大村はまさんはこんなことを ⑱-『灯し続けることば』大村はま 小学館 2004年 (5) /「三日でわかる古典文学」 大橋敦夫・西山秀人 ダイヤモンド社 2000年 ②【再掲載 2015.3】 [読書記録 教育]
今回は、10月 1日に続いて、大村はまさんの
「大村はまさんはこんなことを」の紹介18回目です。
「灯し続けることば」の要約の5回目です。
出版社の案内には、
「『国語教育の神様』とまで言われた国語教師・大村はま、98歳になる今日までの著作・
執筆から選びだした珠玉のことば52本と、その周辺。自らを律しつつ、人を育てるこ
とに人生を賭けてきた大村はまの神髄がここに凝縮された。『熱心と愛情、それだけや
れることは、教育の世界にはないんです』『したことの悪さより、しかられた傷のほう
が大きいということはないでしょうか』『熱心結構、いい人あたり前です』『スタート
ラインが一緒でも、ゴールには同時に入りません』『しかられ上手であることが必要で
す』etc.子どもにかかわるすべての大人、仕事に携わるすべての職業人に、折に触れて
ページを開いて読んでほしい。」
とあります。
今回紹介分から強く印象に残った言葉は…
・「誰より優れているとか劣っているとか考えるのは、一種のゆるみです。そんな優劣を
超えた、いわば優劣のかなたで自分の学習にひたることが大切なのです。」
・「教師のほうにそれだけの実力がいります。その子のすぐれた力をはるかに上回る幅や
高さがなければ、夢中にさせられないのです。」
・「一生懸命やった仕事がたとえ実を結ばなくとも、咲く美しさだけ、仕事をしたことが
値打ち、というものもあると言えるのではないでしょうか。」
- キャリア教育、やたらにめあてを立てさせ、振り返らせる活動が盛んです。「夢はか
なう」とよく聞きます。明るくめあてに向かって進ませるのはよいのですが、挫折した
とき、大村さんのように語り掛けることは大切だと感じます。
もう一つ、再掲載となりますが、大橋敦夫さん、西山秀人さんによる
「三日でわかる古典文学」②を載せます。
わたしには、背景が分かると古典作品がさらにおもしろく感じられました。
中高生の頃に出合いたかった本です。
約20年前に出版された本ですが、今要約を読み直しても、
古典についての本だけに古さは全く感じません。
今日11月11日は、浜松市・市教委・健全育成会連絡協議会の
「ひとりひとりにいい声掛けデ-」。声掛け活動をします。
もともとは静岡県・県教委の呼びかけで始まったのですが、
「地域の子供は、地域で見守り育てる」意識を高めるため、
大人が青少年へ声を掛けるきっかけにしようというのです。
よい運動だなと感じています。
たった一日ですが、それが何日に増えるのか…
<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆大村はまさんはこんなことを ⑱-『灯し続けることば』大村はま 小学館 2004年 (5)
◇優劣のかなたで、学びひたる体験をさせたいのです
教材がその子に合った適切なもので、そして指導もまた適切な場合、一人一人の子が自
分の力いっぱいに読み、調べ、学びます。
ほかの子どもと比べて、できるとかできないとかがまったく頭に浮かばないところに、
しばし身を置いているのです。
それは、ほんのひとときで、また下品なことを考えたり、つまらないことにくよくよし
たりするところに戻ってしまうでしょう。
けれども、たとえひとときであっても、そういう世界から離れた体験をさせることの値
打ちは大きいと思います。
誰より優れているとか劣っているとか考えるのは、一種のゆるみです。
そんな優劣を超えた、いわば優劣のかなたで自分の学習にひたることが大切なのです。
そこでこそ子どもは成長し、その実感と喜びを知るのだと思います。
教師のほうにそれだけの実力がいります。
その子のすぐれた力をはるかに上回る幅や高さがなければ、夢中にさせられないのです。
「優も劣も」といったときに、どうも教室では「劣」のほうに重みがかかってしまい、
その子たちの面倒を見ることで教師が満足して、「優」の子を退屈させてしまうことが多
いようです。
それが教室の魅力を失わせているのです。
◇仕事がたとえ実を結ばなくとも…
あるとき、新聞に梅の花についての記事が載りました。
梅の花は他の木から花粉をもらわないと、花は咲いても実を結ばないと書いてありまし
た。
やがて梅の季節になりました。
私の住んでいたところの門の左右に白梅と紅梅の木があったのですが、ひょっと見まし
たら、白い梅がたった一輪、咲いていました。
何とも言えない、いい香りで、私は「たった一輪、友達もいないのに咲いているんだな」
と思いました。
この花は、他から花粉をもらえなくて実を結ばないのだろうな、でも、早春のすがす
がしい朝の喜びと、すばらしい香りを私に与えてくれたのだから、この美しさは変わらな
いのだなと思いました。
人の仕事もそういうことがあるのかもしれません。
一生懸命やった仕事がたとえ実を結ばなくとも、咲く美しさだけ、仕事をしたことが値
打ち、というものもあると言えるのではないでしょうか。
☆「三日でわかる古典文学」 大橋敦夫・西山秀人 ダイヤモンド社 2000年 ②【再掲載 2015.3】
<出版社の案内>
古事記、源氏物語、枕草子など30以上の古典文学作品の常識と基礎を図解で解説。教科
書ではわからない面白さ!
無数の作品群を誇る日本の文学史の中から、近・現代の文学作品とのつながりを考慮して
作品を選別。通史的展望と新たな視座を持ち、古典文学の基本と常識を解説する次世代型
の入門書。
◇日本書紀
□日本国と天皇を外国に紹介する日本初の公式歴史書
「日本」という国名の始まりは?
太子のころ国内「やまと」
外交
「倭」=「背の低い人」の意
□689年飛鳥浄御原令でやまと=「日本」に
「日本書紀」撰上 720年 養老4年
|
「日本」 = 日神・アマテラスのお膝元の大神が守る場所の意
「古事記」と比較すると面白さ倍増
全30巻
・編年体
・様々な事件が感傷を加えることなく記述
□資料を駆使し歴史的事実を細かに表現
世界は「陰」と「陽」から始まる
中国の世界観の引用から - 古代史を詳細に
政治の陰の立て役者が編集総裁
舎人親王 紀清人実務
◇風土記
□徹底したフィールドワークから生まれた官製地誌
「地方の時代」和銅6(713)年 元明天皇の詔
現存 常陸・播磨・出雲・豊後・備前
地名の起源や古代民衆の生活が分かる
□説教話から伺える古代人のライフスタイル
古代から日本人は宴会が好きだった
宴会=うたげ
◇万葉集
□おおらかな愛情表現とドラマチックな編集
629~785年
150年間に4500首
□額田王,柿本人麻呂,山部赤人,大伴家持,高市黒人,山上憶良,高橋虫麻呂
□「古事記」の「古」と万葉集の永遠
万葉が万代か
□和歌のスタイルの基礎をつくった歌集
三部類
①相聞
②挽歌
③雑歌
□万葉四期
Ⅰ期 額田王と大海人皇子(天武)の恋
Ⅱ期 柿本人麻呂 大きなスケール
Ⅲ期 山上憶良 大伴旅人の下に仕えた
「貧窮問答の歌」
Ⅳ期 大伴家持 因幡守に左遷 758年
□大伴家
政治の敗者が文学の世界で勝利者となった
大伴家は政治の負け組
家持は旅人57歳の時の子供
大伴坂郎女が教育
「敗者のアンソロジー」
「大村はまさんはこんなことを」の紹介18回目です。
「灯し続けることば」の要約の5回目です。
出版社の案内には、
「『国語教育の神様』とまで言われた国語教師・大村はま、98歳になる今日までの著作・
執筆から選びだした珠玉のことば52本と、その周辺。自らを律しつつ、人を育てるこ
とに人生を賭けてきた大村はまの神髄がここに凝縮された。『熱心と愛情、それだけや
れることは、教育の世界にはないんです』『したことの悪さより、しかられた傷のほう
が大きいということはないでしょうか』『熱心結構、いい人あたり前です』『スタート
ラインが一緒でも、ゴールには同時に入りません』『しかられ上手であることが必要で
す』etc.子どもにかかわるすべての大人、仕事に携わるすべての職業人に、折に触れて
ページを開いて読んでほしい。」
とあります。
今回紹介分から強く印象に残った言葉は…
・「誰より優れているとか劣っているとか考えるのは、一種のゆるみです。そんな優劣を
超えた、いわば優劣のかなたで自分の学習にひたることが大切なのです。」
・「教師のほうにそれだけの実力がいります。その子のすぐれた力をはるかに上回る幅や
高さがなければ、夢中にさせられないのです。」
・「一生懸命やった仕事がたとえ実を結ばなくとも、咲く美しさだけ、仕事をしたことが
値打ち、というものもあると言えるのではないでしょうか。」
- キャリア教育、やたらにめあてを立てさせ、振り返らせる活動が盛んです。「夢はか
なう」とよく聞きます。明るくめあてに向かって進ませるのはよいのですが、挫折した
とき、大村さんのように語り掛けることは大切だと感じます。
もう一つ、再掲載となりますが、大橋敦夫さん、西山秀人さんによる
「三日でわかる古典文学」②を載せます。
わたしには、背景が分かると古典作品がさらにおもしろく感じられました。
中高生の頃に出合いたかった本です。
約20年前に出版された本ですが、今要約を読み直しても、
古典についての本だけに古さは全く感じません。
今日11月11日は、浜松市・市教委・健全育成会連絡協議会の
「ひとりひとりにいい声掛けデ-」。声掛け活動をします。
もともとは静岡県・県教委の呼びかけで始まったのですが、
「地域の子供は、地域で見守り育てる」意識を高めるため、
大人が青少年へ声を掛けるきっかけにしようというのです。
よい運動だなと感じています。
たった一日ですが、それが何日に増えるのか…
<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆大村はまさんはこんなことを ⑱-『灯し続けることば』大村はま 小学館 2004年 (5)
◇優劣のかなたで、学びひたる体験をさせたいのです
教材がその子に合った適切なもので、そして指導もまた適切な場合、一人一人の子が自
分の力いっぱいに読み、調べ、学びます。
ほかの子どもと比べて、できるとかできないとかがまったく頭に浮かばないところに、
しばし身を置いているのです。
それは、ほんのひとときで、また下品なことを考えたり、つまらないことにくよくよし
たりするところに戻ってしまうでしょう。
けれども、たとえひとときであっても、そういう世界から離れた体験をさせることの値
打ちは大きいと思います。
誰より優れているとか劣っているとか考えるのは、一種のゆるみです。
そんな優劣を超えた、いわば優劣のかなたで自分の学習にひたることが大切なのです。
そこでこそ子どもは成長し、その実感と喜びを知るのだと思います。
教師のほうにそれだけの実力がいります。
その子のすぐれた力をはるかに上回る幅や高さがなければ、夢中にさせられないのです。
「優も劣も」といったときに、どうも教室では「劣」のほうに重みがかかってしまい、
その子たちの面倒を見ることで教師が満足して、「優」の子を退屈させてしまうことが多
いようです。
それが教室の魅力を失わせているのです。
◇仕事がたとえ実を結ばなくとも…
あるとき、新聞に梅の花についての記事が載りました。
梅の花は他の木から花粉をもらわないと、花は咲いても実を結ばないと書いてありまし
た。
やがて梅の季節になりました。
私の住んでいたところの門の左右に白梅と紅梅の木があったのですが、ひょっと見まし
たら、白い梅がたった一輪、咲いていました。
何とも言えない、いい香りで、私は「たった一輪、友達もいないのに咲いているんだな」
と思いました。
この花は、他から花粉をもらえなくて実を結ばないのだろうな、でも、早春のすがす
がしい朝の喜びと、すばらしい香りを私に与えてくれたのだから、この美しさは変わらな
いのだなと思いました。
人の仕事もそういうことがあるのかもしれません。
一生懸命やった仕事がたとえ実を結ばなくとも、咲く美しさだけ、仕事をしたことが値
打ち、というものもあると言えるのではないでしょうか。
☆「三日でわかる古典文学」 大橋敦夫・西山秀人 ダイヤモンド社 2000年 ②【再掲載 2015.3】
<出版社の案内>
古事記、源氏物語、枕草子など30以上の古典文学作品の常識と基礎を図解で解説。教科
書ではわからない面白さ!
無数の作品群を誇る日本の文学史の中から、近・現代の文学作品とのつながりを考慮して
作品を選別。通史的展望と新たな視座を持ち、古典文学の基本と常識を解説する次世代型
の入門書。
◇日本書紀
□日本国と天皇を外国に紹介する日本初の公式歴史書
「日本」という国名の始まりは?
太子のころ国内「やまと」
外交
「倭」=「背の低い人」の意
□689年飛鳥浄御原令でやまと=「日本」に
「日本書紀」撰上 720年 養老4年
|
「日本」 = 日神・アマテラスのお膝元の大神が守る場所の意
「古事記」と比較すると面白さ倍増
全30巻
・編年体
・様々な事件が感傷を加えることなく記述
□資料を駆使し歴史的事実を細かに表現
世界は「陰」と「陽」から始まる
中国の世界観の引用から - 古代史を詳細に
政治の陰の立て役者が編集総裁
舎人親王 紀清人実務
◇風土記
□徹底したフィールドワークから生まれた官製地誌
「地方の時代」和銅6(713)年 元明天皇の詔
現存 常陸・播磨・出雲・豊後・備前
地名の起源や古代民衆の生活が分かる
□説教話から伺える古代人のライフスタイル
古代から日本人は宴会が好きだった
宴会=うたげ
◇万葉集
□おおらかな愛情表現とドラマチックな編集
629~785年
150年間に4500首
□額田王,柿本人麻呂,山部赤人,大伴家持,高市黒人,山上憶良,高橋虫麻呂
□「古事記」の「古」と万葉集の永遠
万葉が万代か
□和歌のスタイルの基礎をつくった歌集
三部類
①相聞
②挽歌
③雑歌
□万葉四期
Ⅰ期 額田王と大海人皇子(天武)の恋
Ⅱ期 柿本人麻呂 大きなスケール
Ⅲ期 山上憶良 大伴旅人の下に仕えた
「貧窮問答の歌」
Ⅳ期 大伴家持 因幡守に左遷 758年
□大伴家
政治の敗者が文学の世界で勝利者となった
大伴家は政治の負け組
家持は旅人57歳の時の子供
大伴坂郎女が教育
「敗者のアンソロジー」
とりわけ教育に携わる者には
「人間力」がいちばん大切なんじゃないかと思います。
これはなかなか…努力だけではいかんともし難い(;^ω^)
梅の花のお話、優しく寄り添ってくれる内容ですね。
なんだか救われます(*^^*)
by ミケシマ (2021-11-11 15:42)
ミケシマさん ありがとうございます。
わたしも、実をつけることはなくても、仕事をした分だけ値打ちがあるという言葉に共感します。
今日、支援員さんが、「特別支援学級の支援員になってよかった」と話してくれました。ご自分のお子さんたちに優しくできるようになったと教えてくれました。50代になってから関わるようになった支援学級の子どもたちと過ごすようになって、妻から変わったね、人の話をよく聞くようになったと言われます。いくつになっても子どもたちから教えられます。
by ハマコウ (2021-11-11 16:48)