「宮本常一著作集 42 父母の記/自伝抄」 宮本常一 未来社 2002年 ② / 「どうしたら算数ができるようになるか」(小学校編) 銀林浩 日本評論社 2001年 ② 【再掲載 2013.6】 [読書記録 民俗]
今回は、12月20日に続いて、宮本常一さんの著作集から
「42 父母の記/自叙伝」の紹介 2回目です。
再任用で学級外担当となりましたが、それまで学級担任をもっていた頃、
子どもたちによく本を読みました。
絵本中心でしたが、子ども向けの本もよく読みました。
その一つに「杜子春」があります。
馬に姿を変えてしまった父母が鞭うたれる姿を見てつい声を出す杜子春。
この場面に来ると、声が詰まってしまったものでした。
還暦を過ぎ、父母のありがたさをつくづく感じています。
出版社の著者紹介には
「宮本常一に強大な影響を与えた父、母、祖父、祖母に関する文章および自伝
的エッセイを収録する。また本巻には、母の葬儀の際に出席者へ配った、
『母の記』、妻へ向けた文章を含む『我が半生の記録』(『妻たる人に』)、
郵便局の勤務時代の回想である『私の郵便局時代』、祖母の死去と葬儀の行
程を記した『祖母の死と葬儀』、父の死のドキュメントである日記など、
今回初公開となるきわめてプライヴェートで貴重な文章を多数収録。」
とあります。
今回紹介分より強く印象に残った言葉は…
・「善十郎(常一の父)は『人事を尽くして天命を待つ』唯我独尊タイプ」
・「旅先では恥をかいてはならぬ」
・「慈父語録抄 19」
- 読むたびに善十郎さんの立派さを感じます。
自分は… と振り返っててしまいます。
もう一つ、再掲載になりますが、銀林浩さんの
「どうしたら算数ができるようになるか」③を載せます。
26日、27日、28日と学校も冬休みなので年休を取りました。
家の仕事を頑張ります。
<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆「宮本常一著作集 42 父母の記/自伝抄」 宮本常一 未来社 2002年 ②
◇母の記
母の思い出
母の記
宮本まち
士族の家(山口)で子守奉公
耐えていた母
私・大阪の小学校勤務時、弟・フィリピンのダバオ,姉・近くの小学校
◇我が半生の記録
□家の歴史
長崎氏
岡本家 - 浜村家 - (分家)宮本家
宮本家
市五郎 - 善十郎 - ユキ,常一,市太郎
善十郎(常一の父)
「人事を尽くして天命を待つ」唯我独尊
○蚕研究(義侠的態度)
○蜜柑の栽培(接ぎ木術)
○村の制度改革(冠婚葬祭を簡単に)
○学問の必要性を説く学校に寄付
∥
全身情熱の塊
誰とでもよく話した
単なる田舎ものではなかった
昼食
- 相当な所に入り相当なものを食べた
∥
◎ 旅先では恥をかいてはならぬ
父 - 婦女子の尊敬の的
~ 美しさ(生き方)
◎ この父ほど子を知ってくれた親はないと思う
□慈父語録抄
① 金は儲けるのは易しいが,使うのは難しい
② いかに困ったときと言えども,盗みをしてはならぬ
③ 病める時,困った時は父母を思え。
父母は常に手を広げて待っている
④ 自分の仕事に惚れることだ
⑤ どんなものでも悪いというものはない。自分の心がけが悪いと悪く
なるものだ。
芝居も活動も見に行きたくば見に行くがよい
⑥ 人に施すことを忘れてはならぬ
⑦ 貸した金はやったと思え
⑧ 無闇に土をいじるような百姓は立派な百姓ではない。
できるだけ土にさわらないようにすることだ
⑨ 明日の天気が分からぬようでは百姓はできぬ
⑩ 作物は種から選んでかかれ
⑪ 土地に合うものを作れ
⑫ 貧乏はしても借金はするな。
利子は恐ろしい
⑬ 工夫を忘れるな
⑭ 仕事着のままどこへでも行ける人間になれ
⑮ 人を疑うな
⑯ だまされたら自分が至らぬと思え
⑰ 馬鹿の相手になるな。偉い人の所へはよく出入りしろ。しかし,それ
で地位を得ようとしてはならぬ
⑱ 叱る人の所へ行け
⑲ 褒める言葉は耳へ蓋をして聞け。それくらいに聞いてちょうど良い
常一略年譜
※「読書ノート№56」P82~86
☆「どうしたら算数ができるようになるか」(小学校編) 銀林浩 日本評論社 2001年 ② 【再掲載 2013.6】
◇0の秘訣
位取り記数法の難しさ
① 無としての「0」
② 空位としての「0」
→ 空位の0の発明によりどんなに大きな数も0~9までの10個の数字だ
けで表せるようになった
◇大きな数
□4桁区切りは東洋の文化
日本 「十進-万進」という複進法
中国 4桁のまとまりを「級」と名付けている
↓
◎ 日本語では後ろから4桁ごとに区切ると、どんなに大きな数でもすん
なり読める
□3桁区切りは西洋の文化
アメリカ 「十進-千進」の複進法
イギリス 「十進-千進-百万進」の3重複進法
(ドイツ・フランス・スペインも)
□「兆」の上の位
吉田光由(1598-1672)『塵刧記』(1627)
一 十 百 千 万 億 兆 京(けい) 垓(がい) 杼(じょ) 穰(じょう)
溝(こう) 潤(かん) 正(せい) 載(さい) 極(ごく) 恒河沙(ごうかしゃ)
阿僧祇(あそうぎ) 那由他(なゆた) 不可思議(ふかしぎ) 無量大数
◇小数
□小数という数
牛乳の量 1l 3dl 4cl 6ml (複名数)
↓
1.346l(単名数)
□小数もタイルに
小数でも「数字・数詞・タイル」三者関係を!
吉田光由(1598-1672)『塵刧記』(1627)
分(ぶ ふん) 厘(りん) 毛(もう) 糸(し) 忽(こつ) 微(び)
繊(せん) 沙(しゃ) 塵(じん) 埃(あい) 渺(びょう)
漠(ばく) 模糊(もこ) 逡巡(しゅんじゅん)・・・
◇分数
子供は分数が難しいので逃げている
測量 共通尺度
倍数と約分
◇計算の仕組み 整数の足し算引き算
十の補強数
十の補数法
5-2進法 - 補助数字
加減法
足し算の意味
(1)合併型 ① 同種 リンゴとリンゴ
② 異種 男と女
(2)添加型 ③ 前後
④ 序数
引き算の意味
(1)求残型
①除去
②求補「子供が7人 女の子が3人
男の子の人数は?」
(2)減少型
③基数の減少
④序数の減少
(3)求差型
⑤基数の差法 「男の子が7人 女の子が3人
男の子と女の子の差は何人?」
「42 父母の記/自叙伝」の紹介 2回目です。
再任用で学級外担当となりましたが、それまで学級担任をもっていた頃、
子どもたちによく本を読みました。
絵本中心でしたが、子ども向けの本もよく読みました。
その一つに「杜子春」があります。
馬に姿を変えてしまった父母が鞭うたれる姿を見てつい声を出す杜子春。
この場面に来ると、声が詰まってしまったものでした。
還暦を過ぎ、父母のありがたさをつくづく感じています。
出版社の著者紹介には
「宮本常一に強大な影響を与えた父、母、祖父、祖母に関する文章および自伝
的エッセイを収録する。また本巻には、母の葬儀の際に出席者へ配った、
『母の記』、妻へ向けた文章を含む『我が半生の記録』(『妻たる人に』)、
郵便局の勤務時代の回想である『私の郵便局時代』、祖母の死去と葬儀の行
程を記した『祖母の死と葬儀』、父の死のドキュメントである日記など、
今回初公開となるきわめてプライヴェートで貴重な文章を多数収録。」
とあります。
今回紹介分より強く印象に残った言葉は…
・「善十郎(常一の父)は『人事を尽くして天命を待つ』唯我独尊タイプ」
・「旅先では恥をかいてはならぬ」
・「慈父語録抄 19」
- 読むたびに善十郎さんの立派さを感じます。
自分は… と振り返っててしまいます。
もう一つ、再掲載になりますが、銀林浩さんの
「どうしたら算数ができるようになるか」③を載せます。
26日、27日、28日と学校も冬休みなので年休を取りました。
家の仕事を頑張ります。
<浜松のオリーブ園>
浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト
〈ふじのくに魅力ある個店〉
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆「宮本常一著作集 42 父母の記/自伝抄」 宮本常一 未来社 2002年 ②
◇母の記
母の思い出
母の記
宮本まち
士族の家(山口)で子守奉公
耐えていた母
私・大阪の小学校勤務時、弟・フィリピンのダバオ,姉・近くの小学校
◇我が半生の記録
□家の歴史
長崎氏
岡本家 - 浜村家 - (分家)宮本家
宮本家
市五郎 - 善十郎 - ユキ,常一,市太郎
善十郎(常一の父)
「人事を尽くして天命を待つ」唯我独尊
○蚕研究(義侠的態度)
○蜜柑の栽培(接ぎ木術)
○村の制度改革(冠婚葬祭を簡単に)
○学問の必要性を説く学校に寄付
∥
全身情熱の塊
誰とでもよく話した
単なる田舎ものではなかった
昼食
- 相当な所に入り相当なものを食べた
∥
◎ 旅先では恥をかいてはならぬ
父 - 婦女子の尊敬の的
~ 美しさ(生き方)
◎ この父ほど子を知ってくれた親はないと思う
□慈父語録抄
① 金は儲けるのは易しいが,使うのは難しい
② いかに困ったときと言えども,盗みをしてはならぬ
③ 病める時,困った時は父母を思え。
父母は常に手を広げて待っている
④ 自分の仕事に惚れることだ
⑤ どんなものでも悪いというものはない。自分の心がけが悪いと悪く
なるものだ。
芝居も活動も見に行きたくば見に行くがよい
⑥ 人に施すことを忘れてはならぬ
⑦ 貸した金はやったと思え
⑧ 無闇に土をいじるような百姓は立派な百姓ではない。
できるだけ土にさわらないようにすることだ
⑨ 明日の天気が分からぬようでは百姓はできぬ
⑩ 作物は種から選んでかかれ
⑪ 土地に合うものを作れ
⑫ 貧乏はしても借金はするな。
利子は恐ろしい
⑬ 工夫を忘れるな
⑭ 仕事着のままどこへでも行ける人間になれ
⑮ 人を疑うな
⑯ だまされたら自分が至らぬと思え
⑰ 馬鹿の相手になるな。偉い人の所へはよく出入りしろ。しかし,それ
で地位を得ようとしてはならぬ
⑱ 叱る人の所へ行け
⑲ 褒める言葉は耳へ蓋をして聞け。それくらいに聞いてちょうど良い
常一略年譜
※「読書ノート№56」P82~86
☆「どうしたら算数ができるようになるか」(小学校編) 銀林浩 日本評論社 2001年 ② 【再掲載 2013.6】
◇0の秘訣
位取り記数法の難しさ
① 無としての「0」
② 空位としての「0」
→ 空位の0の発明によりどんなに大きな数も0~9までの10個の数字だ
けで表せるようになった
◇大きな数
□4桁区切りは東洋の文化
日本 「十進-万進」という複進法
中国 4桁のまとまりを「級」と名付けている
↓
◎ 日本語では後ろから4桁ごとに区切ると、どんなに大きな数でもすん
なり読める
□3桁区切りは西洋の文化
アメリカ 「十進-千進」の複進法
イギリス 「十進-千進-百万進」の3重複進法
(ドイツ・フランス・スペインも)
□「兆」の上の位
吉田光由(1598-1672)『塵刧記』(1627)
一 十 百 千 万 億 兆 京(けい) 垓(がい) 杼(じょ) 穰(じょう)
溝(こう) 潤(かん) 正(せい) 載(さい) 極(ごく) 恒河沙(ごうかしゃ)
阿僧祇(あそうぎ) 那由他(なゆた) 不可思議(ふかしぎ) 無量大数
◇小数
□小数という数
牛乳の量 1l 3dl 4cl 6ml (複名数)
↓
1.346l(単名数)
□小数もタイルに
小数でも「数字・数詞・タイル」三者関係を!
吉田光由(1598-1672)『塵刧記』(1627)
分(ぶ ふん) 厘(りん) 毛(もう) 糸(し) 忽(こつ) 微(び)
繊(せん) 沙(しゃ) 塵(じん) 埃(あい) 渺(びょう)
漠(ばく) 模糊(もこ) 逡巡(しゅんじゅん)・・・
◇分数
子供は分数が難しいので逃げている
測量 共通尺度
倍数と約分
◇計算の仕組み 整数の足し算引き算
十の補強数
十の補数法
5-2進法 - 補助数字
加減法
足し算の意味
(1)合併型 ① 同種 リンゴとリンゴ
② 異種 男と女
(2)添加型 ③ 前後
④ 序数
引き算の意味
(1)求残型
①除去
②求補「子供が7人 女の子が3人
男の子の人数は?」
(2)減少型
③基数の減少
④序数の減少
(3)求差型
⑤基数の差法 「男の子が7人 女の子が3人
男の子と女の子の差は何人?」
国語はせずに、算数ばかりすると極度にできるようになります。
計算機の発達でカバーされていますが。文学表現で秀でている
国立天文台の某先生は、天体の軌道計算を筆算でするのは苦手
だと「だい将棋の謎」のブログの管理人には察知されています。
前世紀にこのような先生が存在し得なかった事はほぼ確かです。
by df233285 (2022-12-26 07:49)
おはようございます。
数詞ですが、抒の次に穣(じょう)がはいりますね。
また、リットルは、大分前からLを使っていますが、どうなのでしょう。小文字のlだと数字の1と区別しづらいですね。「一太郎」では、特殊記号で、ℓがありますが、これもわかりづらい。
by tyuuri (2022-12-26 07:54)
いつも、拝見 ためになる内容に 感謝です
次男は 高校の教師ですが・・なかなか 理想と現実が・・
3年生が卒業したら 辞めようかなーーと・・
教育者 情熱だけでは・・つぶれちゃいますね・・・
孫も 自閉スペクトラムの診断をもらってます・・
ここで紹介された本を買い 役立たせてもらってます
知能の低下はありませんが・・こだわりが強く自分の好きな事に夢中
それでも 沢山の家族で フォロー中です
良い方向に進められるように 導いております いつも、感謝です
by もーもー (2022-12-26 08:17)
df233285さん ありがとうございます。
数学がおもしろくいと言う友人を大変うらやましく思っていました。
高校の時、数ⅡBから徐々に離れてしまいました。
特別支援学級(知的)の担任時、算数の授業の終わり5分間を確保して、トランプを使った算数ゲームに取り組みました。1年間続けたところ、7名皆が喜んで取り組むようになり、子どもなりに自信をもつようになりました。
by ハマコウ (2022-12-26 13:10)
tyuuriさん ありがとうございます。
お教えいただいたように直したつもりですが、大丈夫でしょうか。
わたしの写し書きのミスですが、間違いに気付かないところに数学への姿勢がわかってしまいます。
リットルの表記は難しいですね。プリント作成の時にいつも悩んでしまいました。一太郎のℓを使っと、子どもたちから「これなあに」と言われますし。
by ハマコウ (2022-12-26 13:15)
もーもーさん ありがとうございます。
再任用として定年後も午前中のみの勤務(小学校)をしていますが、若い先生方の努力する姿を見るとすばらしいとよく思います。
わたしが若い頃は、よく先輩から声をかけてもらい、多くのことを教えていただきました。放課後、職員室で話す時間があったのですね。今は仕事に追われる状況で、そのような時間をとることが難しくなっています。声を上げていくのがわたしたち世代の役目ですね。
特別支援学級の担任を定年前の十年間続けましたが、自分に素直な子どもたちの指導に気持ちよく取り組むことができました。多くのことを学びました。一人ひとり違うのですが、周りの方が一生懸命に考えてくださる真剣さがお子さんに伝わるものと信じています。
by ハマコウ (2022-12-26 13:24)
"叱る人の所へ行け" は今の時代だとパワハラとか言われてしまうと。
緩く言ってもダメな人には響かないので改善もないのですが
時代的に仕方ないのかも・・・
by tai-yama (2022-12-26 23:11)
tai-yamaさん ありがとうございます。
確かにそうですね。書かれているのは昭和の初期、今の事態とは大きく違っています。
「叱る人のところに行け」と言われて、求めていく人はいてもかなり少なそうですね。
力があるのに自己評価が著しく厳しい子、力はないのに自己評価だけが高い子と、大まかに二極化しているように感じられる今、指導が難しい時代になっているように感じます。また、その余裕があれば良いのですが。
by ハマコウ (2022-12-27 08:20)
大変細かいことを言って申し訳ないのですが、「載る」(さい)は「載」で、「る」はいりません。
by tyuuri (2022-12-27 13:52)
tyuuriさん ありがとうございます。
できるだけ正しくに記しておきたいので直します。
また誤りがあれば教えてください。
by ハマコウ (2022-12-27 17:20)
分(ぶん)は、『塵劫記』(岩波文庫)によれば、分(ふん)です。ただし、註として、「のちに「ぶ」とも読む」とありますので、現在では、「ぶ」が普通でしょうね。
by tyuuri (2022-12-28 15:25)
tyuuriさん ありがとうございます。
用語の読みは難しいですね。気にもとめずメモしたことがわかります。恥ずかしいことですが。
by ハマコウ (2022-12-28 22:14)