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「ことばの魔術師井上ひさし」菅野昭正 岩波書店 2013年 ①(前半) /「教育とは何だ」重松清 筑摩書房 2004年【再掲載 2012.7】 [読書記録 一般]

今回は、菅野昭正さんの
「ことばの魔術師井上ひさし」1回目の紹介です。


出版社の案内には、


「ことばの滋養作用と笑いの強壮効果を無尽に駆使し、戯曲と小説に新しい地平をひらい
 た井上ひさし。人とことばと劇場空間を愛し、信頼した作家が、私たちに遺したものは
 大きく、深く、あたたかい。その世界にさまざまな形で交わりをもった人びとが、“こ
 とばの魔術師"の根源的な魅力について語った講演の記録。」


とあります。


中学校一年生の時の出席番号が41番で、気になって読んだ『四十一番の少年』。
以後、井上さんの作品をよく読みました。
「ことばの魔術師」がピタリと当てはまるように感じます。





今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「井上ひさしの三位一体   難しさ 易しさ 面白さ」


・「権力に逆らって」


・「松本清張さんからの激励 = 徹して庶民の味方  資料 面白さ」


・「難しいことを易しく 易しいことを深く 深いことを愉快に愉快なことを真面目に書く」






もう一つ、再掲載となりますが、重松清さんの
「教育とは何だ」を載せます。
佐藤学(教育学者)さんの言葉、

「こんな教育省は世界のどこにもありません。きちんとした分析も知識もなく,思いつき
 だけでやっている。リクルート事件で有能な官僚がみんな文部省から出されてしまった
 のですね。彼らが追い出された後は,素人も同然の人たちが政治家に振り回されてやっ
 ているだけなんです。」

「新自由主義に基づく教育政策」「教育の責任を全てサービスに置き換えていくやり方」
が進行し、地域・コミュニティが急激に崩壊している害が表れているように、わたしは
感じます。 



<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト







ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。






☆「ことばの魔術師井上ひさし」菅野昭正 岩波書店 2013年 ①(前半)

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◇井上ひさしの三位一体 菅野昭正
 
 難しさ 易しさ 面白さ
 

 ことばを操る天賦の才  
   井上演劇との出会い  

   異能の現代小説家
  

 国家とは何か
   文体と小説の構造  

   権力に逆らって  

   未完の遺作の数々


◇小説の書き手として読み手として 阿刀田高
  
 同じ時代を生きて
   井上ひさし昭和9(1934)年11月生 


 日本文化の正当性に位置する駄洒落
   モチーフをもって書く


 井上さんの小説作品 
   好き「吉里吉里人」
     「四千万歩の男」
     「不忠臣蔵」


 戯曲と小説の違い
   10回幕が開かなかった 

   好き「父と暮らせば」
     「薮原検校」
「マンドナわが町」


 松本清張さんからの激励 
   徹して庶民の味方 資料 面白さ

   気掛かり  … パターンなんだよな

   すごいなあ … ユーモアと笑い、確かなモチーフ


 文学賞選考委員としての姿勢 
  

 社会的問題に対しての考え

 - 平和憲法 米づくり 原子力
「難しいことを易しく 易しいことを深く 深いことを愉快に愉快なことを真面目に書く」

昭和56(1981)下期 直木賞選考委員 甘めの評価


 世界文学としての井上作品
   世界に紹介すべきだった





◇自立と共生の街ボローニャに恋して 横山眞理子

 井上さんのボローニャ話 
  「井上ひさしのボローニャ紀行」


 16枚の企画書
   「横山さん、企画書僕が書きます」


「僕がホームレスになって…」
   2週間のロケハンージワッと伝わってくる魅力のある街

番組のハイライト - ホームレスの組合


 井上さんとボローニャとの出会い
仙台孤児院 

   ドメニコ会の神父の口利き カナダ人の神父様

   ドメニコ会の総本山・ボローニャ・ドメニコ教会に行ってみたい


 1964年~ NHKに潜り込む - 局付き作家
「ひょっこりひょうたん島」

  「吉里吉里独立す」(ラジオ番組)

「ネコジャラ市の11人」


 共に生きる街 ボローニャ
学問の街 食の街 塔が百本

人口37万人

ボローニャ文学 
     1088~ 法律 
   
     学生が組合作り大学 協同組合「ウニベルシタ」

   とびっきりの先生
     エラスムス ガリレオ コペルニクス

   共に生きる街 寛容の精神


 ボローニャシステムの誕生
地区評議会 ボランティア

  中小零細企業のための組合 CWA 分社(大きくなると)スピンオフ


 井上作品に投影されたボローニャの街
  「ネコジャラ市の11人」


 ボローニャ紀行裏話
ボストンバッグの盗難 200万円 ボローニャノート

「横山さん、僕はバッグを盗まれてよかったと思います。あのノートがあったら固定
   観念でボローニャはこうだと思って見てしまって、何も新しいものが見えなかった
   かもしれません。帰って盗まれてよかったんです。神さまが新しい目でボローニャ
   と対峙しろと言ってたんです」











☆「教育とは何だ」重松清 筑摩書房 2004年【再掲載 2012.7】

<出版社の案内>

教育の「現場」、知っていますか?「教育論」から「給食」まで、学校で起きているほんと
うのこと。

教育の問題は、「現場」で起こっている! 現場の最前線で活躍する、藤原和博、清水良典、
滝川洋二、苅谷剛彦ら18人のエキスパートに取材した「教育論」から「給食」まで、学
校で起きているほんとうのこと。
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◇重松清  
 
 1963年 岡山県生 早稲田大学教育学部卒 
 

 1999『ナイフ』『エイジ』



◇教育論とは何だ 苅谷剛彦

 欧米では経済政策と教育政策はセット 


臨教審 ~ バブル時代 ズレ


いろんな政策のツケがみんな教育に回されている

← 赤字 ~ 積み重なる経済政策の失敗


「なぜ社会を語る文脈で教育を語らないか」
ゆとり   → 確かな学力
生きる力 学力向上




◇学校英語は敗北したか 東後勝明

英語教育 3時期 
  Ⅰ期 ~1940 グラマー・トランスレイション・メソッド
  文法・翻訳の学び方


Ⅱ期1950~1970年代 ミシガン・メソッド
  口頭練習中心


Ⅲ期 1980年代~  コニュニカティブ・ランゲッジ・ティーチング




◇分からないからこそ分かるが深くなる 新井紀子

数学教育
   途中点がつく

「ガーン」となる経験はたくさんした方がいい




◇教科書を作るジレンマ 清水良典

国語教育 高ためシリーズ

定番 高1 芥川『羅生門』 

     高2 中嶋『山月記』漱石『こころ』

     高3 鴎外『舞姫』


 道徳の肩代わり

  ~ 際限のないお説教


 現代の若者は「活字まみれ」




◇全てのは場所に学びの共同体を 佐藤学

9000回以上,授業を見てきた


1984年 臨教審

   ~ 新自由主義に基づく教育政策
  
     教育の責任を全てサービスに置き換えていくやり方 


 東アジア諸国 
アメリカの核の傘下 ~ 経済・教育に!

苛酷な受験戦争 - 日本・台湾・中国・ホンコン・シンガポール



  ◎ 学びからの逃走 - 地域・コミュニティの崩壊 1970年頃~


 親のボランティア? 親の責任
小学生  本来の力の7割しか発揮していない

             ↑↓

   教師   週52時間働いている うち26時間は会議と雑務  


佐藤
「こんな教育省は世界のどこにもありません。きちんとした分析も知識もなく,思いつき
 だけでやっている。リクルート事件で有能な官僚がみんな文部省から出されてしまった
 のですね。彼らが追い出された後は,素人も同然の人たちが政治家に振り回されてやっ
 ているだけなんです。」




◇学校に居酒屋を 上野淳

 <校舎>
   明治28年 4間×5間 20坪  西側に黒板

  ロッカーはアイデンティティを保つ最後の砦




◇さまよえる保健室 山田真

「教師らしくないひと」として存在してほしい


カウンセラーに反対




◇食べる力は生きる力

雨宮正子 給食

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