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「教師の資質」諸富祥彦 朝日新聞出版 2013年 ⑤  / 東井義雄さんの言葉⑥【再掲載 2011.12】 [読書記録 教育]


☆学校休業中の子供たちの学習に
文部科学省の
「子供の学び応援サイト(臨時休業期間における学習支援コンテンツポータルサイト)」





「一人一人に自分と対話する時間を持たず絶えず外界からの刺激に身をさらしてばかり
 いると刺激に溺れて、想像力や創造性の発達が妨げられてしまう。
ひとりでいることの積極的な価値をもっとつたえたい。」







今回は、5月18日に続いて、諸富祥彦さんの
「教師の本質」5回目を紹介します。


諸富祥彦さん、現場の状況を社会に発信してくれることをありがたく感じています。




出版社の案内には、



「教師の不祥事が取りざたされる今、本当に優れた教師は何をしているのか?いじめへの
 ずさんな対応、体罰、暴言…教師の問題が注目されている現代で、本当に求められる
 資質とは何なのか。『教師を支える会』代表として、全国の学校の問題に取り組んで
 きた著者が、最先端の教師像を説く。」



とあります。





今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「6年間の間に仲間外しになっていない子は1割もいない」


・「苦しみの元凶は1人に対する世間の不安定なまなざしとその内在化」


・「教師はもっと危機感を持て」
「ダメな教師ほど子どもたちの泣き言を聞き流す」


・「心の第2担任制」
- 何度か提言しているのですが、なかなか受け入れられません。





もう一つ、再掲載となりますが、教育実践者として著名な東井義雄さんの
「東井義雄さんの言葉」⑥を載せます。
「生活の論理」と「教科の論理」のとらえ方は、
現在でも大切な二面のとらえ方だと思います。
「本物」の学びとは何か、常に課題となっています。






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☆「教師の資質」諸富祥彦 朝日新聞出版 2013年 ⑤

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◇学校空間で追いつめられる子どもたち

□学校は毎日が「小さな事件」の連続

 

□9割のいじめの被害者であり加害者 2011大津中2いじめ自殺事件
 
 「いじめや仲間外しという行為が学校という現場で日常化している」現実
  
 6年間の間に仲間外しになっていない子は1割もいない

 今の学校は人間関係の学びがあまりにもいびつな形になっている
   小5~中3女子の人間関係

 

□孤独嫌悪シンドローム
   
 背景はコミュニケーションツールの急速な発達普及

 

□仲間からの「同調圧力」におびえる子どもたち 
  
「仮面友達」

「これ以上教室にいると…」

「どうして1人じゃダメなんですか」
※ 苦しみの元凶は1人に対する世間の不安定なまなざしとその内在化

 

□孤独にならなくては得られないもの

  一人一人に自分と対話する時間を持たず絶えず外界からの刺激に身をさらしてばかり
いると刺激に溺れて、想像力や創造性の発達が妨げられてしまう

  → ひとりでいることの積極的な価値をもっと

 

□「死にたい」という言葉をどう受けとめるか 

 15か月間スクールカウンセラー

 

□教師はもっと危機感を持て



□その一瞬に先生はどう出るか

 

□子どもをいじめから守る教師、守らない教師
   
 「君のことを全力で守る」と宣言を!

 

□いじめ問題で親の信頼を得られる対応

 「先生の方から親に連絡してくる」かどうか
 
 ダメな教師ほど子どもたちの泣き言を聞き流す 

 

□子どもを守るためのキーワード

 安心して助けを求めることができる大人になる
   
※ 大人が「子どもたちから助けを求めてもらえる関係」をどう作っていくかが子ども
 たちを救う鍵となる

 

□「口が堅い」「話しやすい」「全力で守ってくれる」



□子どもたちに援助希求してもらうためのルール

 QU学級経営診断テスト



□チームで子どもを支援する

 心の第2担任制
















☆東井義雄さんの言葉⑥【再掲載 2011.12】
◇国語授業の実践

□にせものは本物ではない
 
「本物の力」はのびる 

「本物」 = 頭だけの勉強ではないもの

「本当の学力は,詰め込みや点取り競争,テストの脅かしでは育たない」


~ 幅広い学習
性根を据えて伸びていく本物の力を

 


□「学力」の底に 国の主人~愛国心
 
 「たたかいは問題を解決するか」
    敵と味方の区切りをつくる日本人

 


□望みなきにあらず

 国語教育 - 日本人の言葉の磨く教育 

        命と言葉を耕す
  

 

□但馬の教師 ~ 最近の子どもの作文
   


 井上和正  
 「本当に子どもの表現活動を愛し,教育の大事さを信じるほどの教師なら教育実践の
  全領域を大事にせずにおれないはずであるし,それをやることが大切。」

  ~ 生活綴り方人







◇身体で読む

□読み取る力

 読み取る力を鍛える
・言葉との関連の中で指導

・聴覚訓練・発音訓練を別にしない

・仮名は漢字より難しい

・50音図の活用 口の体操

・漢字の読み書き







◇漢字の間違い

 ① 複雑な形,煮たような漢字が多いことが原因の間違い


 ② 漢字の「音」からくる間違い。同じ漢字をいろいろに読み分けたり,同じ音で用
  法が違う漢字がたくさんあることが原因の間違い。


 ③ 漢字の「意味」に関連した間違い。


 ④ その他   送りがなの付け方 語彙の狭さ


□読解力は「書いてあることが分かること」



大事なことそう大事でないことを選び分けること

  ↓

◎ 正答・誤答を取り混ぜたものを用意し,この中から自分の正しいと信じる答えを取
 り出させ,論じ合わせ,磨き合わせる努力が大切
 
  
 基本となる文型 
    何がどうした

何が何をどうした

何が何と何をどうした



□調べる学習

 調べる学習
   ひとり調べ → 大勢調べ →ひとり調べ


「読方教室」における調べる学習
 
 ◎調べる構え
  読み方 
    ア 字だけを読む読み方

イ 端くれだけをかじりとる読み方

  ウ 話の筋だけを読む読み方

エ 楽しみ読み・遊び読み

オ 調べ読み・研究読み

カ 考え読み・批評読み

  キ 味わい読み

ク 自分を深めたり高めたりする読み方


 ◎口で読む → 目で読む → 心で読む → 体・生活で読む



□一人の中にみんなが生きているような一人一人を

中国のやり方
「テストに全部百点を取っても『4』しかつかない仕組みになっているという。満点を
 取るだけではなく,『分からないでいる仲間』を分かるようにしてやらなければ『5』
 がもらえない仕組みになっている。」

◎算数病院       
   先生   … 院長
 
90点~100点…お医者さん

80点 …看護婦さん 直すと上に

60点~70点 … 病人

50点以下 … 重病人







◇教科の論理と生活の論理

□「生活の論理」について (生活様式の中を流れている論)

 授業の試合

 野村芳兵衛
「身体的・生物的・本能的必然を踏まえて教育実践が展開されなければならない。」



◎生活の論理  
  一人一人の受け取り方・・考え方

  それをそう感じ思いそう考えそう受け取りそう行わずにはおられない理屈(論理)

力 = 生きて働くもの生きているから伸びる




□「教科の論理」について(教科それぞれの系統の中を流れている筋道)

生活の論理だけでははい回る経験主義に陥る



 教科の論理と生活の論理をかみ合わせることが大切

  教科の論理 = 教材の価値を価値たらしめている法則性・論理性
教材と教材とを結ぶ筋


 道徳との違い
   心情に触れる「手順」を身につけさせることが教材の値打ち

 
 国語

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コメント 4

hagemaizo

院長、僕は病気だったようです。
by hagemaizo (2020-05-21 05:02) 

ハマコウ

hagemaizoさん ありがとうございます。
職務上、「院長」となる担任、教員ですが、
病気になっている人の気持ちを十分にくむことができるかどうか、
その差はかなり大きくなってしまいます。
責任は大きさを感じます。
by ハマコウ (2020-05-21 17:35) 

ミケシマ

冒頭の言葉、「一人一人に…」が突き刺さります。
いま、子どもたちに接していて、直感的に解ける問題じゃないとすぐに諦めるな…って思っています。
「わからない」と言われ、でもこちらはその子が本気で考えれば解ける力があるとわかっている。「よく考えてごらん」と言っても、考えることを放棄し癇癪を起こすことがあります。
ゲームやYouTubeなどの動画に慣れてしまっていて、自分の興味のあるものをいつでも瞬時に探すことができる。そのような環境に慣れてしまっているからなのかなと思っています。
このようなときはどのように対応したらいいのか…悩むばかりです。
また、以前ハマコウさんもおっしゃったことですが、上の言葉を借りれば「病気になっている」人の気持ちを十分にくむこと。これは自分でも大変勉強になった言葉でした。
みんなみんな、本当は「わかる」ようになりたいんですよね。

by ミケシマ (2020-05-21 23:20) 

ハマコウ

ミケシマさん ありがとうございます。
そうですね。問題をちらっと見ただけで、「これ、ムリ」とつぶやく子が増えてきているように感じます。「あなたなら大丈夫だよ」と励ましながら問題に向かわせていくことが多くなっています。教えて、というSOSの言葉なのでしょうが、一人で学習していたらどうなるのだろうと考えてしまいます。
学校の休業が長い間続きました。「だらだらしてしまっている。学校が早く始まってほしい」という保護者の声をよく聞きます。一方、「休業中、一人で学習する姿勢が身についた。以前より勉強するようになった」の声も聞きます。この差がどこで生まれたのか、考えなくては都思っています。
by ハマコウ (2020-05-22 05:09) 

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