「寝学塾・絶望名言 太宰治 - 待つ身が辛いかね、待たせる身が辛いかね。太宰治」頭木弘樹 『月刊 ラジオ深夜便』2021.4 /東井義雄さんの言葉⑧【再掲載 2012.4】 [読書記録 一般]
今回は、『月刊ラジオ深夜便』より頭木弘樹さんの
「寝学塾・絶望名言 太宰治」を紹介します。
ラジオ深夜便放送の内容を、
読みやすい文章にまとめてくれた月刊誌が好きで、
毎月届けてもらっています。
『月刊誌 ラジオ深夜便』のサイトには、
「放送とリスナーをつなぐ月刊誌」と記されています。
https://radio.nhk-sc.or.jp/
もう一つ、再掲載となりますが、
日本のペスタロッチとも呼ばれることもあった東井義雄さんの
「東井義雄さんの言葉⑧」を載せます。
出典が何かは不明ですが、
わたしにはなるほどと思うことばかりです。
「古い」の言葉で片付けられてしまうのでしょうか。
<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆「寝学塾・絶望名言 太宰治 - 待つ身が辛いかね、待たせる身が辛いかね。太宰治」頭木弘樹 『月刊 ラジオ深夜便』2021.4
◇太宰は「戻らないメロス」 だった
太宰治に『走れメロス』という短編があります。
実はそれとよく似た出来事が、作家・檀一雄との間に起きてい
ました。
仲の良い友人であった二人は、あるときすっかり熱海で遊びほ
うけて、支払いが滞ってしまいます。
そこで太宰は檀を残して、ひとり東京に金を借りに行くのです
が、約束の日になっても戻りませんでした。
困った檀は東京に探しに行きます。
するとなんと、井伏鱒二宅で将棋を指しているではありません
か。
「何だ、君。あんまりじやないか」
怒った檀に太宰が答えます。
「待つ身が辛いかね、待たせる身が辛いかね」
待たせるほうだって辛いのだというわけですが、いわば太宰は
「戻らないメロス」だったのです。
このいきさつは、檀が『小説太宰治』に書いています。
そんな迷惑をかける人とは早々に縁を切ればいいのに…。
最近は特にこういう考え方の人が増えているように思うのです
が、私はそうは思いません。
□ワクチン友達のすすめ
エアコンが発達して、私たちは少々の温度変化でもすぐに「暑
い」「寒い」と不快を覚えるようになりました。
適温温度帯というようなものが、狭くなっているのではないで
しょうか。
これが、人間関係とも似たところがあるように思うのです。
自分にとって快適な人とばかりつきあっていると快適人間帯み
たいなものが狭くなり、ちょっとしたことで不快を感じるのでは
ないでしょうか。
日頃から少し不快な人ともつきあっていれば、それが防げるの
ではないか。
これが、私の「ワクチン友達のすすめ」なのです。
ワクチンとは、単純に一言ってしまうと、弱めた病原体を体内
に投与して抗体を作り、強い病原体に耐えられるよぅにするもの
です。
困った友達と、ふだんからつきあっていれば、より困った人に
出会っても、傷つきにくく、耐えられるよぅになるかもしれませ
ん。
もちろん友達ですから本当に病気になってしまうような人に
は近づかないほうがいいですね。
とにかく、快適な人にばかり囲まれようとするのは、無菌室で
生活するようなもので危険なことです。
檀一雄が太宰治とつきあい続けたように、困った友人でも怒り
ながらつきあっていくほうが、人生全体としてはいろいろな人と
会えるのではないかと、私はそんなふうに思います。
実際、檀はずいぶん他の人に迷惑をかけていましたし、太宰は
中原中也にひどい目に遭わされていました。
上には上がいるのですね。
「絶望名言ミニ(2018年12月12日放送)より
☆東井義雄さんの言葉⑧【再掲載 2012.4】
◇身体で書くということ
□文は身体で書くもの
生活綴り方の精神
= 文は生活をぶつけて書くもの・文は身体で書くもの
↓
▲ 小手先の技術に
◎ 技術は技巧ではない。もっと主体的なもの。
□詳しくということ
1「もっと詳しく書きなさい」
折角頑張っていることを見ようともしないで書き付けた指導
2 表れているところだけがすべてではない
○佐古田好一校長「母親教室二十一夜」
子どもの舌足らずの表現のそこに隠れているものを誰の目
にも見え表現の世界に表していくこと
↓
※ ないものに何かを付けて詳しくするのではない。あるには
あるのだが,沈み,隠れているもの見えないものを見える世
界に浮かべていく仕事,それこそが「詳しく書く」というこ
と
3 無意識の意識化
「値打ち」の意識化・自覚化
◇段落指導をめぐって
□段落意識と相手意識
様々に相手を意識することが段落を生み出し,段落意識を練
り鍛える
□思考の論理的修練と段落の形成
□身体で書かせるための指導
書く必然を組織する
→ どんな場でもごまかさずに真実を書く
人間を鍛える
→ 問題を自分の問題として取り組むような教室にしたい
◇読解指導
① 子どもからスタートすることの大切さ
本当の力は外から与えることはできない
② 読みの意欲を大事にすることの大切さ
③ ひとり調べの意義と集団思考の意義
「三人寄れば文殊の知恵」
④ 見直されなければならない学習帳の役割
◇板書技術
① 板書を見直す
② 与えるねらいと板書
まちがえを子どもが書く場を
③ 板書でどう子どもの発言を取り上げていくか
④ 分け合う黒板・練習黒板
一通り読ませる
自由読み
~ 分からない字・難しい字を自由に板書
↑
※ 黒板利用の方法を考えることによって,一人の躓きの是正
を通して,みんなの力を確かなものにすることができる。
⑤ 教師の身振り手振りの延長としての黒板
◇「話し合い」の意味するもの
□「調和」の忘却
日本 出たとこ勝負・無計画
□戦後25年の若者
よく文句を言うようになった
不平・不満の目
= 巨大尊大な「自我」
いうことを聞かない
○衝動 → 思考 → 行動
(思考が省かれることが多くなった)
○力のいる仕事・面倒な仕事を避けるようになった
(両方とも左手)
∥
※ 著しい「不調和」
□戦後教育の中で果たして「話し合い」は育てられたか
①討議
~ 「さみしさ」が残る
理由 = 自己主張によって成立
「バカヤロー」「ナンセンス」
↑↓
②話し合い
討議を救うもの
◎聞き合いによって成立
※ 自分を押し出すことよりも他から学ぼうとして他か
ら吸収しようとする
∥
◎ 他を活かしながら自らを耕し豊かにする
(共感を生む)
※ 戦後の授業は「話し合い」という名前でほとんど「討議」
を見せてもらった。
話し合いが回復されるなら,子どもの像も,もう少し人間
らしいものに描かれるようになる。
「寝学塾・絶望名言 太宰治」を紹介します。
ラジオ深夜便放送の内容を、
読みやすい文章にまとめてくれた月刊誌が好きで、
毎月届けてもらっています。
『月刊誌 ラジオ深夜便』のサイトには、
「放送とリスナーをつなぐ月刊誌」と記されています。
https://radio.nhk-sc.or.jp/
もう一つ、再掲載となりますが、
日本のペスタロッチとも呼ばれることもあった東井義雄さんの
「東井義雄さんの言葉⑧」を載せます。
出典が何かは不明ですが、
わたしにはなるほどと思うことばかりです。
「古い」の言葉で片付けられてしまうのでしょうか。
<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆「寝学塾・絶望名言 太宰治 - 待つ身が辛いかね、待たせる身が辛いかね。太宰治」頭木弘樹 『月刊 ラジオ深夜便』2021.4
◇太宰は「戻らないメロス」 だった
太宰治に『走れメロス』という短編があります。
実はそれとよく似た出来事が、作家・檀一雄との間に起きてい
ました。
仲の良い友人であった二人は、あるときすっかり熱海で遊びほ
うけて、支払いが滞ってしまいます。
そこで太宰は檀を残して、ひとり東京に金を借りに行くのです
が、約束の日になっても戻りませんでした。
困った檀は東京に探しに行きます。
するとなんと、井伏鱒二宅で将棋を指しているではありません
か。
「何だ、君。あんまりじやないか」
怒った檀に太宰が答えます。
「待つ身が辛いかね、待たせる身が辛いかね」
待たせるほうだって辛いのだというわけですが、いわば太宰は
「戻らないメロス」だったのです。
このいきさつは、檀が『小説太宰治』に書いています。
そんな迷惑をかける人とは早々に縁を切ればいいのに…。
最近は特にこういう考え方の人が増えているように思うのです
が、私はそうは思いません。
□ワクチン友達のすすめ
エアコンが発達して、私たちは少々の温度変化でもすぐに「暑
い」「寒い」と不快を覚えるようになりました。
適温温度帯というようなものが、狭くなっているのではないで
しょうか。
これが、人間関係とも似たところがあるように思うのです。
自分にとって快適な人とばかりつきあっていると快適人間帯み
たいなものが狭くなり、ちょっとしたことで不快を感じるのでは
ないでしょうか。
日頃から少し不快な人ともつきあっていれば、それが防げるの
ではないか。
これが、私の「ワクチン友達のすすめ」なのです。
ワクチンとは、単純に一言ってしまうと、弱めた病原体を体内
に投与して抗体を作り、強い病原体に耐えられるよぅにするもの
です。
困った友達と、ふだんからつきあっていれば、より困った人に
出会っても、傷つきにくく、耐えられるよぅになるかもしれませ
ん。
もちろん友達ですから本当に病気になってしまうような人に
は近づかないほうがいいですね。
とにかく、快適な人にばかり囲まれようとするのは、無菌室で
生活するようなもので危険なことです。
檀一雄が太宰治とつきあい続けたように、困った友人でも怒り
ながらつきあっていくほうが、人生全体としてはいろいろな人と
会えるのではないかと、私はそんなふうに思います。
実際、檀はずいぶん他の人に迷惑をかけていましたし、太宰は
中原中也にひどい目に遭わされていました。
上には上がいるのですね。
「絶望名言ミニ(2018年12月12日放送)より
☆東井義雄さんの言葉⑧【再掲載 2012.4】
◇身体で書くということ
□文は身体で書くもの
生活綴り方の精神
= 文は生活をぶつけて書くもの・文は身体で書くもの
↓
▲ 小手先の技術に
◎ 技術は技巧ではない。もっと主体的なもの。
□詳しくということ
1「もっと詳しく書きなさい」
折角頑張っていることを見ようともしないで書き付けた指導
2 表れているところだけがすべてではない
○佐古田好一校長「母親教室二十一夜」
子どもの舌足らずの表現のそこに隠れているものを誰の目
にも見え表現の世界に表していくこと
↓
※ ないものに何かを付けて詳しくするのではない。あるには
あるのだが,沈み,隠れているもの見えないものを見える世
界に浮かべていく仕事,それこそが「詳しく書く」というこ
と
3 無意識の意識化
「値打ち」の意識化・自覚化
◇段落指導をめぐって
□段落意識と相手意識
様々に相手を意識することが段落を生み出し,段落意識を練
り鍛える
□思考の論理的修練と段落の形成
□身体で書かせるための指導
書く必然を組織する
→ どんな場でもごまかさずに真実を書く
人間を鍛える
→ 問題を自分の問題として取り組むような教室にしたい
◇読解指導
① 子どもからスタートすることの大切さ
本当の力は外から与えることはできない
② 読みの意欲を大事にすることの大切さ
③ ひとり調べの意義と集団思考の意義
「三人寄れば文殊の知恵」
④ 見直されなければならない学習帳の役割
◇板書技術
① 板書を見直す
② 与えるねらいと板書
まちがえを子どもが書く場を
③ 板書でどう子どもの発言を取り上げていくか
④ 分け合う黒板・練習黒板
一通り読ませる
自由読み
~ 分からない字・難しい字を自由に板書
↑
※ 黒板利用の方法を考えることによって,一人の躓きの是正
を通して,みんなの力を確かなものにすることができる。
⑤ 教師の身振り手振りの延長としての黒板
◇「話し合い」の意味するもの
□「調和」の忘却
日本 出たとこ勝負・無計画
□戦後25年の若者
よく文句を言うようになった
不平・不満の目
= 巨大尊大な「自我」
いうことを聞かない
○衝動 → 思考 → 行動
(思考が省かれることが多くなった)
○力のいる仕事・面倒な仕事を避けるようになった
(両方とも左手)
∥
※ 著しい「不調和」
□戦後教育の中で果たして「話し合い」は育てられたか
①討議
~ 「さみしさ」が残る
理由 = 自己主張によって成立
「バカヤロー」「ナンセンス」
↑↓
②話し合い
討議を救うもの
◎聞き合いによって成立
※ 自分を押し出すことよりも他から学ぼうとして他か
ら吸収しようとする
∥
◎ 他を活かしながら自らを耕し豊かにする
(共感を生む)
※ 戦後の授業は「話し合い」という名前でほとんど「討議」
を見せてもらった。
話し合いが回復されるなら,子どもの像も,もう少し人間
らしいものに描かれるようになる。
ハマコウさん こんにちは
たくさんの教訓が詰まった月刊誌なのですね。最近は名言に接する機会が無くなっていましたが、久しぶりに頭の活性化をさせていただきました。
by SORI (2022-04-28 17:04)
SORIさん ありがとうございます。
ラジオ深夜便の放送をまとめた雑誌です。
興味をもっていることを聞き逃すことがあるのですが、
それをサポートしてくれます。
「絶望名言」は4時台「明日へのことば」の人気コーナーなのですが、
著名人の意外な面を知ることができ、楽しんでいます。
by ハマコウ (2022-04-28 21:19)