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大村はまさんはこんなことを ⑦-「教師大村はま96歳の仕事」小学館 2003年 (3) /「悩むチカラ ほんとうのプラス思考」伊藤友宣 PHP新書 2005年 ③(最終) [読書記録 教育]

今回は、2つ紹介します。



1つ目は、7月 1日に続いて、大村はまさんの
「大村はまさんはこんなことを」の紹介 7回目です。
「教師大村はま96歳の仕事」の要約3回目です。


出版社の案内には、


「プロとして『教えること』を厳しく追求し、膨大なエネルギーをもって展開してみせた、
 生涯現役教師・大村はま96歳の1年間の発言と軌跡を集成。」


「国語の教師生活52年。徹底して子どもを見すえた大村の実践は、自主的な学びが称揚
 される時代にあって、教えることの真髄として、今再び広く注目を浴びている。96歳
 の1年間の講演と仕事をまとめる。講演CD付き。」

とあります。




2つ目は、7月11日に続いて、伊藤友宣さんの
「悩むチカラ ほんとうのプラス思考」3回目の紹介 最終です。


伊藤友宣さんは、不登校にまっすぐに向き合われた方。
不登校で苦しんでいる子どもへの対応の仕方について多くのことを教えてくれます。


出版社の案内には、

「クヨクヨ悩んで落ちこむ人がいる。それがイヤで悩みを放棄してしまう人もいる。多く
 の人にとって心をかき乱す害悪でしかない『悩み』。でも、実はこれこそが真のプラス
 思考を導く源なのだ。いちいち立ち止まって気にしていたら、置いてけぼりを喰ってし
 まう。手間のかかる人づきあいなんてやってられない…そんな風潮が相次ぐ少年犯罪の
 ような荒廃を招いたと著者は見る。今こそ見つめ直したい心のありよう。真剣に悩むこ
 との愉しさ。街角から時代を見続けたカウンセラーが、世を憂う思いを胸にメッセージ
 を送る。」

とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「明るく深く悩む -勝つでもなく負けるでもなく一緒になんとかやっていくしかない」


・「たがが緩んでしまっている人権意識 人間の息吹の感じられない事態が多すぎる」
- 子どもの問題行動の遠因の1つでしょうか。


・「存在そのものに信を置く」
- 裏切られても信じる覚悟が必要なときがあるように思います。


・「個が活きてこそ全体が輝く」
- 逆ではないのですね。


・「人に育み育てられて今日がある」
- 年齢を重ねるごとにその思いを強くもつようになりました。


うまく要約できないのですが、伊藤友宣さんの本をお薦めします。
子どもたちへの向き合い方のヒントを教えてもらうことができます。






<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト







ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。





☆大村はまさんはこんなことを ⑦-「教師大村はま96歳の仕事」小学館 2003年 (3)

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◇心に持っていたお話

□花の力

 私は教室にいろいろなものを持っていきましたが、花もその中の一つです。


 春になりますと、桜草が盛りになります。私は桜草を必ず教室に持っていきました。


 そして、それを長くもたせるのが私の得意技の一つでした。


 コツはちょうどよい時に花を切り落とすことだったのです。


 ちょうどよい時期に、花が生を終わりたいその時期に切るんです。


 そうしますと、また元気になって長くもつわけです。


 ですから、私は春になると桜草を置いて、毎日のように鋏で少し傷んできた花を切り落
としていました。

 その朝も私はそういうふうにして、傷んだ花を落として英気を取り戻すことができるよ
うに花を仕立てていました。


 そうしましたら、中学生がそばに来て

「先生、そんなことしたら花がかわいそうじゃないの。まだきれいよ、こっちから見ても」

そう言いました。


 私は

「そうね。だけどこれくらいの時期にこの花を切らないと、長く花はもたないの」

と言って花を続けて切っていました。


 そして続けて

「そうね。私なんかも神様が、この花、ここらで切ろうかなって鋏を持って待ってるかも
 しれないね」

って言うと、その子は

「やあだ」

と、どこかへ行ってしまいました。



 また、私はちょんちょんと花を切っていました。


 今度は男の子が

「先生、今何考えてるか当ててみようか」

って言うんです。


 だから、

「どうぞ、当ててごらんなさい。当たらないから」

って言いました。


 男の子はしばらくそこに黙って立っていましたけれども、やがて 

「いいや、かわいそうだから」

と言って走っていってしまいました。



 私はさっきの女の子が何か話したなということに気がつきました。


 先生は歳をとったこと、やがてどこかへ行く日が来ること、そんなことを考えて 

「先生はかわいそうなようだ」

って話したんでしょう。


 それで、その話がその男の子に伝わっています。


 そういうものであって、子どもは何か肝心なときには黙っているっていうことができな
いものです。


 その女の子が男の子にどんなふうに話したんでしょうね。


 それを「ふうん」と男の子が聞いて、やや感ずるところがあったんでしょう。


 こういうふうに、何かがある話だったら、生きたお話だったら、必ず子どもから子ども
に伝わるものなのです。


 お話を聞く子はいいけれど、聞かない子もたくさんいるんじゃないか、不公平じゃない
のかとお考えになる方がいるかもしれませんが、そういう心配をしなくてもいいのです。


 話というものは、もう少し命のあるものです。すぐ伝わらなくても、

「よく聞いていなさい」

と言わなくても、そのお話に命があれば、ちゃんと一人で子どもの心を訪ねていくものな
のです。














☆「悩むチカラ ほんとうのプラス思考」伊藤友宣 PHP新書 2005年 ③(最終)

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◇二面相克が自我を確立させる
 
「正しさ」を強制された世代

  自由主義 民主主義  ←  自律的人格



生きる気力のわかない子どもたち

「世の中は薄汚い 自分だっていい加減なものさ」



「生命」を陵辱してやりたい

「二面相克が自我を確立させる」



色は変われど質は変わらず

幼い子には「清く正しく強くあれ」



 「悩むチカラ」はむしろ邪魔? 

二面相克がより次元の高い統合を生む

    ・ヘーゲルの正と反と合

    ・フロイトの我と超自我と自我

    ・現代社会における自由と平等の民主主義   



 明るく深く悩む 

勝つでもなく負けるでもなく一緒になんとかやっていくしかない



内面の闘いの律動を味わう



 トリビアのものへと逃避の傾向

   私学へ脱け出るのも不登校がなすのも現状の教育が人間の基本の欲求にふれるもの
  でないから。トリビアなものへと人が皆逃げている。





◇発育不全の世界中のがたつき

 「経済資本」と「文化資本」



 自由経済社会のあからさまな二層化 



たがが緩んでしまっている人権意識

人間の息吹の感じられない事態が多すぎる



想像力の乏しすぎる世の中



 三つの層の明確化



 自己を拘束してやまぬ若者の群れ



 身内か余所人か



 文化資本を豊かに蓄える自由  

人間なんて皆身内で同時に余所人なのである



存在そのものに信を置く





◇本音も建て前も必然である

 「悩むチカラ」の肝所



 親の懸命さが子を萎えさせる 



 自身の判断力で事を決する



 理屈の正しさより生命のかがやきを 





◇人類のホメオステーシス

 悩むことが生きている証 



 人類の迷妄さの底深さ



 右脳を開き損ねての半世紀



食べ物の好き嫌いは人間の好き嫌いにつながる



 ホメオステーシスに委ねる



 個が活きてこそ全体が輝く



 個と全体を行きつ戻りつ



 人に育み育てられて今日がある  


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