高家賃



※ 隠居した老人の面倒を誰が見るかについて,子供が面倒を見る場合は優遇し,核家族
 的な生活を求める人には,相対的に悪い条件で住宅供給(儒教精神)


◎老人のけじめの付け方は美しく悔いのないものでありたい


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