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「大人になれないこの国の子供たち」町沢静夫  PHP 1999年 ⑥ /「津波と原発」佐野眞一 講談社 2011年 ③【再掲載 2012.7】 [読書記録 教育]

今回は、7月18日に続いて、町沢静夫さんの
「大人になれないこの国の子供たち」6回目の紹介です。




出版社の案内には


「本書は、精神科医の視点から、今の子どもたちがいかに成熟を拒否し、
 大人になる責任から逃れようとしているかを論じたものである。そも
 そも大人になるとはどのようなことか。著者は4つのポイントをあげ
 ている。まず、自己の内面や感情のコントロールができること。第二
 に、独立心の獲得。第三に、人生の目標や計画を主体的に形成できる
 こと。第四に、他人への思いやりや共感があることである。このよう
 な点から見れば、現代の子ども(青年)たちがいかに幼稚であるかが
 わかるだろう。そして数々の症例をもとに解説している。不登校の原
 因、普通の子どもによる凶悪犯罪、行きすぎた潔癖主義、ボーダーラ
 インと閉じこもり、拒食症と強迫神経症等々。 著者の考えでは、こ
 れらの根本問題は『母子密着』をどう解決するかであると指摘する。
 母性社会ニッポンのゆがんだ構造がみえてくるだろう。豊かな国の寂
 しい子どもたちの心の危機がリアルに伝わってくる好著である。」


とあります。


今回紹介分より強く印象に残った言葉は…

・「犯罪をおかしているのは殆どが正常者。一切の犯罪を未然に防ごう
とするなら,われわれ全員が閉鎖病棟に入るしかなくなる」


・「不登校の原因はみんなの中に入っていけないという対人関係能力の
低下」


・「母親があまりにも過保護に育てるために,いつでも母親のように自
  分を庇護してくれる人がいないと安心ができないと言う人間をつく
り出している。保護のない対等な関係を今の子はおびえている。
『ちょっとした言葉』『ちょっとしたいじめ』により不登校が始まっ
  てしまう」


・「別の道を選ぶ主体的な選択もあってしかるべき」





もう一つ、再掲載となりますが、佐野眞一さんの
「津波と原発」③を載せます。
原発推進を推し進めたのは…。





<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト






ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。





☆「大人になれないこの国の子供たち」町沢静夫  PHP 1999年 ⑥

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◇何故異常犯罪が増えるのか

□精神病の犯罪者へ人権保護はどこまで必要か

 全日空ハイジャック事件の犯人
「精神病通院歴」に対する過剰反応
子ども時代からある精神分裂症の種
全人口の1%が精神分裂症になる(家族10%近く)
◎ きっかけは対人関係の希薄さ


 精神分裂病の早期受診はまれ
40%の病前性格は「分裂病質人格」孤独な人が多い
◎ 発症後6年で40%が社会復帰可能に 
男性21.4歳 女性26.8歳 - 発病後5~7年後

◎ 犯罪をおかしているのは殆どが正常者
一切の犯罪を未然に防ごうとするなら,われわれ全員が閉鎖
    病棟に入るしかなくなる

   「病気だが有罪」がありうるアメリカ
精神分裂患者はいつも妄想状態にあるわけじゃない

◎ 日本人7人に1人は精神科への通院歴

◎ 匿名扱いは患者を傷つけている
逆に人権問題

     精神病は不治の病ではない
70~80%の回復力
レベルは各様
◎ 裁判を受けさせることこそ人権尊重



□少年Aの精神分析
少年AはADHDだったのか
     小3が見つかりやすい年頃
性的サディズムへの衝動 
     「自分は異常だと思う」
サイコパシー
       = 人への共感性・罪悪感の欠如
ADHD
     → サイコパシー(精神病質人格)(反社会性人格障害)
  ∥
◎極めて冷酷 
          共感性がなく失敗と反省しない
人を操作するのもだますのも極めて…
メッセージ = 早く捕まえてほしいというメッセージ
彼の唯一の良心
異常犯罪者に見る治療の限界
  ?家裁長官
      「有り余るほどの愛情をふんだんに与えて彼が立ち直るこ
       とを期待する」

◎ 直すことは至難の技
         不確定な要素



□過保護と不登校との密接な関係

  不登校の原因 
  = みんなの中に入っていけないという対人関係能力の低下

◎ 母親があまりにも過保護に育てるために,いつでも母親のよう
   に自分を庇護してくれる人がいないと安心ができないと言う人間
   をつくり出している。保護のない対等な関係を今の子はおびえて
   いる。

◎「ちょっとした言葉」「ちょっとしたいじめ」により不登校が始
   まってしまう
・これが約60%の不登校の実態
・あとは「勉強に疲れた。遊びたい」という欲求

◎ これを抑え込む日本の学歴社会は子どもの伸びやかで健やかな
   成長を明らかに疎外する

◎日本の学歴社会
本当に学歴を身に付けて学ぶことを楽しむのではなく,出世を
   願い,そしてまた,学歴を誇ると言うことでしかない極めて軽薄
   な学歴社会である。
↑↓
◎ 私たちがほしい学力とは社会で役立つ高い学力
しかし,大学にはいるところでエネルギーを使い果たしてし
    まうので,大学はディズニーランド化してしまうしかない

◎ 別の道を選ぶ主体的な選択もあってしかるべき







☆「津波と原発」佐野眞一 講談社 2011年 ③【再掲載 2012.7】

<出版社の案内>
日本大震災にノンフィクション界の巨人が挑む。三陸に住んでいたゴー
ルデン街の名物オカマの消息。日本共産党元幹部の「津波博士」はどこ
へ?正力松太郎・天皇・原発のトライアングル。江戸時代、飢饉で荒廃
した地は、陸軍の飛行場を経て、堤康次郎が土地を買収し、福島原発と
なった―『東電OL殺人事件』で東京電力の実相を暴き、『巨怪伝』で
は原発を日本に導入した正力松太郎を活写した佐野眞一が3・11の真
実を描く!

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<第2部 原発街道を往く>

◇第2章 原子力の父・正力松太郎
 
 原子力開発の父と「影武者」


 正力松太郎 警察庁→読売新聞社
昭和30(1955)年
      衆議院議員 → 原子力委員会委員長に
正力の影武者 
    = 柴田秀利「我が国テレビの父」「原子力の父」
橋本清之助

 
 読売新聞の原子力キャンペーン

 
 核導入とCIA
アイゼンハワー 「アトムズ・フォー・ピース」演説
読売新聞 原子力新聞に
日米原子力協定 昭和30年6月21日

 
 原子力平和利用博覧会 
   第五福竜丸展示

 
 英国からの招待状 
   昭和31(1965)年3月1日 日本原子力産業会様 
  → イギリス式導入-東海村

 
 東海村の火入れ式

 
 天覧原子炉 - 正力の巨大な掌の中で
アメリカは柴田を利用し、柴田はアメリカの戦略を利用した
「わたしたちが今も正力の掌の上で安穏と暮らし、そこから抜け出
   す手がかりさえ持っていない」
新聞・テレビ
    → 原子力の電気ともてはやす

 
 「原子力的日光浴」の意味するもの  
   平成11(1999)年9月30日
    東海村JCOでの臨界事故
  「チェレンコフ光」「原子力的日光浴」

 

◇なぜ「フクシマ」に原発は建設されたか  

 フクシマと「浜通り」の人々
  長者原 陸軍熊谷飛行隊の練習場 
       300haが接収 60機
昭和23年まで仙台財務局
       → 払い下げ
元の地権者の農民
1/3は国土家計画堤康二朗
塩田事業 → 荒れ地
    大竹作摩 
      戦後2代目(昭和22.5)昭和27年 県知事
高等小学校出 只見川電源開発
昭和35~昭和38 衆議院議員

    木村守江知事
      木川一隆社員コンビ
貧しい地域に原発
電源三法(田中角栄) → 交付金



◇木川一隆と木村守江の接点

 昭和24(1949)年 電力業界再編のため電気事業再編成審議会
◎ 戦前電力会社は独占企業でなかったため、現在のような供給義
   務はなく、力の恩恵を受ける地域間の不公平さが目立った

  「九電力案」松永安左エ門会長

 
□原発を導入した町民たち 
   田中清太郎・元双葉町長
土建屋社長 ミニ田中角栄

 
□反対派町長・岩本忠夫が「転向」したわけ
岩本忠夫町長(1985-2005)

 
□東京電力の策謀
『原発の現場』 朝日新聞いわき支局1980 
  『原発のある風景』1983
※電力会社は … 警察の再就職先
  職場警察連絡会議
  メディア対策
  ※「白河以北一山三文」
    ← 中央の為政者の負け惜しみではないか?
美しい山、美しい海に囲まれた東北は、喉から手が出るほ
     どほしい地だった
しかし、制圧のためにおびただしい犠牲が…

それが東北差別につながったのではないか

 「原発というのは要するに運転しているときが、つまり、動いている
  ときがいちばん安全なんです。逆に言えば、止めた後が大変なんで
  す」

 
 原発労働はなぜ誇りを生まないか
「フクシマ論 - 原子力ムラはなぜ生まれたのか」 
     ~ 後ろめたい労働
  

 「東電そのものが政治だと分かった」        
◎ 原発が権力の中枢にビルトイン
田中角栄「新幹線、高速道路、原発はセットだ」


◎「東電の奥の奥にあるのは圧倒的なパターリズムなんです。お前ら知
  らない だろう、みたいな。その裏返しで、オレは日本を背負ってい
  るんだという意識が強烈にある」

 
 浜通り出身の原子炉研究者
松本哲男・東京都市大学工学部教授(旧武蔵工大)
武蔵工大 = 東急の五島慶太がつくった学校
◎「経済浮揚のカンフル剤だと思っていた電源三法交付金が覚醒剤に
   変わるのはあっというまだった」

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草笛:はっちゃん

済みません。
初めまして!
そして そろそろ我がブログもあと1ヶ月で終了になるような?
何度か拙い我がページはコメント頂いてくださいました。
遅くなりましたけど・・・本当に有難う御座いました。
by 草笛:はっちゃん (2022-07-21 14:37) 

ハマコウ

草笛:はっちゃんさん ありがとうございます。
このごろ聞く機会が少なくなりましたが、草笛の音がいいですね。
by ハマコウ (2022-07-22 04:07) 

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