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「家庭崩壊・学級崩壊・学校崩壊」松井和 エイデル研究所 1999年 ③ /「それでも人生にイエスという」V.E.フランクル 山田 邦男 (翻訳), 松田 美佳 (翻訳) 春秋社 1993年 ③(最終)【再掲載 2015.12】 [読書記録 教育]

今回は、9月13日に続いて松井和さんの
「家庭崩壊・学級崩壊・学校崩壊」3回目の紹介です。



- 画一教育に順応できる子供を親が育てないのなら,家庭に突き返すぐ
 らいの強い意志を学校が見せないと,いずれ心ある親たちが学校に見切
 りを付けなければならない時代が,すぐそこまでやってきます。


20年以上も前に出された本ですが、
著者が予見したような社会になってきているように感じます。




出版社の案内には、

「親たちは、『子育て』を幸福の基盤に、人間らしさを身につけて来ました。
 その機会を組織的に奪うと、社会からモラルや秩序、忍耐力が消えてい
 きます。親の役割りを、教育機関や福祉がしようとする時、家庭崩壊が
 始まります。三人に一人が未婚の母から産まれる欧米社会に、私たちは
 何を学ぶのか。『自然』という言葉の意味するものは何なのか。奇跡的
 にまだ家庭が崩壊していない日本で、教育界・保育界、そして親たちの
 意識改革が同時に行われれば、ひょっとして間に合うかもしれません。
 先進国に共通する家庭崩壊・学校崩壊の流れを、非論理的なアニミズム
 文化に根強く依存している日本人がくい止めることが出来れば、後に続
 く発展途上国の親子の幸せに無限に貢献することになりはしないか。今、
 地球環境の破壊が叫ばれるなか、日本人の役割は、家庭崩壊・学校崩壊
 に対応する方策を見つけ出すことにあるのかもしれません。『誰の責任
 か』を模索するのではなく、『誰が責任を感じる社会か』を決めてしま
 うことが鍵です。これは、言葉に縛られはじめた人間達への、地球から
 のメッセージです。」

とあります。




今回紹介分より強く印象に残った言葉は‥

・「子供の将来に関心を持つアメリカの親たちは,環境の選択として、教
育費は増加するが、厳しい校則,躾と道徳教育をうたい文句とした私
立学校に通わさざるをえない状況となった。それはそれで、強者の論
理が心配となる」


・「『実力社会では先輩が後輩を育てない』日本の成功は次世代育成シス
テム,疑似親子社会が大きかったのではないか。実力社会になり日本
の経済学にとして上向いたとしても、それによって家庭崩壊が加速し
たなら不幸」


・「画一教育の存在なしに教育論は存在しない」





もう一つ、再掲載となりますが、V.E.フランクルさんの
「それでも人生にイエスという」③を載せます。
ほんものの強さとは何かを考えさせられます。





<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。






☆「家庭崩壊・学級崩壊・学校崩壊」松井和 エイデル研究所 1999年 ③

1.jpg

◇理想と現実

□良い生活の幻想

 シカゴ 
  ◎公立小学校で働く教師の45%が自分の子供を私立学校に通わせた
    = 公立学校に対する大変な不信
= 公教育を見限っている


 「よりよい暮らしがしたい」という理由で共働きを始めた
↓ 共働きが社会に定着

   ◎ 多くの親が子育てを学校に依存
= 家庭で行われていたはずの躾が学校の役割にされてしまった

◎ 画一教育ができなくなった
学校崩壊 = 公立学校の極端な質の低下

   ※ 現在子供の将来に関心を持つアメリカの親たちは,環境の選択
    として「私立学校に通わさざるをえない状況」

   私立学校 - 厳しい校則,躾と道徳教育をうたい文句

◎ 私立学校に子供を通わすための教育費の増加

◎ 強者の論理が心配


<実力社会では先輩が後輩を育てない>
    ◎日本の成功 = 次世代育成システム,疑似親子社会
※ 実力社会になり日本の経済学にとして上向いたとしてもそ
      れによって家庭崩壊が加速したなら不幸

◎「欲」を捨てることが大切


 アメリカと日本
◎アメリカの子育てのシステム
   ←→ 子育てが親の幸福感で成り立つ日本社会
   ◎自立はやがて次世代の子育て放棄に



□ホームスクール(学校教育システムの否定)

  1993年 
    全州で親に直接子供を教育する権利が認められた

「他の子供たち」の環境問題
「他の親たち」
「他の親の子供たち」
◎ 親同士の問題

 「子供の権利条約」
それがなくては子供を守れないほど子供を囲む環境が悪化してい
   る国々の集まりで作られた
↑↓
◎ 「進歩」の名で持ち込んだら大変なことに子供たちと人権屋を
    増長させ,個人主義を誤解した子供がやがてとんでもない親に育
    っていく

   ◎ 子供の権利条約はいらないと言うべき
  ∥
画一教育に順応できる子供を親が育てないのなら,家庭に突き
    返すぐらいの強い意志を学校が見せないと,いずれ心ある親たち
    が学校に見切りを付けなければならない時代が,すぐそこまでや
    ってきます。

◎画一教育の存在なしに教育論は存在しない



□第三世界型学校教育

 シカゴ 
  → 教育委員会の解体
それぞれの学校が父母と相談して独自にカリキュラムの作成,
    運営を行っていく試み

◎ 父母の目を子供たちに向けるのが最重要

◎ 専門家からの脱皮 → 内容よりも形を








☆「それでも人生にイエスという」V.E.フランクル 山田 邦男 (翻訳), 松田 美佳 (翻訳) 春秋社 1993年 ③(最終)【再掲載 2015.12】

1.JPG

◇人生にイエスという
□カウフェリンクの収容所で  
  バイエルン地方 ランツベルク


□強制収容所の心理学
(1)第1の段階 
     入所ショック アウシュビッツ 
       95% まっすぐガス室
5% シャワー室 裸に

   ◎ 働ける者だけが生き続けられる

(2)第2の段階
     自分の運命に対する無感覚  
     無関心・無感情
     精神科医の解釈
      - 退行  
     群動物になりそう
      ― 原始的欲求
     性格学者の解釈
      - 精神分裂気質
  内面的な能力 
       人間としての本当の自由は…
     心の支え 
       ① 将来の生活 一般人
  ② 永遠    宗教者 
   心の支えをなくしたとき
   十字架の試練
      ニーチェ
      「生きることに内容、つまり理由がある人は、ほとんどどの
       ような状態にも耐えることができ…」
   死を自分のものにする
   「丸天井」のような心
       がたがたになった丸天井は重荷を支えることで支えること
      ができます

(3)第3の段階 
     解放された囚人の心理学 
     喜びを急いで学ぶ必要
     苦悩は比較できない 
        戦闘の中 - 無に直面
収容所内
      - 自分が無になる 生きたまま死ぬ前に死
 日常の倫理学
      「知らない」― 責任回避
 同罪と共同責務
       「非アーリア系」の祖母がいるといういいわけ
 被害者の名誉回復
 ある春の夕べの誓い 
       わたしたちすべての者の罪
        → 自分の良心の掘り起こし
     謙虚さと勇気
 日常の意味
 責任の喜び
 人生にイエスという
       ◎どんな状況でも人生にイエスと言うことができる


◇解説 フランクルの実存思想  山田邦男

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お散歩爺

親の子育てが悪いのを何でも学校のせいにする。
今はもう完全にそんな時代になってますね。
by お散歩爺 (2022-09-16 09:15) 

ハマコウ

お散歩爺さん ありがとうございます。
家庭教育こそ教育の根幹だと感じます。
子どもの成長のことを常に意識する保護者であってほしいと感じています。
by ハマコウ (2022-09-16 14:02) 

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