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「湖、ナンバーワンくらべ」(『社会科が好きになる5分間話』大原綾子 黎明書房 1981年 より) /「節度の経済学の時代」内橋克人 新潮文庫 2006年(下)【再掲載 2016.5】 [読書記録 教育]

今回は大原綾子さんの『社会科が好きになる5分間話』より、
「湖、ナンバーワンくらべ」を紹介します。



40年も前に出版された本ですが、教職に就いたときから重宝させてもらっています。
さすがにデータが古いので、現在でも子供たちに話せる話は限られます。


久しぶりに読み直して、摩周湖の透明度が現在どう変わったのか気になりました。
41.6mというのは、1931年の記録で、現在は20m前後ということです。
しかし、すばらしくきれいなのですね。


-「摩周湖でなく、真っ白湖でした」

大原さんのご努力、うれしくなります。



もう一つ、再掲載となりますが、内橋克人さんの
「節度の経済学の時代」(下)を載せます。
市場原理主義、経済格差を常に批判されてきた内橋さんが先月亡くなられました。
ラジオ深夜便「明日へのことば」で聴いた神戸大空襲の話が心に残っています。
弱い人に対する温かい思いが、わたしには強く伝わってきました。
これまでのお教えに感謝し、ご冥福をお祈りします。



<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。







☆「湖、ナンバーワンくらべ」(『社会科が好きになる5分間話』大原綾子 黎明書房 1981年 より)

◇琵琶湖

 京都、大阪、神戸では、水道の水を琵琶湖の水から引いています。京阪神、1300万人
の人が一日に使う水の量は、どのくらいだと思いますか。


1300万人の人が使うと、琵琶湖の水は、一 日にどれくらいへるのでしょうか。


― そりゃあ、5㎝くらいは使うでしょう。


― いや、なにしろ、1300万人だから、10㎝や20㎝は減るでしょう。


 さあ、皆さん、どれくらい減ると思いますか?


 それは、1300万人が使っても、一日に琵琶湖の水は5㎜しか減りません。


 わずか5㎜なのです。


 やっぱり琵琶湖は大きいですね。


 琵琶湖は、673.8平方㎞もあり、滋賀県の面積の六分の一もあります。


 面積では、だんぜん日本のナンバーワンで、2位を大きく引き離しています。


 琵琶湖の水は、家庭用の水道にも、農業用水にも、工業用水にも使われています。


 昔から、近畿地方のコメどころとして知られている近江盆地の水田は、琵琶湖の水を使
っているのです。


 貯水量は275億tといいますから、どんなダムがかかってもかないません。


 琵琶湖は水がめとしても日本のナンバーワンなのです。


 琵琶湖には、もう一つナンバーワンのものがあります。


 それは、魚の種類が多いという事です。


 琵琶湖は広いだけあって、場所によって深さも違い、水の温度も違います。
 

 南の方の温かい湖に住む、フナ、コイや、北の方の深いところにすむ、アユ、マスなど、
日本全国の川や湖に住むほとんどの魚がいるそうです。


 魚は約60種、貝も約40種ぐらいいるといいますから、びっくりしてしまいますね。


 こんな湖は、日本のどこを探してもないので、ナンバーワンというわけです。


 琵琶湖には漁港がたくさんあって、漁業が盛んなわけは、よくわかりますね。






◇田沢湖

 次に、湖の深さナンバーワンをさがしてみましょう。


 秋田県にある田沢湖です。田沢湖はカルデラ湖です。


 カルデラ湖というのは、火山の噴火の時に火口がおちこんで、湖になったものをいいま
す。


 田沢湖は一番深いところで、423.4mで、平均した深さでも、280.2mもあるんですって。


 小さな山なら、さかさまにしたら、すっぽり入ってしまいますね。


 田沢湖の水面は、海抜250mですから、湖の底は、海面よりまだ173mも下にあることに
なります。

 
 流れ込む川がほとんどなく、湧き水であるため、水の色はとてもきれいだそうです。


 伝説がたくさんありそうな湖ですね。





◇摩周湖

 さいごに、透明度で比べてみましょう。

 透明度というのは、湖がどのくらい透き通っているかを比べたものです。


 透明板という白い円板を使い、それを水の中に沈めていって、周りの水と区別すること
ができる深さをいいます。


 北海道の摩周湖は、透明度ナンバーワンです。


 41.6mで世界でもナンバーワンです。


 といっても、近頃はだんだん濁ってきて、透明度も落ちてきたそうです。


 ロシアのバイカル湖は40.5mといいますから、1、2位を争うわけですね。


 でも、摩周湖は、霧がかかりやすくて、世界一綺麗な水の湖を見たいと思っても、遠く
からでは、なかなか見られません。


 わたしが行ったときも、

「あのあたりが摩周湖です。」

といわれたのですが、霧が濃く、摩周湖でなく、真っ白湖でした。










☆「節度の経済学の時代」内橋克人 新潮文庫 2006年(下)【再掲載 2016.5】

<出版社の案内>
「市場原理主義」の危険性に警鐘を鳴らし続けてきた著者による経済コラム集。「格差社
会」問題が国会で論議されるなど、所得格差が拡大する現代日本。小泉構造改革の危うさ、
ライブドア事件はなぜ起きたのか? 格差のある社会は本当に活力のある社会と言えるの
か?……政治と経済の密接な関係を鋭く探り、変質する資本主義の危険性に警鐘を鳴らす
具体的な提言集
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◇住民自治の原点 神戸復興
  
□被災者の人権が侵されている 


□野党無き不幸
 - 形式的な公平 

 - 公共を企業化




◇「食の安全」を求めて

□日本型停滞の構造と農業再生

 世論をミスリードした「現実追認の言説」

  = 自給権なしに望めない「食の安全」


□聖域無き規制緩和?





◇政治のあり方を問う

□「小泉構造改革」はわたしたちをどこへ導くか

  期待が裏切られたとき
    小泉フィーバー=「熱狂的等質化現象」

  求められる新しい視点  
    小泉 - 一週遅れのネオ・リベラリズム

 「構造」とは何か
   → アメリカの浪費を支える
  
     官僚機構は権力側の所有物ではない
 
     欠ける政府の政策形成能力          





◇「匠の時代」ふたたび

□日本はモノづくりを軽んずるな

グローバル化に追随
   グローバリズムの本質 = 「作らせない 買わせる」
  
    → 日本   食糧・エネルギー自給率の低下 

 衰退する「地球」の力


□生産力と技術力の違い

 市民社会が市場に蹂躙されている

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コメント 6

岩崎ナギ

近畿の人が使用しても、
琵琶湖は一日に5ミリしか減らないのですね。
とても助かっています。
by 岩崎ナギ (2021-10-15 08:22) 

侘び助

私の故郷は琵琶湖の上流甲賀の里です。
時々帰ります(同窓会などで)杣川の源流近くに住む友人が
下水に流すのも気を付けると(条例が厳しい?)言っていました。
飲料水の源・琵琶湖の水の浄化に努力素晴らしい事だと思いました。
by 侘び助 (2021-10-15 10:39) 

ハマコウ

岩崎ナギさん ありがとうございます。
例えの仕方が上手だと思います。
子どもたちも驚いていました。
by ハマコウ (2021-10-15 14:11) 

ハマコウ

侘び助さん ありがとうございます。
昨年修学旅行の引率で水陸両用バスで湖に入りましたが、広い湖ですね。近畿地方の大きな水がめとなっているだけあって、水をきれいに維持するために努力されているのですね。素晴らしいと思います。
by ハマコウ (2021-10-15 14:14) 

gonntan

今こそ「節度のある経済」が必要なのでしょうが
私たち欲深い人間はちょっとやそっとじゃ満足しませんね
「持続可能な」も人によって尺度が違うようです
by gonntan (2021-10-15 20:09) 

ハマコウ

gonntanさん ありがとうございます。
物差しの目盛りが、それぞれで少しずつ違うようになってきたようですね。「満足」もそれぞれで違う難しい時代になりますね。
by ハマコウ (2021-10-15 20:40) 

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