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「津波に負けない住まいとまちをつくろう」和田章・河田恵昭・田中礼治 技報堂出版 2015年 [読書記録 一般]

「自助・共助・公助で
 『まず助かる』 次に 『暮らしを守る』」

 



今回は、和田章さん、河田恵昭さん、田中礼治さんの
「和田章・河田恵昭・田中礼治」を紹介します。


海岸から1㎞も離れていないわが家、想定される大地震が心配です。
一条工務店さんの寄付をもとに、浜松市海岸には、高い防潮堤の工事が進んでいます。
しかし、防災マップを見ると、それでも地域にはかなりの浸水が想定されています。
市街化調整区域で高いビルが少ない地域。
近所の3階建ての介護施設の屋上が避難場所に指定されていますが、
近いとはいえ、海岸に向かって避難するには勇気も要ります。
どうすれば…と読んだ本です。




出版社の案内には、


「東日本大震災で犠牲になられた方は,90%以上が津波によるものです。そこで,来た
 る首都直下型地震や東海・東南海・南海地震に備え,津波減災対策が急がれます。本書
 では,防災や建築のスペシャリストが,津波のメカニズムなどを説明するとともに,津
 波に抗う鉄筋コンクリート造など重量化,鉛直避難を可能にする高層化,津波を受け流
 すピロティ構造など現代の建築ができることを提案します。また,東日本大震災の教訓
 を後世に残していくため,世代交代を前提とした伝承方法についても提案します。」


とあります。





今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「50年に一度もあわないのは98% = 2%の確率」


・「1498年.9 明応地震 M8.6 津波 死者3~4万人」
- 近くの畑では古い土器片をたくさん拾うことができますが、
  この地震の津波によると考えられています。


・「安全な津波はない… 50㎝なら大丈夫なのか」


・「堤防にぶつかると1.5倍の高さになる」





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☆「津波に負けない住まいとまちをつくろう」和田章・河田恵昭・田中礼治 技報堂出版 2015年

1.jpg

◇はじめに

□大きな自然の猛威

 475年に一度 

 50年では10%の確率 
  


□一つの構造物の寿命を50年として考察



□米国数値 

 大きな自然の猛威 
   2475年に一度

50年に一度もあわないのは98% = 2%の確率







◇津波を知る

□災害列島日本を知る



□東日本大震災の津波を知る

 想定M9.1

 震度7 

 30m超の津波
 


□津波の歴史とその教訓

 日本最古の津波の記録

  684年 白鳳時代の津波 M8~8.3 津波

   南海トラフ巨大地震


  701年 大宝地震 40m    大津波


  887年 仁和地震 M8~8.5 津波


 1096年 永長地震 M8~8.5 大津波  



 1241年 鎌倉地震 M7    大津波


 1293年 鎌倉大地震M8    大津波 死者23030人 


 1361年 正平地震 M8~8.5 津波


 1498年.6 日向地震 M7~7.5 


 1498年.9 明応地震 M8.6 津波 死者3~4万人


 1605年 慶長地震  M7.9 津波 死者約1万人
 


□近年の津波の歴史 

 マグニチュード 
   0.2毎に2倍ずつ大きくなっていく 

0.4で4倍

   0.6で8倍

   0.8で16倍



□世界の津波減殺を考える

「立っていられないような揺れを伴う地震が起こったら津波が来るので、早く高台に避難
 する。」



□津波を誤解しないように
   
 安全な津波はない… 50㎝なら大丈夫なのか

   やけど(砂浜)



□津波は高い波である?

 「高い波」というより「速い流れ」
 
  ※堤防にぶつかると1.5倍の高さになる   



□一度来たら終わる?

  第2波が大きくなりがち



□津波のメカニズム






◇津波減殺対策が大切

□民間の建物や各種の道も複合的な津波減殺に加わる

  自助・共助・公助で
  
 「まず助かる」 次に「暮らしを守る」      



□1000年に一度のような自然の猛威に対して大きな災害を起こさないための4つ
 
 ① どこに住むべきか?


 ② 津波に負けない構造


 ③ オペレーション - ソフトが大切

車をどうするか


 ④ リスクトラクファー






◇津波に負けない住まいづくり

□ピロティ構造
 


□空気だまりができそうな頑丈なつくり
 


□コンクリート造り 






◇津波に負けないまちづくり
 
□学校建物には5階以上の部分を設ける
 


□ピロティ構造を利用する
 


□津波伝承をサポートするシステムづくり

津波1000年伝承プロジェクト



□津波が来る海岸線では、高い建物を建てて住むという文化を考える 高層建築






◇東日本大震災の教訓を後世に残すことを考える勉強会」について

会長    和田章 東工大名誉教授

発起人代表 河田恵昭 関西大学教授

発起人   大勢 中に野口静岡理工科大学学長


※ けがをしなかった高校生以上の被災者もボランティアを!
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コメント 2

yokomi

 ヨコミー、先の震災で避難所スタッフを9か月以上やっていました。
 最後の「けがをしなかった高校生以上の被災者もボランティアを!」には共感です。中には肉親を亡くして悲しみに沈んでいる方々も居ますが、自身の心と日常を取り戻すためにも、被災後少し落ち着いたら、少しずつで良いので、身体を動かすんだと多くの方々に思って頂ければ嬉しいです。
 また、万が一の際、家族の避難はどうするかキチッと話し合っておき、健常者であるならば他の家族に心配を掛けないよう、避難出来るよう計画したいものです。「津波てんでんこ」
 避難は素早く、そして決して戻らない。渋滞したら車を捨て、近くの高台やビルに大至急避難しましょう。
 車に布団を積んでいたというお爺さんは逃げ遅れ、学校に行っていた孫2人だけを除いて、自宅に残っていた家族は皆亡くなりました。
 裏の高台に一度逃げた医師は、忘れ物を取りに戻ったため、流され亡くなりました。
 たかが50cmの津波と思う方が多いかも知れませんが、我が知り合いはその高さでしたが流れが速く、足を取られて深みへ流されました。幸い近くに居た人たちに助けられましたが。津波は海岸の単なる「波」ではなく、「流れの速い海水の台地」というイメージかと。
 想定は難しいですが、日頃からいろんな場面を想定し、生き抜く方法を考えておきたいものです。
by yokomi (2019-05-17 10:08) 

ハマコウ

yokomi さん 貴重なお話をいただき ありがとうございます。

先の震災以後、サイレンの音に敏感になりました。

ー 「想定は難しいですが、日頃からいろんな場面を想定し、生き抜
   く方法を考えておきたいものです。 」

常に頭に置き、情報に触れるたび、家族の間で話し合わなくてはと思っています。



by ハマコウ (2019-05-17 19:09) 

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