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石井式漢字学習 石井勲 (『致知』2003年12月号より) ① /「日本の名句名言」増原良彦 講談社現代新書 1988年 ②【再掲載 2014.4】 [読書記録 教育]

今回は、月刊誌『致知』2003年12月号より、石井勲さんの
「石井式漢字学習」の紹介 1回目です。


『致知』での対談ですが、
石井式漢字学習法の一端が分かります。


もう一つ、再掲載となりますが、増原良彦さんの
「日本の名句名言」②を載せます。
増原良彦さんとは、今月亡くなられたひろさちやさんの本名です。
ご冥福をお祈りします。





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☆石井式漢字学習 石井勲 (『致知』2003年12月号より) ①

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◎ 深刻な読書離れの根底にある日本語力の著しい低下。なぜ国民の
 日本語力はかくも低下してきたのか。
  漢字教育を通じて教育改革に取り組んできた石井氏と、戦後教育
 の問屋点を鈍く指摘し続けてきた小堀氏に、歴史を振り返り、また
 各々の体験を交えながら、日本語力低下の要因と、復活の条件につ
 いてお話し合いいただいた。



◇石井勲(NPO法人日本漢字教育振興協会会長)

 いしい・いさお 大正8年山梨県生まれ。昭和17年大東文化学院
本科・高等科卒業。26年全日本国語教育協議会全国大会で漢字教育
の重要性を発表。28年新宿区立淀橋第一小学校で研究を始める。43
年幼年国語協会発足。48年石井教育研究所を設立。平成元年第37回
菊池寛賞受賞。6年日本漢字教育振興協会会長就任、現在に至る。
『幼児はみな天才』『漢字興国論』『幼児は漢字で天才になる』『日本
語塾』など、漢字教育に関する多数の著書がある。



◇小堀桂一郎(東京大学名誉教授)

こぼり・けいいちろう 昭和8年東京都生まれ。33年東京大学文
学部独文科を卒業。43年博士課程修了。この間にドイツ留学し、43
年東京大学助教授。60年同教授。専門は比較文学、比較文化。平成
6年退官し、明星大学教授。傍ら、日本を守る国民会議編纂の「新
編日本史」の編纂監修に参加するなど、改憲派文化人として活発な
活動を続ける。著書に『若き日の森鴎外』『古典の知恵袋』『宰相鈴
木貫太郎』『さらば東京裁判史観』他多数がある。



◇『日本語力を復活させよ』

小堀 
  日本の教育は、戦後始まった国語破壊政策を端緒として、以後
 半世紀余り年々崩壊の一路をたどってきました。

  しかしここへきて、これをなんとかして回復しようという動き
 が出てきましたね。

  少々遅きに失した感はありますが。


石井 
  やっぱり二宮尊徳翁がおっしゃっているように、陰が極まらな
 いと、陽が生じないんですよ。悪くなりきらないとわからない。

  やっとこの頃わかる人が若い世代の中から出てきたのを見て、
 ようやく陰極まって陽が生じ始めたなあと私も思っているんです。


小堀 
  これから改善・解決していかなければならない制度的な問題は
 たくさんありますが、幸いどうやって回復すればよいかという道
 はすでに見えています。

  これには、長年漢字教育に取り組んでこられた石井先生のご功
 績が非常に大きいと思うのですが、ご活動をお始めになって、も
 う半世紀以上になりますね。


石井 

  はい。日本の教育は根本から間違っていることに気づいて、そ
 れを言いだしたのが私が31歳の時でしたから、53年前です。

  その後幼児教育に取り組むようになったのが35年前です。

  いまの教育問題の根本には、冒頭におっしゃった国語破壊と、
 それに伴う読書離れがありますが、その要因として、やはり戦後
 国語審議会が、敗戦を機に新仮名遣いというものを作って、漢字
 をだんだんとなくしていこうという戦略を立てた。

  それを国民が見過ごしてしまったということが、一番の原因で
 あると思うんです。


小堀 
  その通りだと思います。


石井 
  これは、表記と実際の発音とのズレをなくしていこうという動
 きなんですが、似たような現象は世界中にありましてね。

  どの国の言語学者も、このズレを不合理だとして、表音通りに
 変えてしまおうというんです。

  ところが、そのたびにみんなから総スカンをくらってきた。

  フランスでも戦後同じようなことがありましてね、ものすごい
 非難攻撃を浴びて、すぐに引っ込めたと。

  私の知る限りでは、フランス語ぐらい表記と発音がズレている
 国語はないと思うんです。

  そこでさえもそういう情勢なのに、そのズレが一番少なくて、
 ほとんど問題にならないような日本で、学者が同じようなことを
 言いだして、しかも国民が素直にそれに従ってしまったんですね。


小堀 
  これはドイツ語でも同じでございましてね。

  ドイツ語の綴りは西洋近代語の中では比較的発音と綴りが一致
 しているほうなのですが、やはり現代の発音と一致させろという
 表音派の運動が以前からあって、そのたびに、語源を示している
 古い綴りを保存 することが大事なのだという保守派の意見で押
 し返してきたのです。
   
  ところが最近になって、ついに表音派が勝ちを占めて、ドイツ
 語の綴りが大きく変わっていく気配なのです。

  一番わかりやすい例として、電話は、teiephonとギリシャ語由
 来の″ph″が使われています。

  ところが発音からすれば、″f″と同じだから″f″で綴るべ
 きだという意見があって、それがついに大勢を占めるようになっ
 た。
 
  心ある人は非常に憂慮しておりますけれども、日本とよく似た事
 情になっております。










☆「日本の名句名言」増原良彦 講談社現代新書 1988年 ②【再掲載 2014.4】

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◇「朝には紅顔ありて…」蓮如『御ふみ』

◎「朝には紅顔ありて夕には白骨となれる身なり」


□蓮如(1415~1499)浄土真宗本願寺中興の祖
門徒教化のため消息(手紙)形式の法語 ~ 教徒拡大
消息文を集めたものが「御ふみ」「御文」「御文章」

◎ 白骨の御文章
  

□原拠は『和漢朗詠集』

原詩 藤原義孝
 「朝には紅顔あって世路に誇るといへども暮には白骨となって郊原
  に朽ちぬ」


□この世は無常 無常の世においては無常のできごとが続く

  人間のはかなきことは、老少不定のさかひ(境地)なれば、たれ
 の人も、はやく後生の一大事を心にかけて、阿弥陀仏をふかくたの
 みまいらせて、念仏もうすべきものなり



◇「つひにゆく道とはかねて聞きしかどきのふけふとは思はざりしを」在原業平

□エピクロス(前341~271)快楽主義

 心境の平静こそが「快」

 = 隠れて生きよ


□在原業平(825~880)

◎「つひにゆく道とはかねて聞きしかどきのうけふとは思わざりしを」
『古今和歌集』『伊勢物語』『大和物語』にも



◇「何せうぞくすんで一期は夢よ。ただ狂へ」『閑吟集』
 
□農耕民族 
 手を掛ければ増収
 → あくせく働く


□牧畜民族 
 じっと家畜を見ていればよい
 ~ あくせくしない

 ◎「何せうぞくすんで一期は夢よ。ただ狂へ」
何になろうまじめくさって 一生は夢よ ひたすら遊び狂えよ 
   =新イソップ 無常の人生



◇「一期一会」 井伊直弼『茶話一会集』

□一期一会
   一生に一度の出会いのつもりで茶会を催すこと

窮屈すぎるのではないか?(筆者=増原氏)



◇「大愚良寛」

◎ 災難に逢時節には災難に逢がよく候。死ぬ時節には死ぬがよく
 候。是はこれ災難をのがるる妙法にて候。
  |
災難に逢えばどっぷりと災難に浸かればよい。
  逃れられないならそうするほか仕方がない。

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コメント 4

tyuuri

 漢字は簡略化しなければならないと考えます。中国ほどではなくとも。
 言語学者の田中克彦さんは『漢字が日本語をほろぼす』(2011角川SSC新書)(今は『言語学者が語る漢字文明論』講談社学術文庫2017より出版)で、表題どおりの主張を述べています。
 また、表記と発音がもっともかけ離れているのは、ドイツ語でもフランス語でもなく(両者とも綴りと発音に一定の規則があり、初心者でもある程度容易に綴りから発音を推測できます)、「英語」です。石井、小堀のお二人が英語について全く触れていないのは不思議です。最近宣伝しているNoshなど、どう考えてもノッシュだが、違う、ナッシュだと。No,Note,Novemberはノー。でも、No.ならナンバーの略ですか。いや、もういいです。
 まあ、日本語は、かな、カタ、漢字、英字が混じって、手の着けようがないですが。表記に関しては英語よりもっとひどい言語ですね。せめて漢字を増やすのだけは止めて貰いたい。あとカタカナ語も。
by tyuuri (2022-04-30 10:22) 

ハマコウ

tyuuriさん ありがとうございます。
わたしもローマ字の略語、カタカナ語の多用は何とかならないかと思ってしまいます。バランスが大切ですね。
ドリル学習で漢字を学習しても、ノートに書く際、平がなばかりになってしまう場合があり、生活に生かすためには工夫が必要でした。
「石井式」については、最近あまり耳にしなくなりましたが、やはりバランスが大切だと感じています。
by ハマコウ (2022-04-30 19:46) 

yokomi

東海林を「しょうじ」と読む...等は子供や外国人が学習する際難解ですね(>_<) そして最近流行のDX....車で言えば昔はスタンダードの上でデラックスという位置づけですが、それほど高級でも無かったような。アマチュア無線では海外局または海外局と交信することを指しますが(^_^;) マンションを本来の意味とは全く違う「高層分譲住宅」に名付けたり、そうと思えば賃貸マンション成るモノも出てきて日本で使われる言葉は乱れています。
日本の名句名言を注文しました(^_^;) 
by yokomi (2022-05-01 00:33) 

ハマコウ

yokomiさん ありがとうございます。
新年度、5学級に入っています。
授業開きの際、名前を呼び上げ確認をするのですが、
読み方が難しい名前が増えたような気がします。
各担任から名簿をもらうのですが、
よみがなのついていることが多くなっています。
「日本の名句名言」はまだ手に入れることができるのですね。
浄土真宗の葬儀の時に聞く「白骨の御文章」は心にしみます。
by ハマコウ (2022-05-01 05:39) 

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