「詠う平家 殺す源氏」谷沢永一・渡部昇一 ビジネス社 2002年 ① [読書記録 一般]
「平氏は弱かったが美しかった」
今回は、谷沢永一さん・渡部昇一さんの
「詠う平家 殺す源氏」1回目の紹介です。
出版社の案内には、
「『平家物語』で現代社会に通じる日本人のアイデンティティを再発見する きらびやかな
印象のある『平家物語』は、戦乱と権力の構図を浮き彫りにした日本人論である。本書
は平家物語を題材に、朝廷、平氏、源氏に見る権力の流れや、人間 の欲望、甘さ、残
酷さなどを、二大論客が鋭く語る。」
とあります。
刊行当時、わくわくしながら読んだことを覚えています。
今回紹介分から強く印象に残った言葉は…
・「鎌倉政権の目をはばかり,義経の戦功にはあえて筆を費やさず,壇ノ浦における八艘
跳び,戦場で逃げ行く姿のみ描く気のつかい方」
・「『平家物語』とは日本人にとっての壮大なる虹である」
・「大きな祟り
- 菅原道真,曾我兄弟,崇徳天皇
宮廷の皇位継承をコントロールできる貴族政治家がいなかった」
・「『平家物語』 = 『家族物語』
平家は明るくみんな心から仲がよい」
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆「詠う平家 殺す源氏」谷沢永一・渡部昇一 ビジネス社 2002年 ①
◇まえがき
□平家
親愛の情強く温かな族衆,運命のままに美しき滅びていく
↓
「平家物語」
日本史後世に守るべき規律
政治小説
清盛-悪者 → 重盛を善玉に
鎌倉政権の目をはばかり,義経の戦功にはあえて筆を費やさず,壇ノ浦における八艘跳
び,戦場で逃げ行く姿のみ描く気のつかい方
「仏教信仰」ではなく「仏教文芸」
頭をそるというのは単なるファッションで信仰ではない
↓
「平家物語」の謎に挑戦
<大変革期を活写した人間劇>
◇「平家物語」という「主観」が歴史に生命を吹き込む
「平家物語」とは日本人にとっての壮大なる虹である
抜群の人間描写で歴史物語の頂点を極めている
史記に書かれているから真実なのか?
歴史とは過去の日本人の生き方を知ることだ
優れた嘘(フィクション)を読まなければその時代は分からない
ディズレーリの小説からイギリスの歴史が立ち上がる
幸田露伴「出虚」世は事実ほど虚偽は無し
虚延を束ねて歴史なりいづ
日本歴史に五回あった大波瀾の一つ
大変革期の「詩」と「史」が一致した希有な物語
精錬されて深まった情緒,「平家物語」は戦記物の極北だ
「平家物語」「大鏡」
卓抜な歴史観がこめられた「祇園精舎の鐘の声」
<平氏こそ日本型「家族」の理想像>
◇すべては保元の乱から始まった
なぜ「崇徳天皇の祟り」が書かれていないのか
保元の乱 = 崇徳院側の敗北
白河天皇上皇 愛人を孫の鳥羽天皇と結婚させる
崇徳天皇(叔父子)
崇徳天皇の子どもは即位させない
↓
崇徳天皇は怨む
皇位継承問題でコントロールできる貴族政治家がいなかった
大きな祟り
- 菅原道真,曾我兄弟,崇徳天皇
∥
宮廷の皇位継承をコントロールできる貴族政治家がいなかった
愛妾を孫に押しつけてなお関係を続ける乱脈ぶり
99%の男は絶妙の境地を味わうことなく死ぬ
◇平家の礎にまつわる「秘密」 忠盛・清盛父子の真実
平忠盛は発の理想的武人像であった
忠盛 - 清潔感,涼やかさ
父子の微妙きわまる関係
忠度にも受け継がれた忠盛の歌人としての才能
白河法王の女房(御所)との間の子が忠度
清盛はやはり白河法王の御落胤だったのか
白河法王
- 祇園女御 妊娠したまま忠盛に与えられた
- その子が清盛説
◇日本的血族(家族)の原型を描いた「平家物語」
奇跡的なほど仲むつまじかった平氏一族
「平家物語」 = 「家族物語」
平家は明るくみんな心から仲がよい
↓
日本人の誰もが決して平氏に反感を持っていない
「平氏は弱かったが美しかった」
→ 平家の落ち武者伝説 = 平氏は憎まれていない
辱められていない
↑
庶民の同情
平家を束ねたのは清盛の包容力溢れる人格
宗盛と重衡の対比
処女崇拝は北村透谷,色欲弾劾は黒岩涙香より始まった
日本民族 - 国初以来性に関しては寛容だった
処女崇拝 明治25年
北村透谷 「処女の純血を論ず」から
男の色好み弾劾
明治25年 黒岩涙香 「万朝報」発刊以来
↓
人の世を明るくするおおらかさが失われた
今回は、谷沢永一さん・渡部昇一さんの
「詠う平家 殺す源氏」1回目の紹介です。
出版社の案内には、
「『平家物語』で現代社会に通じる日本人のアイデンティティを再発見する きらびやかな
印象のある『平家物語』は、戦乱と権力の構図を浮き彫りにした日本人論である。本書
は平家物語を題材に、朝廷、平氏、源氏に見る権力の流れや、人間 の欲望、甘さ、残
酷さなどを、二大論客が鋭く語る。」
とあります。
刊行当時、わくわくしながら読んだことを覚えています。
今回紹介分から強く印象に残った言葉は…
・「鎌倉政権の目をはばかり,義経の戦功にはあえて筆を費やさず,壇ノ浦における八艘
跳び,戦場で逃げ行く姿のみ描く気のつかい方」
・「『平家物語』とは日本人にとっての壮大なる虹である」
・「大きな祟り
- 菅原道真,曾我兄弟,崇徳天皇
宮廷の皇位継承をコントロールできる貴族政治家がいなかった」
・「『平家物語』 = 『家族物語』
平家は明るくみんな心から仲がよい」
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ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
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お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆「詠う平家 殺す源氏」谷沢永一・渡部昇一 ビジネス社 2002年 ①
◇まえがき
□平家
親愛の情強く温かな族衆,運命のままに美しき滅びていく
↓
「平家物語」
日本史後世に守るべき規律
政治小説
清盛-悪者 → 重盛を善玉に
鎌倉政権の目をはばかり,義経の戦功にはあえて筆を費やさず,壇ノ浦における八艘跳
び,戦場で逃げ行く姿のみ描く気のつかい方
「仏教信仰」ではなく「仏教文芸」
頭をそるというのは単なるファッションで信仰ではない
↓
「平家物語」の謎に挑戦
<大変革期を活写した人間劇>
◇「平家物語」という「主観」が歴史に生命を吹き込む
「平家物語」とは日本人にとっての壮大なる虹である
抜群の人間描写で歴史物語の頂点を極めている
史記に書かれているから真実なのか?
歴史とは過去の日本人の生き方を知ることだ
優れた嘘(フィクション)を読まなければその時代は分からない
ディズレーリの小説からイギリスの歴史が立ち上がる
幸田露伴「出虚」世は事実ほど虚偽は無し
虚延を束ねて歴史なりいづ
日本歴史に五回あった大波瀾の一つ
大変革期の「詩」と「史」が一致した希有な物語
精錬されて深まった情緒,「平家物語」は戦記物の極北だ
「平家物語」「大鏡」
卓抜な歴史観がこめられた「祇園精舎の鐘の声」
<平氏こそ日本型「家族」の理想像>
◇すべては保元の乱から始まった
なぜ「崇徳天皇の祟り」が書かれていないのか
保元の乱 = 崇徳院側の敗北
白河天皇上皇 愛人を孫の鳥羽天皇と結婚させる
崇徳天皇(叔父子)
崇徳天皇の子どもは即位させない
↓
崇徳天皇は怨む
皇位継承問題でコントロールできる貴族政治家がいなかった
大きな祟り
- 菅原道真,曾我兄弟,崇徳天皇
∥
宮廷の皇位継承をコントロールできる貴族政治家がいなかった
愛妾を孫に押しつけてなお関係を続ける乱脈ぶり
99%の男は絶妙の境地を味わうことなく死ぬ
◇平家の礎にまつわる「秘密」 忠盛・清盛父子の真実
平忠盛は発の理想的武人像であった
忠盛 - 清潔感,涼やかさ
父子の微妙きわまる関係
忠度にも受け継がれた忠盛の歌人としての才能
白河法王の女房(御所)との間の子が忠度
清盛はやはり白河法王の御落胤だったのか
白河法王
- 祇園女御 妊娠したまま忠盛に与えられた
- その子が清盛説
◇日本的血族(家族)の原型を描いた「平家物語」
奇跡的なほど仲むつまじかった平氏一族
「平家物語」 = 「家族物語」
平家は明るくみんな心から仲がよい
↓
日本人の誰もが決して平氏に反感を持っていない
「平氏は弱かったが美しかった」
→ 平家の落ち武者伝説 = 平氏は憎まれていない
辱められていない
↑
庶民の同情
平家を束ねたのは清盛の包容力溢れる人格
宗盛と重衡の対比
処女崇拝は北村透谷,色欲弾劾は黒岩涙香より始まった
日本民族 - 国初以来性に関しては寛容だった
処女崇拝 明治25年
北村透谷 「処女の純血を論ず」から
男の色好み弾劾
明治25年 黒岩涙香 「万朝報」発刊以来
↓
人の世を明るくするおおらかさが失われた
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