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「詠う平家 殺す源氏」谷沢永一・渡部昇一 ビジネス社 2002年 ⑥(最終) [読書記録 一般]

今回は、5月23日に続いて、谷沢永一さん・渡部昇一さんの
「詠う平家 殺す源氏」6回目の紹介 最終です。



出版社の案内には、


「『平家物語』で現代社会に通じる日本人のアイデンティティを再発見する きらびやかな
 印象のある『平家物語』は、戦乱と権力の構図を浮き彫りにした日本人論である。本書
 は平家物語を題材に、朝廷、平氏、源氏に見る権力の流れや、人間 の欲望、甘さ、残
 酷さなどを、二大論客が鋭く語る。」


とあります。



もう一度、読みたくなりました。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「権力はいかなる人間をも変貌させる 源頼朝の実像」
「立身出世とともに人間のエゴは肥大する。」
「権力が近付くと人間は変わる レーニン,毛沢東,北条政子」 


・「(頼朝は)少年期までかわいがられる性格
  → だんだん悪くなっていく 冷酷,嫉妬深く計算高い」


・「義経 純真が日本人のセンチメンタリズムを刺激してやまない」


・「『腰越状』を読んで泣かざる者は日本人にあらず」




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☆「詠う平家 殺す源氏」谷沢永一・渡部昇一 ビジネス社 2002年 ⑥(最終)

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<「権力と人間」の宿命的な構図>

◇第一級の政治小説としての「平家物語」
   
□スリリングな後白河法皇と頼朝の関係,そして大江広元 

 後白河法皇 - 謀をめぐらす



日本中に総追捕使
    頼朝に承諾させられる → 武家社会

頼朝のブレーンが大江広元



□大江広元は「獅子(頼朝)身中の虫」だった

 寄生虫







◇権力はいかなる人間をも変貌させる 源頼朝の実像

□12歳で殺されていたはずの頼朝の「本当の悲劇」

 池禅尼(平忠盛の未亡人で清盛の義母)の取りなしで助けられ52歳まで生きた


 少年期までかわいがられる性格

  → だんだん悪くなっていく

    冷酷,嫉妬深く計算高い 



□冷酷無比 

 ・挙兵した義仲(義弟)を攻め付け,人質に取った長男(義重)を殺す。


 ・ 以仁王の令旨を携え,源氏の結束を図ろうとしていた源十郎行家(叔父)を冷たくあ
  しらい殺す。

 ・ 範頼,義経も然り。利用し尽くして,のち殺す。



□一方梶原影時のような佞臣(ねいしん)タイプを重用してやまない。

 立身出世とともに人間のエゴは肥大する。
     
 ※ 権力が近付くと人間は変わる
    レーニン,毛沢東,北条政子 







◇政略に敗れた軍略の天才 - 源義経
   
□義経と大村益次郎 その共通点と差違 

 「平家物語」との平衡

  → 「義経記」「源平盛衰記」


 ◎義経
   軍略の天才
 
   純情にして可憐

純真が日本人のセンチメンタリズムを刺激してやまない
   

 彼我の力量と状況を見極められなかった義経 
梶原影時とその確執
   確かに悪人の典型だが剛の者


 悪役を悪役と決めつけない 
  「平家物語」の公平さ


 「義経記」「吾妻鏡」にも出てくる「腰越状」


 「腰越状」を読んで泣かざる者は日本人にあらず

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