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「発達障害の子どものための 体育の苦手を解決する本」西薗一也 草思社 2013年 ②(後半) /『見聞巷談』宮本常一 八坂書房 2013年より ③・④ 【再掲載 2014.2】 [読書記録 教育]

今回は、9月16日に続いて、西薗一也さんの
「発達障害の子どものための 体育の苦手を解決する本」の紹介 2回目 後半です。



発達障がいをもつ子どもに体育を苦手とすることが多いようです。
着替え、集団行動、調整力に苦手意識を感じているのかと思います。
苦手を感じさせない工夫、雰囲気作りをと考えます。




出版社の案内には、


「かけっこ、縄跳び、鉄棒、水泳…体を通じて『できた!』のよろこびはかけがえのない
 自信になる!のべ1500人の子の運動嫌いを救った著者が、運動の基本から上達のコツま
 で徹底指導。柔軟体操、身体感覚を養う運動遊び、体育の実技練習、新体力テスト対策
 まで網羅。」


とあります。





今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「子供を安心させるマジックワード『できなくてもいいよ』」


・「教えるときは小さく細かくスモールステップで」


・「叱るときは、許すライン・譲らないラインを明確にする」


・「『何でできないの!』は究極のNGワード」





もう一つ、再掲載となりますが、民俗学者 宮本常一さんの
『見聞巷談』③④を載せます。
子どもの頃の生活を思い出しました。





<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。






☆「発達障害の子どものための 体育の苦手を解決する本」西薗一也 草思社 2013年 ②(後半)

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◇柔軟体操から楽しく身体を動かしていこう

□発達障害の子に運動を教えるに当たって

 ◎7つのポイント
 
  ① 子供を安心させるマジックワード「できなくてもいいよ」 
   やろうという気持ちをもつことが大切

     人の助けを借りてもかまわない

     ×じっとしていても何も生まれない

 
  ② 教えるときは小さく細かくスモールステップで
   1・2・3・4・5… →
   を
   1・1.1・1.2・1.3  … → に

 
  ③「すぐにはできるようにはならない」と思って根気強く声掛けを

     「これだけ言っているのに聞かないなら、もっと言ってやろう」


  ④ ほめるのもメリハリつけて


  ⑤ 叱るときは、許すライン・譲らないラインを明確にする

      お互いの約束 - ひとつずつ

 
  ⑥ 「120%の全力を出しきる」感覚を意識させる

      大事なのは本気を出して全力を出しきること
 

  ⑦ 運動の先のその子の将来を考えた関わりを

      理不尽もある



□まずは柔軟体操からチャレンジ!

 ○座ってボール転がし
①足を開いて座る 
 
   ②体の回りに大きな円を描くように手を使ってボールを転がす
 

 ○押しくら足まんじゅう
①2人向き合って座る

  ②互いに膝を曲げて足裏をぴたっと合わせる

  ③手をつないでそのまま互いの足をぐーっと押し合う



□体の基本的な使い方を身に付けよう

 ○壁押し  グニャグニャさんに
①右足を前に出して軽く膝を曲げ左足を後ろに伸ばす

  ②両手を伸ばして壁につけ、体重を掛けつつ、肘が曲がらないように壁を押す

 
 ○ゴロゴロ運動  カチカチさんに
①仰向けに寝て両手を上で手のひらを合わせる

  ②からだから力を抜きゴロゴロと体を動かす

 
 ○おしり歩き
①脚を伸ばして座る。手は膝かももの上。

  ②手はつかず、膝を曲げず、おしりを前後に動かして歩く

 
 ○うさぎジャンプ・かえるジャンプ
うさぎジャンプ
   ①両膝を揃えて両手を大きく前に出して床につける

②両足を揃えたまま、うさぎのようにジャンプ

  かえるジャンプ 
   ①足を広げ両手を大きく前に出して

   ②両足を開いたままかえるのようにジャンプ


 ○かえるの足打ち
    手で体重を支えるトレーニング

    バンバンと2回  まずは一回でも


 ○つなわたり  まっすぐ

   ①長い紐を床にのばしておく

   ②最初は見ながらその上を歩く

   ③慣れたら…

 
 ○スキップ   リズム感とバランス
①気を付けの姿勢から右足を上げ、左足で前にジャンプ、右足をおろし、気を付けに
    戻る

    ②次に左足を上げ右足で前にジャンプ、左足をおろし気を付け

  |

   ※まずは片足ケンケンからでも


 ○大きくスキップ  可動域を広げる
①スキップを始めます

   ②腕を大きく振り、膝を思い切り高く上げ、高くジャンプしながらスキップ

 
 ○頭の上で両手を合わせてジャンプ  手さきの感覚

 
 ○合図で立つ  気持ちを切り替えるトレーニング 
①うつぶせに寝て、腕を立てた姿勢で目をつむり、体から力を抜く

  ②「パンと手を叩いたらすぐに立つ」を繰り返す

 
 ○30秒黙想  心の安定

   ①体育座りで目をつぶる

   ②顔は正面深呼吸30秒間じっと



□コラム : 自分のことを自分でできるようにしてあげるのも




□学校体育の種目別苦手を克服するトレーニング

「何でできないの!」は究極のNGワード 


走り  「鉄板の上を走るイメージで」  快速電車で走ってみよう


 鉄棒   肘をしっかり伸ばせば、お腹の肉ではさまなくなる

高さへの恐怖は、横で体を支えながら、倒していくことで訴える

      → 少しずつ角度を深く

胸だけ支える


なわとび 縄を回す練習を

縄が土に付いてから真上にちょこっとだけジャンプ

縄が土につくかつかないかのタイミングでジャンプ


ボール投げ まずは視線の固定を大事に

「前にいる先生の目を見て投げてごらん」

視野を固定し投げる構えを作る



両腕を風車のようにして回していく



足の動きを見て、とおくにとばす










☆『見聞巷談』宮本常一 八坂書房  2013年より ③・④ 【再掲載 2014.2】

<出版社の案内>
新聞・雑誌などに書かれた短い文章を六章に分けて収録。簡潔・軽快に書かれたこの一冊
で、厖大な著作群を読まずして、宮本常一の考えが鮮やかに浮かび上がってくる。
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(1)「ゆっくりあるける道」

 近ごろはリユックサックを背負って長い徒歩の旅をすることははとんどなくなった。


 しかし、できるだけあるくことにしている。地方へ講演などに出ていくと、ほんのわず
かの距離でも自動車に乗れとすすめられるのがいちばん苦痛である。


 あるいて見ると何かを得られるものである。


 その何かをもとめてあるいて来たのである。


 しかし、その何かが失われてゆく。道をあるくことはたのしいことであったが、今日の
ように自動車が多くなると、あるいていることもらくではなくなった。


 第一、道で子供のあそんでいる姿を見かけなくなったのはさびしい。道はもとは子供た
ちの遊び場であった。


 いまはその子供たちが両端をえんりょぶかくあるいている。



 ある日、子供がボールを高くなげあげながらあるいていた。そのボールをとりそこねて
ボールは道の向こうがわの方へころんだ。


 とりに行こうにもひっきりなしに車が通って、子供はしばらく立って車のとぎれるのを
まっていた。


 ところが、一台の自動車がそのボールをはじき飛ばして走り去った。


 どこへとんだのか瞬間のことでよくわからなかった。


 子供はボールが見えなくなったのであたりを見まわしていたが、ガッカリしてあるき出
した。


 私はボールだけでなく、子供の心の中から大切な何かが失われたのを感じた。そして車
の通らない、ゆっくりあるける道もあってよいのではないかと思った。

           (「月刊健康」61号、コクミン健康クラブ、昭和44年4月)



(2)「地方文化を育てる」 


 明治以来、日本の政治や教育はひたすら地方の文化を消して中央の文化に統一しようと
してきた。


 ことば一つにしても方言はわるいことば、標準語はよいことばとして教えられたし、ま
た、学校で民謡などうたってはならないものとされ、村の休み日に学校を休むと、なまけ
者として先生にしかられたものであった。


 私たちはそういう教育をうけて成長し、そういう眼で物を見るようになり、田舎にある
文化や伝統的ものはすべて古くさくてわるいものだと思いこんでしまった。


 しかし、ある地方に方言やいろいろの習俗が生れ、持ちつたえられて来たのには、それ
ぞれ理由のあったことであり、そこには人問の知恵がにじみ出ているものも多い。


 そういうものについて学ぶことはその地方に生き、その地方を開発していく上にまたい
ろいろ教えられるであろう。


 気候や風土がちがえば、そこにおのずからその土地に適した文化も生れて来るものであ
って、大切なことは卑屈にならないで、胸をはって、地方に往むことに生甲斐を感ずるよ
うな文化、それぞれの土地にふさわしい文化をそだてていくことだと思う。
     
             (「NHK青年学級だより」、昭和39年11月1日放送)

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