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「新聞で学力を伸ばす」 齋藤孝 朝日新聞出版 2010年 ② / 加藤理 『駄菓子屋・読み物と子どもの近代』 青弓社 ① 2000年【再掲載 2014.1】 [読書記録 教育]

今回は、1月3日に続いて、齋藤孝さんの
「新聞で学力を伸ばす」2回目の紹介です。



出版社の案内には

「学習指導要領の改訂で新たに「新聞を読む」という項目が入った。実社会で求められる、
 伝える能力である実用日本語。その宝庫である『新聞』を教材として利用し、『考える
 力』や『表現する力』を培うためのポイント、家庭だからこそ簡単にできる学習方法を
 紹介。」

とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「改訂(国語)教科書には新聞も登場 
   ○2つの新聞記事を読み比べる  ○立場を明確にして書く」


・「投書欄で納得させる文章を学ぶ」


・「新聞は「社会力」を付ける「他者性」が身に付く」


・「家に新聞がある環境を作ろう」
- 「家から新聞紙を3枚持ってきてね。」と声を掛けると、30年前はほとんど全員が持
 ってきました。しかし、最近は、新聞をとっていない家庭が増えています。新聞紙は教
 員が準備する時代となっています。新聞から学ぶことは非常に多いのですが……





もう一つ、再掲載となりますが、加藤理さんの
「駄菓子屋・読み物と子どもの近代」①を載せます。
現在は文教大学教授の加藤理さん、わたしとほぼ同年代の方です。
わたしも「駄菓子屋の教育力」に興味をもっており読みました。、
駄菓子屋で売られていた読み物だけでなく、
児童文化について深く掘り起こしていることに驚きました。
小学校教員にぜひ読んでほしい本の一つです。




<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





☆子供たちの学習に
文部科学省の
「子供の学び応援サイト(臨時休業期間における学習支援コンテンツポータルサイト)」




ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。






☆「新聞で学力を伸ばす」 齋藤孝 朝日新聞出版 2010年 ②

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2 国語教科書はこう変わった

「文学」重視だった国語教育



 文学も実用日本語も国語には必要

2011改訂 → 実践的学習内容 表現する力、伝える力重視



 改訂教科書には新聞も登場

2つの新聞記事を読み比べる

   立場を明確にして書く



 投書欄で納得させる文章を学ぶ



 情報を伝える力を育てる





3 新聞を取っている家の子は頭がよくなる

(1)新聞は実用日本語力を付ける最適の教材
      
   超スパルタな渋澤栄一の実用日本語教育 


   新聞が最高の教材である理由


   日本文化としての新聞 新聞が日本人の「地アタマ」をつくった

紙印刷-安定性 確定性 スローメディア
 


(2)新聞が実用日本語力によい理由

  新聞の効果

① 漢字の熟語が多く、日常会話では登場しない抽象語に触れられる

② 情報の密度が濃い文章を読む練習ができる

③ 数字が盛り込まれた記事が多く、統計的事実の認識力がつく

   ④ 様々な分野の記事を見ることで関心が高まる

   ⑤ 事実と意見の区別など情報整理のための基本的読解力が学べる   


  ◎「読み書き」に必要な抽象語が学べる

  ◎実用日本語の特徴を学べる

◎「最初に結論-なぜなのか-補足情報はこれです」

◎ 数字に強くなる

  ◎様々な情報に触れられる

  ◎事実と意見の区別を学べる 
    事実と意見と感想

  ◎新聞は「社会力」を付ける「他者性」が身に付く

自分ワールド  狭い社会 自己中心的な世界

他者ワールド  広い社会 外に開かれた世界



(3)家に新聞がある環境を作ろう














☆加藤理 『駄菓子屋・読み物と子どもの近代』 青弓社 ① 2000年【再掲載 2014.1】

<出版社の案内>

近代的な子ども観の発見は子どもの権利を意識する一方で、子どもを“子どもの領分”に
押し込めながら隔離し、いまや“子ども不在”の社会が形成されるまでになった。しかし、
子どもは本当に与えられるだけの存在なのだろうか。社会が急速な変貌を遂げた20世紀
初頭の駄菓子屋と読み物にかかわる子どもの姿をさまざまな文献を渉猟することで探り出
し、子どもがみずから積極的に参加し選択する存在であったことをあきらかにする。そし
て、子どもは保護され育成される存在であるという固定観念から離れ、近代的な子ども観
が与えた光と影を丹念に読み解くことで来るべき21世紀の大人と子どもの新たな関係性
を探り、そのための子ども観を提示する。

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◇「児童の世紀」の光
  
□20世紀の夜明け 慶應義塾「世紀送迎会」
 
 20世紀 
  科学文明の進歩 ←→ 環境汚染・公害   

効率優先 = 無駄やゆとりの喪失


  
 「科学文明」の世紀,「自然破壊」「大戦争」「人間性喪失」世紀 



人口急増,平均寿命が飛躍的にのびた世紀

 
   
 「医学の世紀」
   コッホ(結核菌)(コレラ菌) フレミング(ペニシリン) 
ピルケ(ツベルクリン) カルメット,ゲラン(BCG)
 

 

□近代の矛盾とエレン・ケイの祈り

◎ エレン・ケイ(1846-1926) スウェーデン女性教育者
 1900年12月 『児童の世紀』

 イギリス・ランカシャー 毛織物工場
    4,5歳の子どもが14~18時間労働


 ロシア あじろ織工場 3~10の子どもが 18時間労働


 スペイン  マグネシウム鉱山 6~8歳の子どもが有毒ガスで重病

 
 ※ ロバよりも安い水運び賃で重い水瓶を頭に載せて水まき


 

 ※ 近代社会を成り立たせていたシステムの根底に存在した矛盾

19世紀の矛盾克服のため,希望の光は子ども

                ↓ 


 ◎「児童の世紀」
    ○ 家庭中心,優生学に基づく思想,体罰の禁止

○ 階級別,性別を排した学生組織

    ○ 教育の機会均等,科学の信望
  

 
□「児童の世紀」の光

 現実 

  1905年(明治38) 東北・大飢饉  

   → 餓死者多数・多くの孤児・奉公や身売り


 1918年(大正8)  スペインかぜ大流行 乳児死亡率 190/1000人 

   → 幼児死亡(1921) 295/1000人

     3人に一人の子どもが命を無くした
  


□「児童の世紀」というスローガン

 ルソー以来の自由主義教育,児童中心主義の浸透


 近代的子ども観
   植木枝盛,岩崎賤子,田村直臣,平塚雷鳥,西山哲治

目指すべき目標とスローガン



□「児童文化」の誕生

 1924 「子どもの権利に関するジュネーブ宣言」


 1948 「世界人権宣言」


 1959 「子どもの権利に於ける宣言」


 1989.11.20 「子どもの権利条約」

<子どもの発見>       <児童文化の発見>
             児童の世界の光と影を


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