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鷲田小彌太さんはこんなことを ①-「本はこう買えこう読めこう使え」大和書房 1996年 (1) / ふえる一方の不登校をどうとらるか(上)「決断を次回送りにのばす悪癖の背景に-分かっていて動きのとれない、という心理-」 伊藤友宣(神戸心療親子研究室・主宰) 『月刊少年育成』2001年 ③【再掲載 2015.3】 [読書記録 一般]

今回は、わたしの読書ノートから、
「鷲田小彌太さんはこんなことを」
-「本はこう買えこう読めこう使え」の紹介 1回目です。




出版社の案内には

「道具として役に立つ読書。元気が出る読書。普段着の読書。この三つ
 のテーマのもとに、情報化社会の現代のための実践的『本』の活用法
 を説く。明るく、迅速かつ積極的に生きるための読書術。」

とあります。



今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「書物は文化遺産ではない 情報能力が評価される時代に!」


・「古典は読まないより読む方がいい。しかし必要はない。」


・「ここから見るとこう見えますよ,こういう範囲で見たらこう見え
  ますよという一つの焦点(フォーカス)をしっかり持って事件を
暴いていくのがニュージャーナリズム。」


「① 本は手元に置く   
 ② 本は美術品ではない 
 ③ 本は何回でも使える」





もう一つ、再掲載となりますが、伊藤友宣さんの
「決断を次回送りにのばす悪癖の背景に」③を載せます。
スイッチを再び入れるにはどんな方法をとればよいのか…
と考えました。


昨日は青空が見える時間が多かったのですが、
午後3時過ぎ、急に暗くなり、
雷の音も混じってたくさんの雨が降りました。
下校途中の小中高生の大変さを思いました。
七夕の今日の天気はどうなるでしょう。




<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト







ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。





☆鷲田小彌太さんはこんなことを ①-「本はこう買えこう読めこう使え」 大和書房 1996年(1)

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◇はじめに
  キーワード 
   ① 役に立つ読書・本選び   
       本は道具である

   ② 元気が出る読書      
       明るく迅速かつ攻勢的に生きる

   ③ 読書のエキスは雑書にある


 
◇立花隆

□立花隆 
  東大仏文・哲学  メーヌ・ド・ビフン「幸論」
文春に一年半,退職「本を読みたいから」

  東大哲学科に入り直す フリーライター 大学院に・中退
  ↓
  世界中放浪 
    テルアビブでハイジャック 
    赤軍派幹部にインタビュー → 「文春」掲載
  ↓
様々なテーマに取り組む
  「アメリカンセックス」
       「田中角栄金脈」

  
□ニュージャーナリズム 沢木耕太郎
ジャーナリズムは担ぎ屋
  ニュージャーナリズムはパーソナルな中で徹底的に追及
ゲイ・ターリーズ
   『汝の隣の妻』性生活アメリカンリポート

  
□新書物時代
  「書物は文化遺産ではない」
孔子 = 「君子」 読書人・知識人
↑↓
◎ 情報能力が評価される時代に

  
□立花隆最高傑作 
  『脳死』(文春文庫)
日本医学界「脳死判定基準」に待った

  
□立花隆「古典を読むな」
1960年代 古い講座制度
カント以外はダメ
「古典を読め」は知的退嬰を隠すための恫喝だ
  上級クラス 
     ハイクラス = クラシック
上級の人が読む作品 「虚学」
◎ 古典は読まないより読む方がいい。しかし必要はない。

  
□小説は何故読まれなくなったか
小説形式は時代遅れ
   - だらだら続くだけ

村上春樹の小説には節がある

時代小説は現代の教養小説
テーマ「私はどうやって生きるのか」
テンポが速い
司馬遼太郎,藤沢周平,池波正太郎,隆慶一郎
◎ 小説の売り上げベスト10はビジネス本のベスト10

  
□小説よりもおもしろいフィクションの時代
「事実」という形のフィクション

  ◎ ここから見るとこう見えますよ,こういう範囲で見たらこう見
   えますよという一つの焦点(フォーカス)をしっかり持って事件
   を暴いていく。これがニュージャーナリズム。


□本の買い方 
  現物を見て買う「本は安い」
必要なものも買う 
    基本は現物を見て買う
入門書が重要だ
ある程度読んで初めて必要な本が分かる
知的武装が必要


□本の使い方 
  ① 本は手元に置く   
     プライベートの書斎

  ② 本は美術品ではない 
     「生産」=「仕事」の道具

  ③ 本は何回でも使える


□鷲田流読書術
  ① 本はバーチャルリアリティの世界だ 
      幻想の世界を楽しむ

  ② 読むことを楽しむ

  ③ 文体がよくなければ本ではない
読みやすい 
      すっきりしている 
      日本語のマナー

  ④ その人の本なら全部読まずにはいられない
 ご贔屓の本
「本が,知識が我が身に付くのは,贔屓,自分の整理にあった
      人,自分の感覚にあった人を何人探せるか探せないかに掛か
      っている」

  ◎ 10年間、1年間100冊を続けて読むと一応のプロに

 








☆ふえる一方の不登校をどうとらるか(上)「決断を次回送りにのばす悪癖の背景に-分かっていて動きのとれない、という心理-」 伊藤友宣(神戸心療親子研究室・主宰) 『月刊少年育成』2001年 ③【再掲載 2015.3】

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◇不本意にも、張るべき弦がゆるむ

「まず高校に入ってから不登校になる、その前に、中学1年未から、やる
気が失せたまま惰性で成績低下した。そのためランクを下げて今の高校
にしか入れなかったとはどういうことなんだろうか」


という私のいぶかしげな呟きを耳にして、当人は、それこそ力のない呟き
を自分が引き受けるように続けて、


「だめなんやなあ、俺って。とにかくなんにも見えて来んのやから…。こ
 んなんではアカン、アカン、といらだつと、懸命にあせるんですよ。体
 がどうしても動かん。つまりやる気がわいて来ん」


「その…何にも見えて来ん、ってのはなに?」


「分かりません…」


 漠然とした思いそのものを、遠慮なくさらけ出している、といった様子
で、脚を投げだし頬をゆがめっぱなしにして、両腕をひろげてソファの背
に投げつけている少年のかたわらのコーナーに、私のたまたま読みさしの
文庫本が積んであったので、私は何気なく話題をそれに向けて、


「そこに積んでる文庫本、全5冊。伊能忠敬という、なんと56歳になっ
 てから、足で全国踏破して日本地図を完成した人の話。やる気って、ま
 さに、この人のこの根性だよねえ。実にすごいよ」


 と目をきらめかすと、さりげなく私のことばを取って、春作少年が、


「ああ、井上ひさしの『四千万歩の男』でしょ。おもしろい。一気に読ん
 でしもた」


「え? 読んだの? いつ?」


「本格的にやる気が無くなった中二の二学期かな? すっぼりはまっちゃ
 った。井上ひさしの本、出版されてる限り全冊読んだと思う」


「そんなの、やる気がないって言うの?」


 少年は焦点のない白け頬のほほえみをこちらに向けて、


「やる気がないんだもの。授業とかも。都活とかも。くだらないやり取り
 でふざけてる友達とかにも、のるだけはってるものの、やる気、な-ん
 もわいてこないもの」


 …その後も春作少年は私のところへはポツリポツリとやって来ました。


 やがて単位不足もはっきりして、中退か留年かを決めねばならなくなっ
て、決めかねながらも私のところへは続けてやってきた。父親が来て言う
のに、


「イトーセンセのとこ、行くの忘れてたら、目の下に隈ができる」


と本人が言ったということです。



 二学期の未には、留年することに決め、ボクシングのジムに通いはじめ
たようでした。


「ボクシング、その後、どう?」


「う-ん。本当は俺、格闘技は嫌いなんです」


「じゃぁ、なぜジムに通うの?」


「体のトレーニングのためかな」


 ぶっきらぼうな応答が、町のチンビラにからまれるもとになることがよ
くあって、いじけた負け方はしたくないという気張りぐせのためのトレー
ニングらしいと、やがては親にも察しがつきました。いろいろあって、今
東京の私大の二期生です。



 世の中の矛盾やずるさや頼りなさや訳の分からなさというものが、純な
子どもらしい真っすぐさには耐えられなくなって来る。


 意外と無限の輝きと見えていた自分自身にも、力量の限界が厳然とある
ことが分かってもきた。そんなこんなでなんだか気持ちがゆるんでしまっ
ている。


 内心を語って、パシリと受止めてくれる人も回りに見つからない。


 中学の成績は、故意にやらずにいたら落ちるだけ落ちてその結果、ピン
と張りあって力を出しあえるトップの高校には入られず、今は自分の内も
外もいい加減なぬるま湯状態と、いう訳だったのですね。


※「◇不登校は足がかりのない沼の底」の項に続く

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hanamura

鷲田小彌太「入門・論文の書き方」が実家の本棚に・・・あるかな?
最近の私はビジネス書や、健康法の本ばかり読んで、ダメ読者だ。宇宙を旅したり、太古の地球を妄想しなければ!鳥の言葉を理解して、量子コンピュータを開発したい。
そういう読書をしなければ!
by hanamura (2022-07-07 11:51) 

ハマコウ

hanamuraさん ありがとうございます。
実用書を読むことが多くなった私、いろいろなジャンルの本を読まなければと思います。
夢のある読書、いいですね。折り返し点を過ぎたからこそ幅を広げていきたい‥。

by ハマコウ (2022-07-07 13:52) 

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