学年はじめの三日間 ① / 『灯し続けることば』大村はま 小学館 ④ 2004年【再掲載 2012.5】 [読書記録 教育]
今回は、わたしの教育ノートから、
「学年はじめの三日間」1回目の紹介です。
新年度が始まってもう2か月半。
授業の開始は場所により様々。
学習が始まったばかりのところもあります。
覚えのためノートにとったものから載せます。
すでに広く知られていることばかりです。
もう一つ、再掲載となりますが、大村はまさんの
「灯し続けることば」④を載せます。
大村はまさん、国語科教育の実践家として広く教育界で知られている方です。
78歳まで現役の教師を続けられ、98歳で亡くなられるまで現役の国語科教師として活躍
されていました。
厳しい言葉にどきりとさせられ、
分かりやすいたとえ話に、自然に引き込まれてしまいます。
☆子供たちの学習に
文部科学省の
「子供の学び応援サイト(臨時休業期間における学習支援コンテンツポータルサイト)」
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆学年はじめの三日間 ①
◇最初の三日間
① 教師自己紹介 出身・年齢・経験年数等
② 質問を受ける
③「人間の生きがい」
ⅰ 自分が持っている才能を伸ばす喜び
ⅱ 人のためになることをする喜び
ⅲ 自分の描いた夢を実現することの喜び
④「人間らしさ」
◎人間は間違うことができる 間違えたら直せる 動物は命にかかわる
◎弱いもの・力のないものをいたわることができる
弱いものいじめはゆるさない
⑤ 約束
ⅰ えこはいきはしない
ⅱ 授業時間は延ばさない
⑥ ルールを決める
テストや給食等
ルールについての質問を受ける
◇二年生の三日間
□学級づくり一週間のポイント
① 学級の目標づくり
② 学級の組織作り
□第1日目
① 自己紹介 黒板に 子どもも(好きな食べ物・住んでいる町など)
② 席の決定
③ ロッカーの決定
④ 靴箱の決定
⑤ 宿題
日記 ・このクラスをどんなクラスにしたいか
・家に帰って寝るまでの日記
⑥ おたより帳 ジャンケンゲーム・さようなら
□第2日目 学級の目標づくり
どんな学校がよい学校か
→ 今までどんな学級だったか
→ 2年生ではどんなことを目指すのか
1 当番活動
①日直
②給食
③清掃
2 係活動
誰が 何を どのようにするか
・ネーミング
・活動計画
・連絡を
☆『灯し続けることば』大村はま 小学館 ④ 2004年【再掲載 2012.5】
◇力は使い切ったときに伸びるものです
持っている力というのは、使い切ったときに伸びるもののようです。
大してない力でも、ありったけ使うと、またどこかからわいてくるのです。
誰かが哀れに思って、与えてくれるのではないかと思うほどです。
ですから、少ししか使わないと、力は伸びない、生まれてこないようです。
かわいそうになるほど、持っている力をみな使ってしまうことが、次の力を得るもとに
なるのだと思います。
◇自然に背筋が伸びるようにするのが技術です
「よく読みなさい」
「じっくり考えてみなさい」
教師はこんなことばをよく使います。
でもそれは安易に過ぎることばです。
誰にも言えることです。
「よく読みなさい」と言わなくても、子どもがよく読んでしまった、知らない間に読みひ
たっていたというふうにもっていくのが、教師の教師たるところでしょう。
それあってこそ、教師という専門の職業が成立するのだと思います。
「姿勢をよくしなさい」と言って指導するのは素人でもできることです。
そういう、もう子どもが聞き慣れてしまったことばを使うのではなく、自然に背筋がぴ
んと伸びるようにするのが、専門職たるゆえんだと思います。
こういうときは、いいお話をするのが一番です。
話に引き込まれると、子どもは少し前に乗り出したような形で、腰がぴんと立ってきま
す。
自然に姿勢がよくなっている、これが教師の技術です。
◇教師がいじったからと言って、個性は壊れません
戦後の教育で最大の失敗は、教師が教えなくなったことだと、私はつくづく思っていま
す。
「子どもの個性・主体性を尊重する」ということばが、「教える」ことを背後に押しやっ
ていったようです。
たとえば、作文の授業のときに、生徒が書いている間、教壇のところでじっと見ている、
あるいは忙しいからといって教壇で別の採点をしていたりする方もいます。
「さあ書いてごらん」と原稿用紙を渡されただけで、子どもは書けるものでしょうか。
他の子どもがすらすら書いていたとしても、書けない、何を書いていいかもわからない、
そんな苦しんでいる子どもはいないでしょうか。
生徒の間を回って、書く題材のヒントを言ったり、ちょっと書き出しの文を与えて、
「そこから先を書いてごらん」
と示したり、いい表現が見つかるようなヒントを出したり、そういうのが教えるというこ
とではないでしょうか。
そういうことをすると、子どもの個性が損なわれる、主体性がなくなると批判なさる方
があります。
でもこうして基礎的な力を身につけた人が、それから個性を花開かせていくのです。
あとで作家として立つような人が、教師が書き出し文を与えたために個性を失って型に
はまってしまったなんてことがあるでしょうか。
本当に特殊な才能というものは、私たち教師が三年や五年いじったからといって、壊れ
はしないでしょう。それに、ほとんどの人は天才ではありません。
教師が教えてくれること、それによって伸びることを心の底から待っているのです。
「学年はじめの三日間」1回目の紹介です。
新年度が始まってもう2か月半。
授業の開始は場所により様々。
学習が始まったばかりのところもあります。
覚えのためノートにとったものから載せます。
すでに広く知られていることばかりです。
もう一つ、再掲載となりますが、大村はまさんの
「灯し続けることば」④を載せます。
大村はまさん、国語科教育の実践家として広く教育界で知られている方です。
78歳まで現役の教師を続けられ、98歳で亡くなられるまで現役の国語科教師として活躍
されていました。
厳しい言葉にどきりとさせられ、
分かりやすいたとえ話に、自然に引き込まれてしまいます。
☆子供たちの学習に
文部科学省の
「子供の学び応援サイト(臨時休業期間における学習支援コンテンツポータルサイト)」
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆学年はじめの三日間 ①
◇最初の三日間
① 教師自己紹介 出身・年齢・経験年数等
② 質問を受ける
③「人間の生きがい」
ⅰ 自分が持っている才能を伸ばす喜び
ⅱ 人のためになることをする喜び
ⅲ 自分の描いた夢を実現することの喜び
④「人間らしさ」
◎人間は間違うことができる 間違えたら直せる 動物は命にかかわる
◎弱いもの・力のないものをいたわることができる
弱いものいじめはゆるさない
⑤ 約束
ⅰ えこはいきはしない
ⅱ 授業時間は延ばさない
⑥ ルールを決める
テストや給食等
ルールについての質問を受ける
◇二年生の三日間
□学級づくり一週間のポイント
① 学級の目標づくり
② 学級の組織作り
□第1日目
① 自己紹介 黒板に 子どもも(好きな食べ物・住んでいる町など)
② 席の決定
③ ロッカーの決定
④ 靴箱の決定
⑤ 宿題
日記 ・このクラスをどんなクラスにしたいか
・家に帰って寝るまでの日記
⑥ おたより帳 ジャンケンゲーム・さようなら
□第2日目 学級の目標づくり
どんな学校がよい学校か
→ 今までどんな学級だったか
→ 2年生ではどんなことを目指すのか
1 当番活動
①日直
②給食
③清掃
2 係活動
誰が 何を どのようにするか
・ネーミング
・活動計画
・連絡を
☆『灯し続けることば』大村はま 小学館 ④ 2004年【再掲載 2012.5】
◇力は使い切ったときに伸びるものです
持っている力というのは、使い切ったときに伸びるもののようです。
大してない力でも、ありったけ使うと、またどこかからわいてくるのです。
誰かが哀れに思って、与えてくれるのではないかと思うほどです。
ですから、少ししか使わないと、力は伸びない、生まれてこないようです。
かわいそうになるほど、持っている力をみな使ってしまうことが、次の力を得るもとに
なるのだと思います。
◇自然に背筋が伸びるようにするのが技術です
「よく読みなさい」
「じっくり考えてみなさい」
教師はこんなことばをよく使います。
でもそれは安易に過ぎることばです。
誰にも言えることです。
「よく読みなさい」と言わなくても、子どもがよく読んでしまった、知らない間に読みひ
たっていたというふうにもっていくのが、教師の教師たるところでしょう。
それあってこそ、教師という専門の職業が成立するのだと思います。
「姿勢をよくしなさい」と言って指導するのは素人でもできることです。
そういう、もう子どもが聞き慣れてしまったことばを使うのではなく、自然に背筋がぴ
んと伸びるようにするのが、専門職たるゆえんだと思います。
こういうときは、いいお話をするのが一番です。
話に引き込まれると、子どもは少し前に乗り出したような形で、腰がぴんと立ってきま
す。
自然に姿勢がよくなっている、これが教師の技術です。
◇教師がいじったからと言って、個性は壊れません
戦後の教育で最大の失敗は、教師が教えなくなったことだと、私はつくづく思っていま
す。
「子どもの個性・主体性を尊重する」ということばが、「教える」ことを背後に押しやっ
ていったようです。
たとえば、作文の授業のときに、生徒が書いている間、教壇のところでじっと見ている、
あるいは忙しいからといって教壇で別の採点をしていたりする方もいます。
「さあ書いてごらん」と原稿用紙を渡されただけで、子どもは書けるものでしょうか。
他の子どもがすらすら書いていたとしても、書けない、何を書いていいかもわからない、
そんな苦しんでいる子どもはいないでしょうか。
生徒の間を回って、書く題材のヒントを言ったり、ちょっと書き出しの文を与えて、
「そこから先を書いてごらん」
と示したり、いい表現が見つかるようなヒントを出したり、そういうのが教えるというこ
とではないでしょうか。
そういうことをすると、子どもの個性が損なわれる、主体性がなくなると批判なさる方
があります。
でもこうして基礎的な力を身につけた人が、それから個性を花開かせていくのです。
あとで作家として立つような人が、教師が書き出し文を与えたために個性を失って型に
はまってしまったなんてことがあるでしょうか。
本当に特殊な才能というものは、私たち教師が三年や五年いじったからといって、壊れ
はしないでしょう。それに、ほとんどの人は天才ではありません。
教師が教えてくれること、それによって伸びることを心の底から待っているのです。
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