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「新時代の教育をどう構想するのか」藤田英典 岩波ブックレット№533 2001年 ⑩ / 山本夏彦さんはこんなことを②-「世は〆切」文藝春秋 1996年【再掲載 2018.1】 [読書記録 教育]

今回は、3月7日に続いて、藤田英典さんの
「新時代の教育をどう構想するのか」の紹介 10回目です。



- 会議の議論の偏り
多くの委員が先入観にとらわれ聞く耳を持ち合わせていなかった
  姿勢、責任感の問題
  国民会議の無責任と想像力の貧困
「床屋談義」「居酒屋談義」のようなもの


現在、都留文科大学学長の藤田英典さんが、当時参加していた「教育改革国
民会議」の内容、それについての考えを表したリーフレットです。
広く国民に大きく関わる「教育」について話し合う場が、首相の私的諮問機
関でなければならなかったのか。「各界」は限られたものではなかったのか。
大きな疑問を改めてもちました。





出版社の案内には、


「首相の私的諮問機関として各界の識者を集め、集中的な討議をへて発表さ
 れた教改革国民会議の報告は、教育基本法の見直し・奉仕活動の必要性な
 ど、大きな関心を呼び、今後の政策に反映必至の重大な提案を含んでいた。
 委員として参加・発言した教育学者が提案内容を検証・批判しながら『い
 ま本当に必要な教育改革とは』を訴える。」


とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は、

・「(改正前の教育基本法は)古くても内容が不適切でない限り改正は不要。
  現行法の理念は時代遅れの不適切なものというよりも、むしろ時代を先
取りしていると言える。」


・「(教育)基本法に郷土・国家・民族等を書き込むことは基本法の性格を変
えることになる。具体的な教育内容にまで踏み込んだものではない。」


・「教育の基本は普遍的なものである。しかし、正当な理由があれば改正も
必要となるが、現在の論調はよい方向ではない。」


・「日本の教育をエリート主義的で差別的なものに再編し子どもの生活をま
すます歪んだものにしていく可能性が高い。」





もう一つ、再掲載となりますが、わたしの読書ノートから
「山本夏彦さんはこんなことを」②を載せます。
夏彦節を懐かしく感じました。





<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
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☆「新時代の教育をどう構想するのか」藤田英典 岩波ブックレット№533 2001年 ⑩

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(1)教育基本法改正論について 
 
◇国民会議・改正の理由

① 現在の基本法は占領下で制定されたものであり、現代の社会状況や教育課
 題に対して十分なものではない。新しい時代にふさわしい独自の基本法を作
 るべき。


→ 【筆者の意見】
 ◎ 古くても内容が不適切でない限り改正は不要。現行法の理念は時代遅れ
  の不適切なものというよりも、むしろ時代を先取りしていると言える。




② 郷土・国家・民族の伝統・文化に対する誇りの育成、宗教的情操の涵養な
 ど、国民教育としての重要な側面が盛り込まれていない。家庭教育の重要性
 が盛り込まれていない。


→ 【筆者の意見】
 ◎ 現行法は必要な内容を簡潔かつ適切に盛り込んでいる。また、他の教育
  関連法に優越する本法としての性格が明記されている(11条)と同時に、
  この本法の下に各種の法律を後法として制定すべき事を明記している。




③ 現行法10条(教育行政)の「教育は不当な支配に服することなく」行わ
 れるべきだという規定が、文部行政や校長の指導に反対するための根拠とし
 て一部の集団によって濫用されている。


→ 【筆者の意見】
 ◎ 基本法に郷土・国家・民族等を書き込むことは基本法の性格を変えるこ
  とになる。具体的な教育内容にまで踏み込んだものではない。




④ 教育基本法以外にも種種の基本法があるが、その多くが基本計画の策定や
 財政措置等について規定しているのに対して、教育基本法にはその規定がな
 い。


→ 【筆者の意見】
 ◎ 不当に濫用している勢力は早晩人々の支持を得られなくなる。公教育と
  して行われる以上、国を含めて「不当な支配」を行使してよいというもの
  ではない。


 ※ 教育の基本は普遍的なもの。
しかし、正当な理由があれば改正も必要。
   現在の論調はよい方向ではない。


 



(2)奉仕活動の義務化について

◇一律強制的な方式と「共同生活」に反対

 理由
 ① 自発的なものであるべき


 ② 目的や意図と結果がずれやすい


 ③ 子ども評価と結びつくおそれがある


 ④ 共同生活による様々なトラブルが予想される。

教師・担当者の苦労の増大


⑤ 受け入れ先


 ⑥ 授業時間の削減に合っていない


 ⑦ 課外活動が減少するおそれがある


 ⑧ もっと多様性を重視すべき
 





(3)強者の論理によるシステム改革論

◇強い反対 

 ① 学校選択制の促進                               

 ② 中高一貫教育の大幅拡大 
       

 ③ 学校の外部評価とその公表


  
 ◎ 日本の教育をエリート主義的で差別的なものに再編し子どもの生活を
  ますます歪んだものにしていく可能性が高い
 


◇会議の議論の偏り
 
 ◎ 多くの委員が先入観にとらわれ聞く耳を持ち合わせていなかった


    
 ◎ 姿勢、責任感の問題

  = 国民会議の無責任と想像力の貧困
※「床屋談義」「居酒屋談義」のようなもの









☆山本夏彦さんはこんなことを②-「世は〆切」文藝春秋 1996年【再掲載 2018.1】
 
<出版社の案内>
知己の死を悼んでの切々たる数篇をふくむ、お馴染み夏彦流エッセイ。
「人ノ患イハ好ンデ人ノ師トナルニアリ」他人に教えたがる人間性を皮
肉った「教師ぎらい」等、辛辣でユーモア溢れる、久々の夏彦節。
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◇大正デモクラシー

□口語文 
  文語文には美がある

口語は詩の言葉にならない


□誦すべき詩歌を持たない国民になった



◇流行  

□不器量な人がそうでなくなる方法
 = 内なるものを増やす
  外にあふれる・光り輝く


□ミニの流行以後全盛はない
  = 貧乏がいなくなったから



◇むらぎも 

□旧歌  詩歌


□日本の英雄・豪傑 を若者はほとんど知らない
 = 文部省と日教組



◇教師嫌い 
 いかなる人もその資格がないのに人の師になる危険を内に蔵している

 = 「人ノ患イハ好ミテ人ノ師トナルニアリ」



◇戦後  

□戦前真っ暗史観 昭和6年~昭和15年 

 真っ暗は嘘

 満州事変で好景気
   … 国民は歓迎した

 ◎真っ暗は昭和19年からの一年間



◇脱亜入欧 

□福沢諭吉「脱亜入欧」
 すべての間違いのもと



◇法人に 
 ◎マスコミは多い方に迎合する → 怒ったふり

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