鷲田小彌太さんはこんなことを ⑯-「新学問のすすめ」マガジンハウス 1997年 (4) /「『見物』の精神」 加藤秀俊 昭和58年 『自分の著作について語る21人の大家』より【再掲載 2017.1】 [読書記録 一般]
今回は、9月21日に続いてわたしの読書ノートから、
「鷲田小彌太さんはこんなことを」16回目、
「新学問のすすめ」4回目の紹介です。
出版社の案内には
「楽しく生きるために、何をどう学び活かしていくか。仕事と生活に役立
つ『新・学問』の快楽的修得法。」
とあります。
今回紹介分より強く印象に残った言葉は…
・「本居宣長は34歳で賀茂真淵門下になる。直接でなく在野独学。
急ぐが急ごうとしない良き教師」
・「…博識は必ずしもよくない 言葉の詮索に拘泥しなくてよい…」
・「合理主義は虚学である。
『人間は理性だけでなく感情を基本とする存在だ』」
もう一つ、再掲載になりますが、加藤秀俊さんの
「『見物』の精神」を載せます。
昨年出版された『九十歳のラブレター』には静かに心を震わされました。
<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆鷲田小彌太さんはこんなことを ⑯-「新学問のすすめ」マガジンハウス 1997年 (4)
◇人はなぜ学問をするのか(2)
□学問論「三態」
学問は野にある
①富永仲基(とみながなかもと 1715~1746 )
最初のイデオロギー批判の原理
「加上」の論理
前の説を批判 自説を
弁舌の術 ~ 大衆化・俗流化
早熟で「異端」の運命
仲基は若すぎた
ゆっくり熟成することに耐えられなかった
②本居宣長(もとおりのりなが 1730~1801)
初学者向けの熟成した学問論
木綿問屋
→ 医師
京都へ留学23~28歳 町医者に
34歳で賀茂真淵門下
直接でなく在野独学
急ぐが急ごうとしない良き教師
『古事記伝』
- 初学者用『宇比山踏』
『宇比山踏』
① 持続が大切
② 奥まで極めようとする主専攻を決める
③ 本を読む時ざっと目を通し大意をつかむ
別の本を読むと分からなかったことが分かってくる
④ 古典の註釈を作ることを心がけたい
註釈は学問の基本だ
⑤ 初学者は真の書,声価の定まった書から始めるのがよい
⑥ 博識は必ずしもよくない
⑦ 言葉の詮索に拘泥しなくてよい
⑧ 著述を前提として読むのと読まないのとでは理解が大い
に違う
◎実証学を開いた本居宣長
『古事記』は事実と主張
→ 万世一系の国体論者
戦後落ちた偶像に
◎「神」は「実物」であり現れるものと解している
= スピノザ「神は自然である」
◎「もののあはれ」論
自然の感情 素直な心の学の基本 過度な感情を排した
∥
信念と信仰(過度な信念)を区別
◎イデオロギー(虚学)批判
合理主義に対抗したスピノザ,ヒュームの流れ
「人間は理性だけでなく感情を基本とする存在だ」
∥
合理主義は虚学である
③福沢諭吉(1834~1901)
一身立つ 実証精神の典型 福沢諭吉・高橋亀吉・石橋泰山
「一身立って一国立つ」
一身=心と身
言動の自由を獲得する手段が学問
学問こそが「私立活計」の道
一国立つ 政治と学問
政治からの独立のために官学の私学への転換を要求
∥
◎大学の学問の「私立活計」
自由競争の必要
☆「『見物』の精神」 加藤秀俊 昭和58年 『自分の著作について語る21人の大家』より【再掲載 2017.1】
□近代化はまず物から
□日本人は実物を見ると納得する
= 物見遊山
□博覧会の好きな日本人
□パック旅行は日本の先進性
近世以降これほど安全に交通ができた国は他にあまりない
東海道は親切
二里おきに宿場
団体旅行が多い
← 講集団の旅行
□2・3年で全国に広がった人力車
明治の発明
人力車 和泉要助 文明開化のシンボル
日本の対大陸貿易の輸出品目の上位に
東南アジア盛んに「リキシャ」「リキショウ」
□勘で物をつくる
直感力
- 宇和島の軍艦・種子島の銃
日本人は世界一勘のいい民族
□アナログ型とデジタル型
日本人の直接体験主義
経験と体験の違い
□明治
制度は流動的だが物質文化は確実に地歩を固める
∥
◎進取・オッチョコチョイ
明治初期
個別的な物質文化が次々に入ってきて,それを思想や制度が後から
息せき切って追いかける
= 実在の世界に直接ふれることを好む
↓
◎近代化の推進力 → 見る機会が次々に
「見物」見世物=見物産業
博覧会,展覧会
修学旅行
… 講集団の旅が原形
= 物見遊山
「遊覧本位」柳田国男
|
「実物」を通して諸々の新発明が刺激された
∥
近代化の奇跡
庶民レベルの発明心 = 日本人の好奇心
「仕掛け」への好奇心
◎ 日本人は徹底的な好奇心を動員してブラックボックスと見えるものを分析
して応用した
□日本人 - 日本文化
① 推論的シンボルよりも提示的シンボル
② デジタルよりもアナログ
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