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「日本文化の源流を求めて」立命館大学文学部 文理閣 2010年 ②(後半) /「教育改革は改革か」 土居建郎編 PHP 2001年 ⑤(最終)【再掲載 2011.11】 [読書記録 歴史]

今回は、4月5日に続いて、立命館大学文学部から出ている
「日本文化の源流を求めて」2回目 後半を紹介します。



出版社の案内には、


「縄文のいにしえより、東アジア世界とかかわりつつ、独自の発展をとげた日本文化。古
 代信仰・神道・仏教・いけばな・茶・能・狂言・文楽・和歌・食…その源流を探す旅に
 でませんか。」


とあります。







今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「大本教弾圧」

「出口王仁三郎(おにさぶろう)  エスペラント語、合気道 『霊界物語』 もと81 巻83冊」

「出口なお  『今の世は獣の世(強い者勝ちの世)である』=近代化批判、お筆先」


・「大本教は日本のエスペラント運動をリードする役目」


・「比較の中で育つ子ども - 『いい子』を要求されて育つ子ども」


・「植芝盛平=合気道創造(大正~昭和) 盛平は王仁三郎の弟子」


・「会社は一つの共同体として文化を生み出す主体」





もう一つ、再掲載となりますが、土居建郎さん編による
「教育改革は改革か」⑤を載せます。
教育改革は、次から次へと打ち出されます。
そのたびに現場が混乱し、多忙化につながっているのではないでしょうか。
せめて「改革の検証」がなされるべきだと思います。




<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト






ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。




☆「日本文化の源流を求めて」立命館大学文学部 文理閣 2010年 ②(後半)

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◇脱近代を目指す異端の宗教運動 広瀬浩二郎 民博准教授

□大本教弾圧 大正10年 昭和10年 高橋和己「邪宗門」

 2人の教祖 
  ①出口王仁三郎(おにさぶろう)
    エスペラント語、合気道

「霊界物語」 もと81 巻83冊

  ②出口なお    
    「今の世は獣の世である」 = 近代化批判、お筆先

    「獣の世」 = 強い者勝ちの世
        

 ※王仁三郎の思想が政府にとって目の上のたんこぶ 

  → 弾圧 

なお 「お筆先」「今の世は獣の世であるぞよ」端的な表現

↑↓

王仁三郎 「霊界物語」オブラート、曖昧 = なお派への配慮

 ※第一次大本事件 
    大正10年不敬罪、新聞紙法違反

「大正維新」「立て替え」「世直し」



   ◎ 教団の内部事情と弾圧への配慮(2つの理由)



分かりにくい「霊界物語」



□耳で見る「霊界物語」の宇宙

 「霊界物語」
   王仁三郎の言葉を口述筆記

神懸かり的能力
文字を使わない語りを重視
     
 ※王仁三郎
  ~ 日本の伝統物語のよさと深さを体系化した人物 

「耳で見て目で聞き鼻で者を食うて口でかかれば神は判らず」


  ◎語り - 人間の五感を刺激する力

「霊界物語」単なる教典ではなく「耳で見る語り」



□大本教とエスペラントの人類人主義

 エスペラント語
   1887年 ポーランドの眼科医師・ザメンホフ 人工言語


国際補助語 国際共通語
  日本では宮沢賢治、北一輝、黒坂勝美(歴史学)

 ◎言語帝国主義への反発
  
  -みんなが平等に勉強しないといけない 「人類人主義」

 ◎文化人類学
   ~ 文化相対主義



  民博 キャプションは日本語のみ → 英語も


 王仁三郎
  「世界のイロハ」の必要性

大本教は日本のエスペラント運動をリードする役目

「宗教化」の先駆

「万国同根」すべての宗教が同じ根っこから発している



□植芝盛平 

 合気道創造(大正~昭和)
盛平は王仁三郎の弟子



 大本教のある綾部に住んで人類愛善思想
   <天性の武道家としての資質 + 王仁三郎の教義>

◎合気道と大本教の関連性
  
    王仁三郎と植芝の宗教的つながり 



□なぜ大本教は弾圧されたか

 王仁三郎 

 → 「霊界物語」を通じてエスペラントや合気道を柔軟に取り入れた

根本はスサノオ主神論(アマテラスの弟)

      ↑

 ◎当時の天皇制国家はアマテラス絶対だっので異端として弾圧

「脱近代」(なおは「非近代」)
合気道やエスペラントで

「霊界物語」-「みろくの世」

昭和10年 検挙  過酷な拷問も!

◎アマテラスによる理不尽かつ一方的なスサノオ弾圧
               
    ◎野蛮な宗教弾圧(治安維持法では無罪判決)






◇わたしにとって宗教とは  大平光代
  
 人の痛みが分からない子ども


 比較の中で育つ子ども
「いい子」を要求されて育つ子ども


 宗教を学ぶ道


 子どもの心を育てる学校と家庭のあり方


 やがて出家したら





◇企業社会と宗教  中牧弘充 民博教授

 経営人類学と会社
   1993~ 経営人類学

会社博物館、会社のお墓、会社神社、社葬、入社式
                
   会社神話

   ◎会社は一つの共同体として文化を生み出す主体



 企業神社と祭祀の意味
   松下 ~ 五色の竜神とお祭り



 企業のお墓と供養 
  サムライゼーションは明治になって起こった
  
  ~ 侍スピリット
神のサイドと仏のサイド



 入社式と社葬
  「社長は二度死ぬ」



 松下とソニーの社葬



 神仏の区別












☆「教育改革は改革か」 土居建郎編 PHP 2001年 ⑤(最終)【再掲載 2011.11】

[出版社の案内]
 2002年4月より、学校教育において、現行の教科学習内容が三割削減され、代わりに、
体験学習的要素を取り入れた「総合的学習の時間」なるものが「教育改革」の名のもとに
導入される。学力低下が懸念されるなか、なぜそのようなことが? 文部科学省や教育学
者といった「専門家」が、よかれと信じているからである。
 学力低下だけでなく、学級崩壊、不登校、道徳心の低下等々、教育問題は山積している
が、「専門家」による分析や政策は、現実からかけ離れている。それどころか、事態を却
って深刻化させているのではないか。彼らは自分たちのしていることが絶対に正しいと思
い込んでいるのではないか。そのような精神状態が瀰漫していることこそが、現代の危機
の本質ではないのか――。

 本書では、精神科医の土居健郎を編者として、小浜逸郎、榊原英資、西部邁、福島章、
加地伸行など十人の論客が、「専門家」とは一線を画したタブーなき教育改革論を展開す
る。
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<大学再建>

◇問題は学生よりも教授の質の低下 川成洋

 川成洋 
  1942年北海道生 北大卒 法政大学教授



□目を覆うばかりの学力低下と気力状況
  
  現在  国立大の6割で高校指導内容の補正教育 リメディアル教育


 大学院にも波及した地盤低下
  東大のランキングは世界100位以下

 原因 「ゆとり教育」 
       ~ 衆愚政治 + 入試の平易化


 大学改革 = 学生の追従




□日本の大学は多すぎる

 日本には600校を大きく超える

 Fクラス大学(入学無試験状況)が2割近く




□焦眉の課題は入試改革

 学力テスト一本化  
   ×(バツ )一芸、面接、論文、自己推薦、高校推薦、スポーツ推薦
  

 科目増 → 統一テストこそ





<教師改革>

◇学校の共同性を新たに創造する四つの視点 喜入克

 喜入克 
   1963年東京生 立命館大学卒 プロ教師の会会員



□今日の教師改革シナリオへの疑問

 ① 金八先生倍増計画 鳩山郁夫文相

 ② ダメ教師殲滅作戦

 ③ 共同性の解体・解放運動



□「教師の力量」問題は現場の感覚とかけ離れている



□教師を育てる学校の共同性

 ① 慣習としてのヒエラルヒー

 ② 暗黙の了解としての評価
  力量のある者のは多く動き力量のない者は少なく動く

    |
 
  ◎「人間形成」に対して教員がどれだけの力量を持っているかは数字で表せない

 ③ 学校に共同性が必要



□変化する教師 - 現場で学ぶことの機能不全①

 東京都「人事考課制度」

  ① ヒエラルヒーの揺らぎ 
     中堅教員 - 教えられない責任を持たない

  ② 慣習としての評価の揺らぎ
     すべてが平等に扱われる風潮



□子供たちや父母の変化 - 現場で学ぶことの機能不全②

 必要な観点は何か

 ① 公教育に於ける目的を明確にする。それは、市民社会や消費社会の精神性を形成す
  ることである。


② 公教育の担い手である学校には、市民社会や消費社会とはあい異なった共同性が認
  められなければならない。


③ 市民社会や消費社会の精神性を巡る問題については、市民(消費者)と学校とがオー
  プンになりその要求を調整する。


 ④ 新たな学校の共同性を創造していくことを前提に教育に関する法律や条令の見直し
  をしておく

  
     |

 ◎ 学校法以下の縛りをやめて動きやすくする
   
   |
 
 ◎「教育改革とは決して派手なものではない」





<宗教教育>

◇哲学と宗教とを教える「人間学」の授業を 加地伸行

 加地伸行 
   1936年大阪生 京都大学文学部卒  阪大教授 → 甲子園短大学長



□宗教を冷笑する日本人の知識人



□日本人は多神教で生きていた

 日本仏教の内容 
  8割が祖先崇拝 ~ シャーマニズム

  教員が対する宗教教育を!

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tyuuri

 大本は現在もエスペラントを教義の中に入れていて、「エスペラント普及会」は450人の会員を有しています。
by tyuuri (2021-04-08 05:36) 

ハマコウ

tyuuri さん ありがとうございます。
大本教は今でも日本のエスペラント運動を支えているのですね。
by ハマコウ (2021-04-08 16:12) 

yokomi

お国や国会議員等は「改革」「改正」したという名前だけでも「成果」が欲しいのではないか...と思わざるを得ない改革・改正が多いかと(^_^)v まあ結構改悪が多いと思いますが(^_^;)
by yokomi (2021-04-10 22:37) 

ハマコウ

yokomiさん ありがとうございます。
市民、国民のくらしがよりよくなっていることがはっきり分かるのなら、やりがいもあるのですが。分かり易い言葉で振り返り、評価をしていただきたいと願っています。
by ハマコウ (2021-04-11 17:26) 

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