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「小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?」適菜収 講談社α文庫 2018年 ① / 読書ノート「遠藤周作さんはこんなことを」 ⑦-「遠藤周作 人生には何一つ無駄なものがない」 鈴木秀子監修 海竜社 1998年 4【再掲載 2014.6】 [読書記録 一般]

今回は、適菜収さんの
「小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?」1回目の紹介です。



出版社の紹介には

「小林秀雄といえば、最初に来るのは難解な批評家という印象だろう。食わず
 嫌いの人もいるかもしれない。だとしたら、あまりにももったいない。いま
 読めば、現代日本社会の混乱の原因を小林がどれほど鋭く、正確無比に見通
 し、警告していたかを知って驚嘆するにちがいないからだ。半世紀も前から
 小林は、大衆化が招く悪を予言していた-「改革」という名の破壊を企む勢
 力の乱立に今こそ投げかける、真の保守=小林秀雄の明察。」
 
とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「小林秀雄の仕事 = 我々近代人は目の前にあるものが見えなくなってし
  まっている。だから世界も歪んで見える。そこでの問題の仕組みを批評に
より明らかにする」


・「『モーツァルトは現代の芸術家や思想家を毒している目的や企図というも
のを知らなかった』 小林秀雄」


・「『真似は尋常な行為である。(略)真似をするには、他人の存在が必要であ
る。両者は私たちの尋常な生活感覚の中ではひとつのもの』小林秀雄」


・「『解放された職人たちは、模倣しつつ独走に達する道を知らず、独創を言
いながら模倣ばかりしている』 小林秀雄」


・「『心の眼をもて』 本居宣長」



もう一つ、再掲載になりますが、
読書ノート「遠藤周作さんはこんなことを」⑦
「遠藤周作 人生には何一つ無駄なものがない」4 を載せます。



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☆「小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?」適菜収 講談社α文庫 2018年 ①

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◇はじめに
  小林秀雄の仕事
    ① 我々近代人は目の前にあるものが見えなくなってしまっている
    ② だから世界も歪んで見える
    ③ そこでの問題の仕組みを批評により明らかにする



◇小林秀雄の顔
 人を見る目  
   人は見た目で判断できる
 
 目は口ほどにものを言う  
   顔にこだわった
    - 言葉以上の情報

 
 なぜ明るい顔の人は成功しやすいか
   「人間はもっと顔(ツラ)がよくならなければ」


 暗黙知の次元

 
 酒癖が悪い小林  
   酒を飲んでは人に絡んだ

 
 バカは味がわからない
   真剣に生きている人間は、まずい酒は飲まないしまずいものは食べない

 
 すぐにものをなくす   
   水道橋のプラットホーム

 
 お化けの話  
   柳田の感受性が学問に大きな役割を果たした

 
 ベルグゾンと女性の夢
   「近代科学はどの部門でもつまるところその恩恵として数字を目指して
    いる。」
     ベルグソンは常識に従った
 

 概念の暴走   
   数値化したものを再度積み上げても元に戻らない
   小林の思想の根本にはゲーテの形態学観相学が存在する



◇フォーム、トーン、文体

 小林の仕事
   小林
    「モーツァルトは現代の芸術家や思想家を毒している目的や企図とい
     うものを知らなかった」
   ◎ 大切なものは目的化ではない、現に歩いているその歩き方である
 

 なぜ目の前にあるものが見えないのか
   動いているものは概念により息の根を止められた
 
  
 メタルト・ボスとハイデッガー
   「一つの沈黙を探す過程が小説であるといってよい」
   → 技術、フォーム、トーン、文体を重視した
 
 
 具体的技術
  「文学者にとって最も本質的なことはトーンをこしらえること」
 
 
 泳ぐということ
   「批評とは己の夢を懐疑的に語ることではないのか」
    ‐ 「企図」や「野心」の否定
    発見とは閃きではなく、目に見えないものに対する信頼の成果である
                                                               
 オリジナル幻想
   小林の妹の高見沢潤子は漫画家・田川水泡に嫁いだ
      ◎高見沢潤子「兄小林秀雄との対話」
   

 アリストテレス
   「芸術は模倣の様式である」
 独創は近代人の幻想にすぎない
    そもそもオリジナルなものが現在に発生するわけではない
  
 
 独創のばかばかしさ
   小林
    「真似は尋常な行為である。(略)真似をするには、他人の存在が必要
     である。両者は私たちの尋常な生活感覚の中ではひとつのもの」
    
   ◎ 今の日本では生きた芸能はものまねだけである
 
  
 歌とはものまねである
   平家物語
    ― 聞くもの 
       言葉と言葉の発生は同じ
    
   モーツァルトが独走を行うことができたのはものまねを極めたから
     = 世阿弥のいう「型破り」と同じ
      「秘すれば花」
                                           ◎ 最初から「型」がなければ、単なる「型なし」だ
   
  
 近代人はうぬぼれて傲慢になった
  「解放された職人たちは、模倣しつつ独走に達する道を知らず、独創を言
   いながら模倣ばかりしている」
 
  
 素読的方法
   リズムが型をつくる


 教養とは型である。
   ◎ 近代人は分解して解析しないと気が済まない。型は分析できない。 
    相互の連関である
 
  
 本居宣長
   古典という歴史事実に注目せよ 
    ◎「心の眼をもて」








☆読書ノート「遠藤周作さんはこんなことを」 ⑦ 「遠藤周作 人生には何一つ無駄なものがない」 鈴木秀子監修 海竜社 1998年 4【再掲載 2014.6】

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◇神は存在でなく働きである
  
□神は我々の中で密かに働く


□神は存在でなく働きである
  「嫌い」「憎い」は祈り 
   信じているからこそ

  神とは自分の中にある働きだ
 神
     = ① 後ろから背中を押してくれる
   ② 私を存在させる場
  意志 + α
  

□自分の弱さを知るものは他人の哀しみに共感できる
  イエスの教え
   (1)絶対化するな
(2)より高きものに移行せよ

◎ 高見から他人を裁く資格はない
  |
    ◎ イエスは十字架の上で小さな命を捨てたが,そのかわり大いな
     る生命体(神)のところにかえったという信念(弟子)
      = 再発見

  弟子  
    自分が裏切った師は自分たちを憎み恨み怒っていたのではなかった。
自分たちの弱さを理解し,その許しを神に願った。

◎ イエスの復活
     -  彼が大いなる生命の中に戻ったという確認
  

□永遠の同伴者を求めて


□宗教の始まるところ
   コルベ神父 
     二つの宗教 父なる宗教 と 母なる宗教
◎ 日本人の中には家族教
  

□99%の疑いと1%の希望,それが信仰である
   恐れと畏れ
     恐れる
       ~ 恐怖が
畏れる
       ~ 相手への尊敬が根底にある
恐れてはいけない。しかし,畏れるべし 

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