「今ここから考える社会学」好井裕明 ちくまプリマー新書 2017年 ②(後半) /「子どもと教育 教育学入門」藤田英典他 岩波書店 1997年 ①【再掲載 2014.1】 [読書記録 一般]
今回は、12月7日に続いて好井裕明さんの
「今ここから考える社会学」2回目(後半)の紹介です。
出版社の著者紹介には
「私たちが過ごしている日常とは何か。それは他者と出会う圧倒的な場であり
新たに創出される意味が満たす豊かな世界でもある。その日常を『今、ここ』
で見つめ、捉えなおす。」
とあります。
今回紹介分より強く印象に残った言葉は…
・「便利さを使いこなし、手軽さを錯覚する」
・「スマホに飼い慣らされないためにプライベートな領域の際限なき拡散を
考えよう」
・「『シンショー』がもつ二重の差別性とは」
- この言葉を聞くと大変不愉快になります。
・「他者の『幸せ』への関心を崩さない」
もう一つ、再掲載になりますが、藤田英典さんらによる
「子どもと教育 教育学入門」①を載せます。
<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆「今ここから考える社会学」好井裕明 ちくまプリマー新書 2017年 ②(後半)
◇スマホのある生活
身体になったスマホ
便利さを使いこなし、手軽さを錯覚する
世界を携帯する快楽
「わたし」が晒されるリスク
日常にスマホが開けた「穴」
鈴木謙介『現実空間の多孔化』
スマホに飼い慣らされないために
プライベートな領域の際限なき拡散を考えよう
LINEと井戸端会議はどう違うのか
他者との距離や他者理解のための時間や速度を考えよう
◇「らしさ」を生きること
「わたしらしさ」と「何者からしさ」
「もっと男らしくしろ」への違和感
いまも生きている男性支配的な性別分業
「イクメン」はあって、なぜ「イクジョ」はないのか
女性問題は男性問題である
「実質的平等」を志向する:豊かな「らしさ」を推進するために
「LGBT」
性的小数者であるがマイノリティではない
◇「ちがい」がある他者とどう出会えるのか
「シンショー」って使ったことがありますか
「シンショー」がもつ二重の差別性とは
ノーマライゼーション
「あたりまえ」の社会づくり
メインストリーミング
社会の主要な流れの中へ
「我らは愛と正義を否定する」
障がい者スポーツは障がい者のためのスポーツなのか
「ちがい」のある他者とどう出会えるのだろうか
◇環境を考えるということ
環境を守るという常識
「公害」:近代化の裏側でわたしたちを苦しめた事実として
生活者の立場から考える
原発事故以降の「いま」を考える
環境を考えることの基本とは
◇「政治的であること」とは何だろうか
18歳からの政治参加
「政治的中立性」という暴力
個人的なことは政治的である:他者のリアルを想像する
他者の「幸せ」への関心を崩さない:「政治的である」ために
「現代史」をまが知ろう
◇あとがき
「批判する力」の大切さ
☆「子どもと教育 教育学入門」藤田英典他 岩波書店 1997年 ①【再掲載 2014.1】
<学校と社会>
◇教育問題と教育科学 藤田英典
□教育問題への眼差し
マスコミの報道・論調に影響される
<真正の教育><理想の教育>の観念
- 「当為論」に偏りすぎる
□教育問題とは
4つの問題
①真理問題 正解・真理への到達が目標
②調整問題 利害・理念の調整・調停が課題
③当為問題 在るべき状態の回復が課題とされる問題
当為からの乖離・逸脱を正すことが課題
④計画問題 将来的に到達すべき状態への道筋構想
教育問題
調整問題を背後に抱えているにもかかわらず、固有の当為問題として
論じられ、計画問題として対策が検討される
□調整問題としての入試問題
入試改革の失敗
1960年代後半
学校群制度 → 公立低下
1979年 共通一次試験
→ 序列顕在化、国立低下
1990年 大学入試センター試験
◎ 入試制度に名案はない
入試競争 = 椅子とりゲーム + 障害物競走
□教育問題の多元性と複雑さ
入試の本質は調整問題
◎ 入試方式や選抜基準が多様化すればするほど、文化的に恵まれた家
庭の子供が有利になる
|
多元性と複雑さ
対象化し科学的考察 → 真理問題化
◇学校化社会の構造 藤田英典
□噴出する「教育病理」問題
校内暴力1980 → いじめ1985・登校拒否
□「教育病理」現象の原因論
(1)学校教育の特徴に原因を求めるもの
しかし、主要な要因でないし、変えれば改善されるわけでもな
い
理由
1 管理主義、受験体制と競争激化、画一的教育は現象発生以前か
ら日本の特徴
2 日本だけの現象ではない
ノルウェー、イギリスもいじめ 1990年代校内暴力
= 管理的・画一的でない国でも問題は発生している
3 メカニズムが明らかにされない限り、「ゆとり」「個性化」の
諸政策が一連の病理的現象を緩和しないだけでなく別の新たな問
題を生み出さないとも限らない
(2)人間関係の歪みや他社関係の未熟さに主要な原因を求めるもの
心理主義的、関係論的説明
(3)理念主義的・当為論的説明
個人の尊厳をきほんにしていないからと言う説
※ 転換期としての1970年代
(4)構造的・状況的な要因を重視する見方
1970年代から学校の中での問題が表面化
= 学校を基盤とした問題
□学校化社会のアイロニー
1970年代後半 「学校病理的」問題が噴出
◎ 高校進学率90%超 = 学校教育の拡大
↓ 学校が大きなウェート
↓
◎ 準義務化 = 自主性のない進学増
入試参加者の拡大・大衆化
殆どの中学生が入試競争への参加を強いられ勝者・敗者、勇者
劣者のレッテル化
∥
大多数が進学
ポジティブな意味を失う = 序列を競う側面重視
|
1960年代までなら進学しなかった半数~1/4は、非進学者で
あっても決して敗者でもなく優位者でもなかった
↓
◎ 今では殆どの子が一元的な序列の仲に!
○ 受験に向けてのポジティブな構え
× 序列化されてしまうことへの嫌悪
↑↓
◎人間関係を競争的で差別的・疎外的なものにしてしまった
= 強いられた競争
※ スポーツとは違う
1970年代の変化 <競争状態> の出現と広がり
∥
入試競争の潜在的プレッシャーが臨界点を越すような状況が出
現したため
「今ここから考える社会学」2回目(後半)の紹介です。
出版社の著者紹介には
「私たちが過ごしている日常とは何か。それは他者と出会う圧倒的な場であり
新たに創出される意味が満たす豊かな世界でもある。その日常を『今、ここ』
で見つめ、捉えなおす。」
とあります。
今回紹介分より強く印象に残った言葉は…
・「便利さを使いこなし、手軽さを錯覚する」
・「スマホに飼い慣らされないためにプライベートな領域の際限なき拡散を
考えよう」
・「『シンショー』がもつ二重の差別性とは」
- この言葉を聞くと大変不愉快になります。
・「他者の『幸せ』への関心を崩さない」
もう一つ、再掲載になりますが、藤田英典さんらによる
「子どもと教育 教育学入門」①を載せます。
<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆「今ここから考える社会学」好井裕明 ちくまプリマー新書 2017年 ②(後半)
◇スマホのある生活
身体になったスマホ
便利さを使いこなし、手軽さを錯覚する
世界を携帯する快楽
「わたし」が晒されるリスク
日常にスマホが開けた「穴」
鈴木謙介『現実空間の多孔化』
スマホに飼い慣らされないために
プライベートな領域の際限なき拡散を考えよう
LINEと井戸端会議はどう違うのか
他者との距離や他者理解のための時間や速度を考えよう
◇「らしさ」を生きること
「わたしらしさ」と「何者からしさ」
「もっと男らしくしろ」への違和感
いまも生きている男性支配的な性別分業
「イクメン」はあって、なぜ「イクジョ」はないのか
女性問題は男性問題である
「実質的平等」を志向する:豊かな「らしさ」を推進するために
「LGBT」
性的小数者であるがマイノリティではない
◇「ちがい」がある他者とどう出会えるのか
「シンショー」って使ったことがありますか
「シンショー」がもつ二重の差別性とは
ノーマライゼーション
「あたりまえ」の社会づくり
メインストリーミング
社会の主要な流れの中へ
「我らは愛と正義を否定する」
障がい者スポーツは障がい者のためのスポーツなのか
「ちがい」のある他者とどう出会えるのだろうか
◇環境を考えるということ
環境を守るという常識
「公害」:近代化の裏側でわたしたちを苦しめた事実として
生活者の立場から考える
原発事故以降の「いま」を考える
環境を考えることの基本とは
◇「政治的であること」とは何だろうか
18歳からの政治参加
「政治的中立性」という暴力
個人的なことは政治的である:他者のリアルを想像する
他者の「幸せ」への関心を崩さない:「政治的である」ために
「現代史」をまが知ろう
◇あとがき
「批判する力」の大切さ
☆「子どもと教育 教育学入門」藤田英典他 岩波書店 1997年 ①【再掲載 2014.1】
<学校と社会>
◇教育問題と教育科学 藤田英典
□教育問題への眼差し
マスコミの報道・論調に影響される
<真正の教育><理想の教育>の観念
- 「当為論」に偏りすぎる
□教育問題とは
4つの問題
①真理問題 正解・真理への到達が目標
②調整問題 利害・理念の調整・調停が課題
③当為問題 在るべき状態の回復が課題とされる問題
当為からの乖離・逸脱を正すことが課題
④計画問題 将来的に到達すべき状態への道筋構想
教育問題
調整問題を背後に抱えているにもかかわらず、固有の当為問題として
論じられ、計画問題として対策が検討される
□調整問題としての入試問題
入試改革の失敗
1960年代後半
学校群制度 → 公立低下
1979年 共通一次試験
→ 序列顕在化、国立低下
1990年 大学入試センター試験
◎ 入試制度に名案はない
入試競争 = 椅子とりゲーム + 障害物競走
□教育問題の多元性と複雑さ
入試の本質は調整問題
◎ 入試方式や選抜基準が多様化すればするほど、文化的に恵まれた家
庭の子供が有利になる
|
多元性と複雑さ
対象化し科学的考察 → 真理問題化
◇学校化社会の構造 藤田英典
□噴出する「教育病理」問題
校内暴力1980 → いじめ1985・登校拒否
□「教育病理」現象の原因論
(1)学校教育の特徴に原因を求めるもの
しかし、主要な要因でないし、変えれば改善されるわけでもな
い
理由
1 管理主義、受験体制と競争激化、画一的教育は現象発生以前か
ら日本の特徴
2 日本だけの現象ではない
ノルウェー、イギリスもいじめ 1990年代校内暴力
= 管理的・画一的でない国でも問題は発生している
3 メカニズムが明らかにされない限り、「ゆとり」「個性化」の
諸政策が一連の病理的現象を緩和しないだけでなく別の新たな問
題を生み出さないとも限らない
(2)人間関係の歪みや他社関係の未熟さに主要な原因を求めるもの
心理主義的、関係論的説明
(3)理念主義的・当為論的説明
個人の尊厳をきほんにしていないからと言う説
※ 転換期としての1970年代
(4)構造的・状況的な要因を重視する見方
1970年代から学校の中での問題が表面化
= 学校を基盤とした問題
□学校化社会のアイロニー
1970年代後半 「学校病理的」問題が噴出
◎ 高校進学率90%超 = 学校教育の拡大
↓ 学校が大きなウェート
↓
◎ 準義務化 = 自主性のない進学増
入試参加者の拡大・大衆化
殆どの中学生が入試競争への参加を強いられ勝者・敗者、勇者
劣者のレッテル化
∥
大多数が進学
ポジティブな意味を失う = 序列を競う側面重視
|
1960年代までなら進学しなかった半数~1/4は、非進学者で
あっても決して敗者でもなく優位者でもなかった
↓
◎ 今では殆どの子が一元的な序列の仲に!
○ 受験に向けてのポジティブな構え
× 序列化されてしまうことへの嫌悪
↑↓
◎人間関係を競争的で差別的・疎外的なものにしてしまった
= 強いられた競争
※ スポーツとは違う
1970年代の変化 <競争状態> の出現と広がり
∥
入試競争の潜在的プレッシャーが臨界点を越すような状況が出
現したため
スマホというば、twitterなんかは誤情報とか思想扇動の情報があるんですよね。
色々な事を勉強していない人が、よく騙されています。
知識ということだけでなく、判断と洞察もあるのかな
by kome (2022-12-10 13:52)
komeさん ありがとうございます。
わたしはスマホの扱いに詳しくないので、恐る恐るといった状態です。
今日の新聞に「防衛省、世論工作の研究に着手 AI活用、SNSで誘導」とあったので大丈夫かなあと心配しています。自分の正しい判断力が必要になりますね。
by ハマコウ (2022-12-10 21:44)
Twitter社を買収したイーロン・マスク氏は以前、言論の自由と中立性を掲げて、自身の発言こそフェイクニュースだった当時のトランプ大統領のアカウントを凍結した同社を非難していましたが、買収後は共和党支持を載せたり、次期大統領選ではトランプ氏以外を押す発信をしています。人の心は移ろいやすく、矛盾もあるかと。SNSを鵜呑みにせず、複数の情報源から仕入れて間違いない判断をしたいものです(^_^)v
by yokomi (2022-12-13 15:20)
yokomiさん ありがとうございます。
-鵜呑みにせず複数の情報源
は大切ですね。
わたしにとって、SNSの世界は、確かに「他者との距離や他者理解のための時間や速度を考える」時間になっていると感じます。
by ハマコウ (2022-12-13 20:00)