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「お江」武光誠 平凡社 2011.1 ② /「本へのとびら 岩波少年文庫を語る」宮崎駿 岩波新書 2011年 ③【再掲載 2012.8】 [読書記録 歴史]

今回は、5月12日に続いて、武光誠さんの
「お江」の紹介 2回目です。



出版社の案内には、


「お市の方を母とする三人の娘、茶々(淀殿)・お初・お江は、いずれも数奇な運命を辿っ
 た。小谷城の落城で父を失い、北の庄城落城のときに母と死別する。茶々は豊臣秀吉の
 側室となり、お初は母方の従兄の京極家に嫁ぐ。お江は二度の結婚に破れた後、徳川秀
 忠の妻になる。そして最後に、大坂の陣で姉妹同士が敵味方に分かれ戦ったのだ。戦国
 動乱から大坂の陣へ、戦国の世を女性たちはいかに生きたか。」


とあります。





今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「豊臣政権の限界(信長・秀吉) = 思いのままの積極策 
 戦いには強かったが中下層の民衆の支持を得られず = 上流社会しか見えず」


・「浅井3姉妹 
→ 三人がそれぞれ優れた才覚を持っていたために主要な人物の妻に迎えられた」


・「徳川秀忠のキリシタン嫌いは秀忠の異母弟・松平忠輝(ライバル)の存在」


・「キリシタンと豊臣家
  キリシタンが豊臣と接近したため(徳川幕府が)戦わざるを得ない状況に」



もう一つ、再掲載となりますが、宮崎駿さんの
「本へのとびら 岩波少年文庫を語る」③を載せます。
宮崎さんの映画を見ると、児童文学や民俗学への興味・関心の高さが伝わってきます。
学級担任として、
-「自分の一冊に出逢ってほしい」
と子どもたちに本を読んできました。
特別支援学級では絵本中心でしたが(絵本のよさを伝えたいと)、
通常学級担任時は、フォア文庫を中心とした児童向けの本を続きものとして読みました。
「杜子春」は毎担任時、読みましたが、読んでいると涙声になりそうな所がありました。

-「芥川もそういわれて書いた『杜子春』」のような作品がなかったら、非常にひねくれ
  たヤツと思われて終わったと思う。じつはとても素直なところをちゃんともっている
  人。」

面白い視点だと感じました。




<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト







ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
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☆「お江」武光誠 平凡社 2011.1 ②

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◇豊臣政権とキリシタン

□花咲く桃山文化

  小牧長久手の合戦(1584)
     秀吉と家康が引き分ける

  ↓

  翌1585年 関白に任命



□秀吉とバテレン追放令 

  1587年6月

  しかし、有力大名が多く、中途半端に終わる

  スペインが入る
  → イエズス会(ポルトガル)より熱狂的な布教
    ◎ 日本人を侮るものまでいた



□豊臣政権の限界 

 信長・秀吉  
   思いのままの積極策 

   戦いには強かったが中下層の民衆の支持を得られず

   = 上流社会しか見えず
      

      ↑↓           

  ◎ 早雲、信玄、家康  

    ※ 安定路線 = 民衆の声を聞く情報組織作り





◇お市の姫たちの生き方

□戦国の武家の女性

 武家の女性の誇り 
   賢くて堂々と自己主張する女性が好まれる

   武家の娘は子どもの時から武芸を習った
     主に薙刀・懐剣


 ヨーロッパ人がみた戦国女性
家を治めることが仕事 夫と妻は対等で力を合わせて家をつくっていく


 能力で評価される戦国女性


 浅井3姉妹 
  ◎ 三人がそれぞれ優れた才覚を持っていたために主要な人物の妻に迎えられた



□長女・淀殿 権力者の側室

 秀吉の妻たち → ◎ 仲がよい


 淀殿(茶々) 1588年 秀吉の側室となる 21歳

 
 淀殿の二人の息子 
   1589年 淀城を築く
淀城で鶴松を生んだ 1591年8月3歳で病没


 1592年 豊臣秀頼誕生


 1598年 大阪城の女主に



□次女・お初 

 幼なじみの親族と恋愛結婚


 影の薄い女性  
   京極高次の妻 1587年 18歳


 京極家の複雑な立場 
   京極家 - 近江源氏・佐々木氏の流れを引く名門



□三女・お江 

 二度の結婚に破れる


 佐治一成との結婚  
  12歳 尾張国大野城(常滑市)六万石

家康に協力


 大阪に呼び戻されたお江
   大野城を攻められ佐治一成が浪人 → 流浪 → 織田信包に使えた



□羽柴秀勝との結婚

 お江 14歳で佐治一成と離婚

  1586年 羽柴秀勝と再婚 京都で生活



□豊臣家の一員としてのお江

 1592年 秀勝が急逝 24歳

   ↓ 3年後

 1595年9月 秀忠の正室となった





◇関ヶ原合戦

□徳川政権の誕生

 関ヶ原前夜 
   二度目の出兵  

   
 石田三成 増田長盛 ←→ 加藤清正 福島正則 反目


 文吏派の人々 
   1591.2~ 「文吏派」石田三成


 周到な戦略で勝った
  


□長女と三女の立場の逆転



□うまく立ち回る次女 

 京極家とキリシタン



□関ヶ原合戦とお初

 1593年 京極高次の子、忠高が生まれる - お初の養子

     お初の言いつけを守る


 京極高次 
  - 石田方から離反 

    大津城を明け渡して高野山に 10月15日


 関ヶ原の合戦 
   10月15日 石田方1万5千足止め

6万石 → 8万5千石 若狭国小浜城主に





◇豊臣家復興の策略に動く淀殿

□徳川の後継争いとキリシタン

 徳川秀忠のキリシタン嫌い 
   秀忠の異母弟・松平忠輝 - ライバル


 松平忠輝と宣教師
   忠輝の母「お八」 - 遠江国・金谷の農民の娘

   龍馬に近い性格で人気者

   宣教師ソテロと仲良くなる = 親キリシタンと見られる
    

 30万人のキリシタン


 秀忠2代将軍となる
  1605年4月 秀忠が将軍になる



□お江の娘・千姫と豊臣家の策略結婚

 お江の大阪訪問 
  二条城の会見



□キリシタンをめぐる幕府と豊臣家

 長崎沖の海戦
   1609年12月 ノッサ・セニョーラ・ダ・グラッサ事件


 キリシタン禁令に踏み切る幕府


 オランダの接近


 キリシタンと豊臣家
   キリシタンが豊臣と接近したため戦わざるを得ない状況に
  


□陥れられた淀殿

 方広寺鐘銘事件
   片桐旦元の悩み - 救うためと大義名分













☆「本へのとびら 岩波少年文庫を語る」宮崎駿 岩波新書 2011年 ③【再掲載 2012.8】

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◇大切な本が一冊あればいい(2)

□アニメーションの現場で

 スタジオの本棚
   岩波少年文庫 - 毎日読んだ 

   → 自分の中に抽斗(ひきだし)

 
 アニメーションの原作

 
「床下の小人たち」
    22~23歳のころ読んだ ~ 借り暮らしがいい
   
    映画化のタイミング 
   
    今、みんな小人になっている = 今がタイミング

 

□絵に魅せられて

 忘れられない挿絵


 絵を見て初めて分かること 表紙も 
   入口は挿絵家:樺島勝一さん

   絵としての力がある


「秘密の花園」のお屋敷  
  実際に…


 視覚による記憶


 イギリスの挿絵全盛時代
  ◎アンドルー・ラング世界童話集

 
「あいまい」にはできない文化

  ◎「あかいろの童話集」の絵 ~ 怖い

 
 描くべきもの、そうでないもの
「もののけ姫」の化け物  
  「ゲド戦記」の竜

 
 ギャップがおもしろい
「チボリーノの冒険」の挿絵  トマト騎士の絵

 

□脆弱になった「目」

 時代の変化  
  時代と絵


 印刷技術と挿絵
  鈴木三重吉  
 「子どもができて読み物をあげたいのに、そういうものが何もないし、あるものは、あ
  まりにもレベルが低い。でも、子どもたちにはいい読み物が要る。というので、しょ
  うがない、自分でやろう」
 
  と『赤い鳥』を始める。
     
      
  → 知り合いみんなに「書け」「書け」

           ↓

      
 ◎ 芥川もそういわれて書いた「杜子春」のような作品がなかったら、非常にひねくれ
  たヤツと思われて終わったと思う。じつはとても素直なところをちゃんともっている
  人。   

 
 世界へのアプローチ

  挿絵
 
   → 映画

   → テレビ

   → 携帯写真  映像が個人的なもの
 
  ◎ 現実に対するアプローチの仕方はどんどん脆弱になっていく
    
         |
 
  ◎ サブカルチャーはさらにサブカルチャーを生む  
1/2 → 1/4 → 1/8 → とどんどん薄まっていくのが今



◎ 本の良さ
 


□ただ一冊の本

 置いてあっても子どもは読まない

 「こどものとも」(福音館書店)


 ある少年とのやりとり 
  今、子どもに読ませたい本を選ぶのは非常に難しい
    
                |

  ◎ あらかたの本は図書館にある

 
 杉浦茂の魅力 
   漫画家・変わった絵    
 
  「魔使い」シリーズのおもしろさ 東京創元社
世界のことが何でも書かれている本 夢に見る一冊
  
    大人にできること
      焚き火のチャンスを奪っている

    ◎ 自分の一冊に出逢ってほしい

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コメント 2

sana

どちらも、とても興味を惹かれる内容ですね。
秀忠のキリシタン嫌いなど、知りませんでした。
児童文学の挿絵には強い印象を覚えたものです。
探して読んでみます。
ご紹介ありがとうございました。
by sana (2021-05-15 15:48) 

ハマコウ

sanaさん ありがとうございます。
読んだときになるほどと思ったのですが、忘れやすいものですね。
ここに載せるに当たって、読み直し、またなるほどと思いました。
秀忠の異母兄結城秀康のことはよく聞いていたのですが、松平忠輝のことは本書で初めて知りました。
児童文学の挿絵と聞くと、滝平二郎さんの切り絵を思い出してしまいます。
by ハマコウ (2021-05-15 18:06) 

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