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「図説・日本のうつわ」神崎宣武 河出書房新社 1998年 ③ /「子どもが育つ本当に大切な少しのこと」ひろさちや 文芸社 2003年【再掲載 2012.5】 [読書記録 民俗]

今回は、11月12日に続いて神崎宣武さんの
「図説 日本のうつわ」の紹介 3回目です。


日本のうつわの変遷が、図とともにわかりやすく記されています。


出版社の案内には、

「わん、はち、さら、ぜん。日本は、多種多様の食器をつくりだしてきた。
 食器の豊かなかたちと色彩を紹介し、縄文から現代までの食器の歴史をた
 どり、日本人の食器文化を探る。」
とあります。




今回紹介分より強く印象に残った言葉は‥

・「さらは木の葉から始まり絵柄様々に」


・「弁当の語源は面桶(メンツウ-一人前の食べ物を入れる曲げものの容器=ワッ
パ)。『便当』=便利な食べ物の意味もある。弁当となったのは近世『道中
記』の類から。世界に例のない弁当容器」


・「甕から壺が、鉢から坏が機能分化した」


・「土師器は・『土師』(延喜式)工人が作った土器と限定され、調として貢納
する工人と限る。厳密に言えば土師は大和・河内のみ」

・「土器と須恵器との違い」




もう一つ、再掲載になりますが、ひろさちやさんの
「子どもが育つ本当に大切な少しのこと」を載せます。
子どもだけではなく、大人であるわたしにもにも学びのある本でした。





<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。







☆「図説・日本のうつわ」神崎宣武 河出書房新社 1998年 ③

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◇さら
木の葉から始まり絵柄様々に

  絵皿が多い

  大皿
   - 宴席

  小皿
   - 磁器  
     18世紀に普及
     ~ 以前は土器と陶器
  
 かわらけ 
   素焼き土器の小皿「瓦笥」 
現在一般的 - 白い磁器 
   神事や盃事

 小皿 
   直径4寸(12㎝)以下の皿

 中皿
   直径4~7(21.2㎝)寸



◇手と葉

木の葉も皿がわり
シイ,ホウ,ビワ,サルトリイバラ,ユウナ  
    掌そのものも … 窪手



◇弁当
語源 
    面桶(メンツウ)(一人前の食べ物を入れる曲げものの容器)
     = ワッパ

   「便当」=便利な食べ物の意味
  弁当 … 近世「道中記」の類 
~ 世界に例のない弁当容器



◇塗りものの皿
小皿  
    テンショウザラ(手塩皿)主流


◇ガラス容器
明治初期 
    品川にガラス製造所



◇うつわの始まり 先史
縄文人の食卓
堅果類,根茎類が主な食材
    → 調理 深鉢型土器 煮沸容器

◎食器は? 考古学的解析されていない

    浅鉢は前期(6000~5000年前)から

    埦(わん)とか皿は晩期(3000~2300年前)から


  縄文の漆器
土器以外の器に煮物料理を盛っていた?
漆器 籃胎漆器
  

  食器でない食器 
葉っぱ一枚,板きれ一枚が食器に代用できる
      |
    葉っぱによる食器代用習俗現代にも      
ササ カシワ サクラ サルトリイバラ ~ 餅
板きれ 寿司屋の下駄
樹皮

◎無縄文の土器類出現により食器文化のステージが転換することになる


  弥生土器の変遷
縄文晩期~弥生  
      食器:研磨土器の主体は坏(埦と皿の中間の形)

  足がつけば高坏
  (今日の食器で言えば中鉢)

   弥生土器 甕・壺・鉢・坏(高坏)・ひと組の土器構成

    <機能分化>
  甕から壺が…
鉢から坏が… 分化


□縄文 
   甕は主として煮沸容器と保存容器 
     → 保存機能を明らかにしたのが壺
(口を絞った)

   鉢は深鉢型 
     = 食べ物の盛り込み容器
     → 小型化 とりわけ容器か杯
             |
◎ 鉢と坏を狭義の食器として  
        中でも坏に注目


□弥生
   弥生 中期以降

坏が増加 
    = 食べ物を取り分けて供する食習慣

   初めは神に
    → 後に客に

◎掻敷や折敷と組み合わせることで足や台がはずれて平底の皿になる
  ∥
◎深鉢土器の衰退
      一緒盛り
       → 銘々盛り
鉢 盛り込み食器
坏 取り分け食器
  

□弥生土器と土師器 
土師器
     ・「土師」(延喜式)工人が作った土器と限定
・調として貢納する工人と限る

◎土師は大和・河内のみ
延喜式  
       大和 - 鍋が主
河内 - 坏が主
<厳密に言うところの土師による土師器>

◎周辺の弥生土器系の土器も土師器として扱われるようになった
    
   土師器において坏がさらに機能分化する        
坏・埦・盤・皿など明らかに小口に取り分ける
食器の量的確保 
       土師器 - 調理用具 11.4%
   食器類  87.3% 平城宮

   日本書紀
     土師連「御前盛るべき清器」→配膳
  

□神饌の盛りつけ
神社の供饌(神饌)
日本神社 氏神や産土(産土神)
氏神 - 一族の開祖
産土 - 出産や開鑿の守護神

◎ 祖霊信仰(土地が開かれたところにちなむ)
 ◎ その土地の一族の始まりを喜ぶ,尊ぶ
             ↓
   ◎供えられる食べ物は,先祖たちが苦労して得て大事に食したもの
           ∥
   ◎食器も往時をしのんで再現をはかる傾向<先祖がえり>       

   伊勢神宮の朝夕大御饌祭
  神饌
        蒸飯・鯛・昆布・鰹節・青葉・栗・水・酒

 神官の土器調整所でつくられる素焼きの坏や皿に盛られる
→ 白木の箱につめられて神前まで運ばれる

   春日大社若宮祭
神饌 
       すべて精進物「御染御供」
10膳
       白木地の折敷 染物(米四包)盛物
        - 素焼きの高坏に
注目 四角の板皿
            そこにご飯・菓子

     ◎今日に伝わる神饌 
        飯・酒・餅を上位
         = 米を尊ぶ  
           米に対して特別な思い

  ◎カラワケに盛り折敷や三方にのせて神前に供える

   カラワケは土器
     カラワケ=瓦質の土器
素焼きの器 
       瓦は灰暗色 
       土器は赤黄土色
 ※ 瓦も広義には粘土を素焼きした土器

    土器と須恵器との違い
土器          須恵器
制作技術 ロクロを用いない    ロクロを用いる
焼成温度 700~900度       半地下式1000度以上  
焼きしまっている
(釉薬無き陶器と言うべき)
別名 「陶質土器」「粗陶器」
5~12世紀

   須恵器は奈良から平安にかけて都を中心に徐々にそうなった







☆「子どもが育つ本当に大切な少しのこと」ひろさちや 文芸社 2003年【再掲載 2012.5】

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◇子育ての目的
 
□お母さん(家族)と子どもがとても幸せになること
まず自分自身を好きになる 欠点が個性

まず子どもを好きになる



◇「元気のいい明るく活発な子を乱暴者というベッドに寝かせてはみ出た元気
をちょん切ろうとするのです」

□ギリシア神話プロクルステス
   ベッドに合わせて身体を伸ばしたり切ったり

◎ 子どもを鋳型にはめて個性を殺している

 
□学校の成績は世間の物指し
   →  我が家のものさし、自分のものさしを持つべき



◇「おしめを取り替えてあげても赤ちゃんは「ありがとう」と言いません 
  でもお母さんは 一生懸命赤ちゃんを守ってきました」

□インドの物乞いは絶対にお礼を言わない
= 物乞いはお金持ちに布施をさせてやったから
    布施のこころ

 
□インド人
   全員に布施をする 
    - 思いつきでは相手の怒りを買う
        ∥
   ◎ 自分のために布施をする

 
□布施をした方がお礼を言ってこそ真の布施



□布施のこころをもっているとすごく人生が明るくなる



◇「ちょっと引っ込み思案で弱虫な子がいます でもお母さんはプラス思考を
  してほしい。うちの子は乱暴でなくてよかった足を折ったり大けがをして
  医者代がかからないから助かると」

□子どもを見るとき「プラス思考」で! 
  = 長所だけを見る
    あるがままの子どもを愛する  



◇「お母さんが正解は1つしかないと思っていたのでは困ってしまいます。 
  子どもたちを分かってあげる人が少なくなってしまうからです」

□教育において最後の責任者はお母さん

 
□真っ直ぐに見る あるがままに見る
  - こどもはみんな仏の子

 
□マニュアル主義は悪

 
□アベコベカエル 
   オタマジャクシの方が大きい
子どもの1/4の親 ~小さく成長する~

 
□「エコノミック・アニマル」
 = 餓鬼
     ① 無財餓鬼
    
     ② 少財餓鬼 

     ③ 多罪餓鬼 = いつもでも満足できず ↓
  ◎ 餓鬼から人間へ
   
 
□比較してはいけない

 
□わたしたちは人に迷惑をかけずに生きていられない
  「すみません」「ありがとう」の気持ちを


◇ひろさちや
 1936年大阪生 東京大学大学院人文科学研 インド哲学博士
気象大学校教授 → 宗教文化研究所設立
まんだらの会会長 宗教評論家

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ヤマカゼ

さらは木の葉から始まり
は確かにそうかも知れないですね。日本ではほおば焼とか、昔フィリピンに行ったときはバナナの葉が皿になっているレストランに行ったことがあります。
by ヤマカゼ (2022-11-17 07:31) 

ハマコウ

ヤマカゼさん ありがとうございます。
バナナの葉のお皿で食べると南国の雰囲気がより高まりますね。
ままごとでは今でも葉っぱがお皿代わりにされているのでしょうか。
そうだとうれしく感じます。
今日は行事のため午後の勤務、朝を少しのんびりと過ごしています。
by ハマコウ (2022-11-17 07:43) 

Rinko

「子どもが育つ本当に大切な少しのこと」、とても良いですねー!
あれこれ、頷きながら読ませて頂きました(^。^)

by Rinko (2022-11-17 08:01) 

ハマコウ

Rinkoさん ありがとうございます。
娘に読んでもらいたい本です。
わたしは「少し」のことなのに、できないことが多いのですが、大切なことが書かれていますね。自分を振り返ってしまいます。
by ハマコウ (2022-11-17 10:56) 

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