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小浜逸郎さんはこんなことを25-「学校縮小論と教師役割 : これからの教師像を共有するために」-『教師の現在・教職の未来 : あすの教師像を模索する』油布佐和子編 教育出版より 1999年 より (1) /「12歳からの映画ガイド」佐藤忠男 小学館 2007年 ①(上)【再掲載 2016.1】 [読書記録 教育]

今回は、2月21日に続いて、
「小浜逸郎さんはこんなことを」25回目、
『教師の現在・教職の未来 : あすの教師像を模索する』より
「学校縮小論と教師役割」1回目の紹介です。




『教師の現在・教職の未来 : あすの教師像を模索する』の出版社の案内には


「変化しつつある社会の中で、教育の現状と意義を考察する。5では制度的な制約のなか
 で多様な役割を求められる現代の教師の現実を検証し、未来の教師像はいかにあるべき
 かを様々な視点から模索する。」

とあります。


執筆者も豊かです。
・教師の「がんばり」は教育を救えるか / 油布佐和子
・疲弊する教師たち : 多忙化と「荒れ」のなかで / 松浦善満
・教師のライフサイクルにおける危機 : 中堅教師の憂鬱 / 紅林伸幸
・教師集団の解体と再編 : 教師の「協働」を考える / 油布佐和子
・教師は子供に向き合えるか : 教育相談の観点から / 石川憲彦
・教師は多文化時代に対応できるか : 教師の意識を問う / 恒吉僚子
・「指導の文化」と教育改革のゆくえ / 酒井朗
・教師は何を期待されてきたか : 教師役割の変化を追う / 油布佐和子
・学校縮小論と教師役割 : これからの教師像を共有するために / 小浜逸郎
・問われる教育の公共性と教師の役割 : 教育改革のゆくえ / 藤田英典
・教師としてできること / 油布佐和子 [執筆]

もう一度、全体を通して読みます。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「教育改革は教師の苦しみを軽減することを第一義とすべき」
- 現在、教員の労働環境の厳しさが広く知られるようになり、
 教職志望者の減少ぶりが報道されるようになっています。
 10年後を考えると悲しくなってしまいます。
 

・「思い切って義務教育機能を縮小すべき。古いシステムに託すべきではない。」


・「学校教師は、常に見えない主体からの権力のエージェントなのであって、し
  かも、一人一人の人間(子供)に対する全面的権力代行者ではなく、部分的
な権力代行者であるという本質を持っている。
  国家と家庭という二つの相異なる社会的実体からの委託」


・「因果関係が分からない。委託内容が抽象的で曖昧であるにも関わらず、逆に
子供の生活を長期間拘束する(委託事実ははっきりしている)。」


小浜逸郎さんが、課題の大元をはっきり示してくれます。





もう一つ、再掲載となりますが、佐藤忠男さんの
「12歳からの映画ガイド」①を載せます。
映画評論家として知られる佐藤忠男さんの青少年向けガイドです。
見たことのない映画も多数あり、ドキッとしました。






<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。









☆小浜逸郎さんはこんなことを25-「学校縮小論と教師役割 : これからの教師像を共有するために」-『教師の現在・教職の未来 : あすの教師像を模索する』油布佐和子編 教育出版 1999年 より (1)

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◇義務教育縮小論の根拠

 1997.7『子供は親が教育しろ!』(草思社)

Ⅰ 改革動機の原則を

  ① 苦しんでいる人が多い

  ② 無駄が多い

  ③ 時代に合わない


Ⅱ 教育改革は教師の苦しみを軽減することを第一義とすべき


Ⅲ 教師がシステムのタテマエと子供のホンネとの間で苦しんでいる


Ⅳ 思い切って義務教育機能を縮小すべき



  ◎ 古いシステムに託すべきではない



◇学校教師の社会的位置

□現代の社会権力の性格

 学校教師の社会的存在
   - 社会了解の構造

◎「相互委託」-「役割期待」医者と患者

    ◎「委託」された社会権力としての教師


□公教育の教師

 = 近代社会の成人成員として必要であるとされている知識や人格的資質を
  子供に植え付けるために、多くの他人の子供の生活の一部を一定期間拘束
  する機能を「委託」された職業である

 ◎委託者はある理念的な「社会力」とでもいったもの

          ∥

 ◎ 学校教師は、常に見えない主体からの権力のエージェントなのであって、
  しかも、一人一人の人間(子供)に対する全面的権力代行者ではなく、部分
  的な権力代行者であるという本質を持っている。

 ※ 国家と家庭という二つの相異なる社会的実体からの委託



 ◎教師は社会的委託の「管理者」としてそのように振る舞わざるを得ない存在


◇教師「委託」の特色

 ① 委託の実体的な主体が国家と家庭という全く立場の異なる二者に分かれて
  いる

→ 国家(一般的人材養成)・家庭(個別的人材養成)の調整

  = 教師の部分代行性

   ◎ 権力の委託性と部分性

→ 非自明性と曖昧性


 ② 二つの委託主体のうち直接的な契約者が国家に一方的に偏っている

  → 国家が給料を支払っている
 しかし職分は「子供たち」を相手にする

    ∥

   ◎ 公共的な眼差しの質的な限界


 ③ 委託した主体と、その委託業務(教育サービス)を直接受ける主体
(=子供)とが異なっている

  → ◎委託者-国家・家庭であるのに、内容受け取りの主体は子供



   ◎ 委託された活動が対立関係を生みやすい


 ④ 委託期間が連続的で非常に長期に渡る

  → ※ 委託者  - その仕事に対する無理解をもたらしやすい

    ※ 被委託者 - 仕事の成果に対するいい加減さをもたらしやすい

        ∥

   ◎ 因果関係が分からない

   ◎ 委託内容が抽象的で曖昧であるにも関わらず、逆に子供の生活を長期
    間拘束する(委託事実ははっきりしている)







☆「12歳からの映画ガイド」佐藤忠男 小学館 2007年 ①(上)【再掲載 2016.1】

<出版社の案内>
佐藤忠男氏が若い人のために映画を厳選紹介
映画評論界の重鎮・佐藤忠男氏が、若い人のために50本の映画を厳選し、そ
の素晴らしい見所、感銘する言葉、音楽、ストーリー等を熱く語る。さらに
その50本と関連する映画150本についても簡単に紹介しいく。
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◇自然,冒険,魔法

  「子鹿物語」1947 アメリカ     


  「平成狸合戦ぽんぽこ」1994 日本


「グリーンマイル」1999 アメリカ


「惑星ソラリス」1972 ソ連


「日本沈没」1973 日本      


  「となりのトトロ」1988 日本


「雨月物語」1973 日本        


  「怪談」1964 日本


「楢山節考」1983 日本






◇笑い,暮らし,将来,人生

「トキワ荘の青春」1966 日本 


  「父ありき」1942 日本


「ココニイルコト」2001 日本    

 
  「雨に唄えば」1952 アメリカ


「サウンド・オブ・ミュージック」1965 アメリカ


  「マダムと泥棒」1955 イギリス


  「ブワナ・トシの歌」1965 日本    


  「キーン将軍」1926 アメリカ


  「ロッキー」1976 アメリカ     


  「どついたるねん」1989 日本


「おこんじょうるり」1982 日本   


  「チコタン」


「奇跡の人」1962 アメリカ    


  「典子は今」1981 日本


  「素晴らしき哉,人生」1946 アメリカ 


  「有りがたうさん」1936 日本


  「ふたり」1991 日本


  「転校生」82


  「時をかける少女」83 


  「さびしんぼう」85


「風の歌が聴きたい」1999 日本   


  「息子」1991 日本


  「ニュー・シネマ・パラダイス」1989 イタリア・フランス


  「座頭市物語」1962 日本


  「シェーン」1953 アメリカ     


  「ダンス・ウィズ・ウルブス」1990 アメリカ


「七人の侍」1954 日本     


  「大いなる西部」1958 アメリカ


  「少年時代」1990 日本        


  「けんかえれじい」1966 日本


  「アンネの日記」1959 アメリカ  


  「パサジェルカ」1963 ポーランド


  「遙かなる帰郷」1966 伊仏独    


  「生きる」1952 日本


「炎のランナー」1981 イギリス  


  「ここに泉あり」1955 日本


  「古井戸」1987 中国


「恋は七五三」2004 日本


  「エデンの東」1954 アメリカ    


  「男はつらいよ柴又慕情」1972 日本


  「陽の当たる坂道」1958 日本


  「にんじん」1932 フランス


  「路傍の石」1938 日本        


  「学校」1993 日本


  「あの子を探して」1999 中国・アメリカ


  「東京物語」1953 日本


  「お早よう」1959 日本        


  「鉄道員」1956 イタリア


「怒りの葡萄」1940 アメリカ     


  「おばあちゃんの家」2002 韓国


  「ふるさと」1983 日本

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tyuuri

 「七人の侍」1954は、「アメリカ」では無くて「日本」の書き違えでは無いでしょうか?黒澤明監督の傑作です。その後、「荒野の七人」として1960年にアメリカでリメイクされました。
 懐かしい映画の題名が並んでいますね。佐藤忠男さんは、ご存命で91歳だそうです。さっそく、ご紹介の本をアマゾンで中古で見つけ注文しました。1円でした。
 映画は近年あまり観ていません。スピルバーグの「ウエスト サイド ストーリー」は映画館で観てみたいな。
by tyuuri (2022-03-03 21:03) 

ハマコウ

tyuuriさん ありがとうございます。
ご指摘通り、「七人の侍」はアメリカでなく日本です。
確認不足でした。
佐藤忠夫さんのこの本、子ども向けの本なのですが、わたしには大きな助けになりました。最近の映画も良いのですが、昔のものを知ることができました。
新しい「ウエスト サイド ストーリー」も楽しそうですね。
by ハマコウ (2022-03-03 21:32) 

tyuuri

 ご紹介頂きました佐藤忠男さんの『12歳からの映画ガイド』が昨日届きました。
 私の好きな小川洋子さんの『博士の愛した数式』にわざわぜルビを振って「はくし」となっていました。でもこれは「はかせ」と言うべきです。映画にもなっていますので、もう一度観てみますが、博士号は「はくしごう」ですが、小説の流れからは「はかせ」と言うのが妥当だと思います。
 小説は英訳もされていて表題は"The Housekeeper and the Professor"となっています。昨日見つけたのでさっそく注文しました。届いて読むのが楽しみです。
by tyuuri (2022-03-09 06:58) 

ハマコウ

tyuuri さん ありがとうございます。
『博士の愛した数式』はよく紹介されますが、「はかせ」の読み方が一般的だとわたしも思います。英訳本を読まれるとのこと、充実しそうですね。
『12歳からの映画ガイド』はこれから見る楽しみと、観たものを振り返る楽しみを与えてくれるようにわたしは感じました。
by ハマコウ (2022-03-09 16:20) 

tyuuri

 今更ですが、単行本『博士の愛した数式』の奥付を見ると、「はかせのあいしたすうしき」とルビがふってありました。
 "The Housekeeper and the Professor"は昨日届きましたが、話の核心となるオイラーの公式にイコールが抜けているのにはビックリ(3カ所中2カ所)。これでは何のことか分かりません。訳された方は外国の方ですが、あまり数学のことはご存じなかったようです。

by tyuuri (2022-03-12 10:01) 

ハマコウ

tyuuri さん ありがとうございます。
翻訳するには、内容のことも理解していることが大切だと分かります。
by ハマコウ (2022-03-12 13:07) 

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