SSブログ

「観音力(かんのんりき)」玄侑宗久 PHP 2009年 ②(後半) /「絶対感動本50」齋藤孝 マガジンハウス 2003年 ③【再掲載 2013.7】 [読書記録 宗教]

今回は、5月9日に続いて玄侑宗久さんの
「観音力」の紹介 2回目 後半です。



出版社の案内には、


「本書は、『観音力』についての著者の講演とエッセイをまとめた本です。たとえば著者は
 次のように述べます。『彼の観音力を念じて、それが発揮されれば、いろいろと信じられ
 ないことが起こって自分の住む世界を変えてくれると、『観音経』には書かれています。
 観音力というのは、自分の中に眠っている他人との共振力、コミュニケーションをする力
 ですね。それに何度も呼び掛けるわけです。本来、そういうものが我々の中にはあるわけ
 ですから、それが出て来さえすれば、いろいろなことが変わっていく、ということです』
 (本文より)。観音力とは、相手や状況に応じて最も相応しい姿に変化する力。変化が激
 しく、その場その場での対応が求められる今日ですが、この「観音力」に気づけば、きっ
 と、どんな困難もふわりと乗り切れることでしょう。」


とあります。





今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「智慧がもてなければ慈悲は発現しない」


・「私が出来上がっていない子どもにとり汚さは存在しない→多数の菌が拮抗状況で健康」


・「『口承念仏』は、『私』というものの輪郭を薄める方法」


・「子どもと年よりは神に近い」


・「恵比寿さん(七福神の中の唯一の日本人)は海に流された子どもだった」





もう一つ、再掲載となりますが、齋藤孝さんの
「絶対感動本」③を載せます。
読もうと思う気にさせてくれます。




<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト







ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
2.jpg






<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。







☆「観音力(かんのんりき)」玄侑宗久 PHP 2009年 ②(後半)

1.jpg

◇観自在と言うこと  「般若心経」を巡って
  
□智慧がもてれば,慈悲は自ずと現れる

 アヴァローキチーシュヴァラ 
   アヴァ = アゥエイ フロム
イーシュヴァラ = 自在 
   ロキータ = 見える

 「何かから離れて自在に見る」

 玄奘三蔵が「観自在菩薩」に訳

 仏教 ~ 智慧 = 般若 
  
 ◎ 智慧がもてなければ慈悲は発現しない



□観自在とは「私」から離れてみること 我=ノコギリ
  


□死んでいく最中にも「私」は変化する 

  私自身が変化していく死

 「始まり」もないし「終わり」もない 

  不消不滅



□死のポイントも社会的な約束事 
    
  死の三代兆候
    ① 心停止 

    ② 呼吸停止

    ③ 瞳孔


  免疫は三代兆候後も生きている(免疫機能は生きている)



□「私」以外が汚い 

  皮膚が健康なときでも100種類以上の菌が生きている

    不朱不浄 ↓

    ◎ 下手に消毒すると,2,3種類だけ生きている
           
    ◎ 汚さに科学的根拠はない-「私以外が汚い」


 「私」が出来上がっていない子どもにとって「汚さ」は存在しない

→ 多数の菌が拮抗状況で健康

     ◎ 一円玉 → くすみはさび = さびが表面を覆うとそれ以上酸化しない
  


□増えないし減らない 不増不滅 

  家の外を掃く民族は非常に少ない 
   - 日本人,ハンガリー人,ジプシー

  ◎ 掃く行為が自分とっての手入れとなる?



□うまいものもないし,まずいものもない

  観自在菩薩 
   「私」というものの輪郭をできるだけ薄くしなさい!


  ◎ 何がおいしいかというのは実に個人的



□長年築き上げた「でたらめ」で世界を見ている

  マナ識
    ~ マナ識はわたしが良かれと思う潜在意識


  その下にアーラヤ識
    日本人としての蓄積



◎ 感覚を信じるな


  お釈迦様
   「頂いたものを何でもありがたくいただく」というのが仏教教団
  


□この世で一番痛いのは「私」

  「うまい,まずい」「きれい,汚い」は錯覚
     

  痛さを感じているのは「私」

   - 私より痛い人はこの世に存在しない
  


□読経と座禅によって「私」をほどく
    
  念仏

   ~ 私の輪郭が薄くなる


  座禅 
   
   ~ 呼吸に意識を沿わせる 

     = 流動に意識を沿わせる



□法然さんが起こした「口承念仏」という革命

  口承念仏
   ~ 私というものの輪郭を薄める方法
  

  イマジネーションの中で極楽浄土



□威張った下宿人のような存在が「私」

  私は家賃も払わずに「いのち」に下宿している


  とびこみ 途端にもがく
    もがいているのは「いのち」 

    私以外は死にたくない


  暗記しているものを再生

   → 私がほどける 私が薄くなる



□子どもと年よりは神に近い 

  神には「私」がない(日本人)


  子どもも神に近い
   - 右手でぎゅっと握っているのに左手はフラフラ
         

 ◎ 私から離れて物事を見る



□「縁起している自分」を感じ続ける

  「生まれる」「死ぬ」ではなく展開する


  ×「痛い」 → ○「風流だな」





◇念波観音力 

□敵味方関係なくお祀りする伝統

  清水寺創建 - 坂上田村麻呂 8世紀北へ征伐の征夷大将軍

    蝦夷の長として抵抗していたアテルイ

    アテルイは清水寺に幽閉 - 田村麻呂と仲良くなった

    - 敵方の長を祀る碑
    

  ◎ 日本という国は敵を祀ることが伝統的にある国 
    双方の犠牲者を祀る伝統がある  


□恵比寿さんは海に流された子どもだった

  清水寺の本尊は十一面観音様(もとは異敬)

  
  七福神の中に日本人の神様は一人

インド人3人 大黒様,弁天様,毘沙門天様

中国人3人  寿老人,福禄寿,布袋和尚

日本人1人  恵比寿(蛭子)さん

  ※ 恵比寿様 = イザナギとイザナミの子  水子

→ 失敗した子を海に流した

    → 気にし続けていたら,そのうち海を守る神様になっちゃった。
      蛭子「ヒルコ」



□十一面観音は良好な人間関係の象徴かもしれない

  中国芸の千手観音

    - ファミリーの力


◎ 十一面観音は荒野の守り神



□日本語の「人間」は中国では「世間」という意味

  人間は六道を輪廻 

    下から ① 地獄

        ② 餓鬼

        ③ 畜生

        ④ 修羅

        ⑤ 人間(世間)

        ⑥ 天(有頂天)


  ◎ 地獄の一番下は金輪際 
    金輪際 ~ 有頂天



□脳内のネットワークが人間関係の理想

  脳細胞 1000億以上 

  一日に10万個死んでいる

  ニューロンのネットワーク
    隣組でブロックを作っている(近所)



□人間力を支えるのが「御近所力」

  「六次の隔たり」

    - 地球上にいるだれもが,間に5人挟むとつながるということ

      6人でエジプトの知らないアブダムさんに届け物ができる



  ◎ 御近所にいかに親しい人が多いかということがネットワークの基本
   
  ◎ 人間のもっている力,動物にはない力は集団を作る力
               
   = 脳内ネットワークの作り方にモデル
             

   ※ 御近所力 > ネット,携帯電話     



□身体や脳は他人と同期しようとする 脳内にミラー・ニューロン

  同期 - シンクロニシティ = 共時性 = 同期


  私の気持ちとあなたの気持ちは同期する



□盛んに同期しているとき会話は無内容になる

  同期の例 

  - 母親と子ども  

    共振,蛍の同期生
                    
    無意識に命のサイクルを揃えようとする



□「私」を取っ払う工夫をしたのが宗教

  わ・た・く・し

   「わ」が「た」に杭をさす 

    = 我が田に杭
                

 ◎ 「私の田んぼはここまでですよ」という意味の杭

   
 我(ガ)  
  
  → 一番古い意味はノコギリ = 人を傷つけるもの



□ネットワークの全体に供養するから功徳や御利益がある

  お盆

   … 人々のつながり,ネットワークを考え直す儀式


  目蓮尊者  

    母が餓鬼道へ 

    餓鬼道地獄 - 供養すると全部につながる

    「ネットワークの全体に供養しろ」



  ◎ 大部分は,私がいい行いをした結果は知らない人の所に行く(御利益)

  ◎ 御利益(ごりやく) 誰も損しない
         
    利益(りえき)   誰かが損した分こっちに来る 



□我々はみんな血がつながっている
     
  三界万霊に供養することで自分の知っている人に届く


  則天去私

    ~ 私がなくなれば,みんなつながる









☆「絶対感動本50」齋藤孝 マガジンハウス 2003年 ③【再掲載 2013.7】

<出版社の案内>

泣ける、胸打つ、心に沁みる!
読書力・生きる力を鍛える感動名作50。
声に出して読むもよし!
美文・名文・凄みの文、抜粋・引用付き。

2.jpg


□「世に凄む日々」司馬遼太郎 文春文庫

 松下村塾  
   玉木文之進からの教育「侍は作るものだ。生まれるものではない」
 
      ∥ 

 ◎ 個人が持つ強い信念

  
 歩くことが松蔭にとっての大学であった



□「氷川清話」勝海舟 角川文庫

 「腹」  西郷の胆量の大きさ



□「ある明治人の記録」 石光真人 中公新書

  会津人 柴五郎の遺書「無涙の辞」



□「夜と霧」VEフランクル みすず書房

  アウシュビッツ 

  生死を分けるものは何か ~ 強い意志

  
  人間には二つの種族
    ① 品位ある善意の人間

    ② 品位ある善意でない人間    



□「望郷と海」石原吉郎 ちくま学芸文庫 
  
  シベリア収容所の8年間 詩作


  人間らしさを失わない人物 鹿野武一


  鹿野武一  ペシミストとして行動

「私は告発しない。ただ自分の位置に立つ」



「ペシミストの行動について」



□「腕白小僧がいた」土門拳 小学館文庫
  
  子どもたちの体がとてもよく動いている 

  
  表情がはつらつとして輝いている



□「ギルガメシュ王ものがたり」ルド・ミラ・ゼーマン 岩波書店

  世界最古の物語 3冊の絵本



□「リトル・トリー」フォレスト・カーター

  インディアンの掟


 ◎「何かをなくしちまった時には、へとへとに疲れるのが一番いいんじゃ」



□「神話の力」 ジョゼフ・キャンベル ビル・モイヤーズ 早川書房
  
  神とは何か 

  「聖なる場所」を持つことの必要性

  
  土地
   … 自分の住んでいる土地を霊的な意味の深い場所に変える 



□「風の風物詩」ライアル・ワトソン 河出文庫

  古代人の持つ生命観



□「クレーの絵本」パウル・クレー 講談社

  クレーの絵と谷川俊太郎の詩



□「絶対安全剃刀」 高野文子 白泉社
  
  女性



□「両手いっぱいの言葉」 寺山修司 新潮文庫

  寺山修司のアフォリズム413



□「古典落語志ん生集」ちくま文庫  古典

nice!(134)  コメント(0) 
共通テーマ:学校

nice! 134

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。