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キーワード 読書について27-「あの本にもう一度」吉原敦子 文藝春秋 1996 / 特集の言葉「運命を開く」  『致知』2005年3月号より【再掲載 2015.1】年 [読書記録 一般]

今回は、5月1日に続いて、キーワード「読書について」の紹介27回目、
吉原敦子さんの「あの本にもう一度」を紹介します。



出版社の案内には、


「昭和22年から昭和53年の間に出されたベストセラーの作者(山口瞳、渡辺
 淳一、五木寛之、城山三郎、堀江謙一、小野田寛郎、住井すゑ等々23名)
 にインタビューし、その作品誕生の秘話を探りつつ、吉原氏の巧みな観察力
 と筆致で『時代の本』とその著者の肖像を描いた作品です。『諸君!」で2年
 間近く連載されたものですが、ベストセラーを通じて、『戦後史』の歩みを
 綴ったユニークな読書論&時代史となっています。」


とあります。




今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「昭和22年 東京地裁の山口良忠判事が配給守り闇米拒み栄養失調死」


・「『農業基本法』が公布され、農業から工業への労働人口の大量流出・食糧自
  給率の大低下が進んだ。それと共に、子供の評価の一元化が非常に進んだ」


・「今の日本の悲劇は,金のある人は教養がない,教養のある人は金がない点」


・「時間と空間の前ではすべての生物が平等 - 老子」




もう一つ、再掲載になりますが、月刊誌『致知』2005年3月号の
特集の言葉「運命を開く」を載せます。


昨日の朝、自町の浜松まつり会所であるお宮の清掃がありました。
前夜祭から5日間にわたる浜松まつりが無事閉じ、ほっとしています。



今週、来週と大河ドラマの内容は三方ヶ原の戦いだということです。
家康が浜松城への退却時、殿を務めた本多忠真が討死しました。
その嫡男菊丸はその後出家しましたが、彼が興したのが、
浜松市南区の真宗高田派の寿福寺だと言われています。
瓦の文は本多立ち葵でしょうか。
IMG_1741.jpegIMG_1742.jpegIMG_1745.jpeg

寿福寺には家康の文書が残っています。

-【樹福院】つぎは天正十一年十二月七日遠江浜松荘樹福院(当市倉松町、現寿
 福寺)観音領に棟別等の免除を承認した判物である。それには「権中将□□家
 康(花押)」とある。割合に新しく「藤原」の二字を削った痕跡が認められる(内
 田旭「新発見の古文書藤原家康判物」『遠江郷土研究会誌』第一号)。
浜松市文化遺産デジタルアーカイブより




<浜松のオリーブ園>

浜松にもオリーブ園ができました。
和Olieve 園のサイト





ふじのくに魅力ある個店
静岡県には、個性ある魅力ある個店がいくつもあります。
休みの日に、ここにあるお店を訪ねることを楽しみにしています。
機会があれば、ぜひお訪ねください。
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<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>

  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。






☆キーワード 読書について27-「あの本にもう一度」吉原敦子 文藝春秋 1996年
 
1.jpg

◇石井桃子 
  『ノンちゃん雲に乗る』昭和22年 100万部

昭和22年 東京地裁 山口良忠判事 配給守り闇米拒み栄養失調死
教育基本法・学校教育法

 
◇無着成恭
  『山びこ学校』昭和26年 100万部

   曹洞宗一鍬山福泉寺住職・千葉県香取郡

   昭和39年~  
     TBSラジオ「全国こども電話相談室」回答者
「へその緒の授業」

   昭和36年を境に変わった
    ~ 「農業基本法」公布
農業
        → 工業への大量流出・食糧自給率の大低下
→ ◎ 子供の評価の一元化が非常に進んだ

 
◇南博   
  『日本人の心理』昭和28年 45万部

   日本人の心理 
      医学 → 哲学 九鬼周造 京都大学・コーネル大

   意識革命・別居結婚
 

◇藤島泰輔
  『孤獨の人』昭和31年 30万部

  皇太子殿下 - 気の毒論 
     皇太子の同級生で三島由紀夫の弟子
「節操も威厳もない日本の政治家のお陰で日本の評価も地に墜ちて
      いくばかり。皇室と宮中晩餐会のお陰で何とか日本人は誇りを維
      持できているんじゃないですか。」


   ◎ 天皇は雲の上にあった方がいい

   「今,日本の悲劇は,金のある人は教養がない,教養のある人は金がな
    い点」 ~ フランス・ソサエティ

 
◇謝国権  
  『性生活の知恵』昭和35年 300万部

モデル人形写真
男性と女性との心のコミニュケーションの重要性
- セックスはもめ事の解決策でなくご褒美
精神的に惹かれ合う男女のスキンシップ

 
◇住井すゑ
  『橋のない川』昭和36年 400万部

   部落解放同盟 
     機関誌『部落』に連載

   知れば知るほど人間の愚かさが全部出てくる

   大人のための童話
家は豪農 
       老子 - 時間と空間の前ではすべての生物が平等
貴賤のはかりは何か?

 







☆特集の言葉「運命を開く」  『致知』2005年3月号より【再掲載 2015.1】

 過日、古い友人に頼まれ、ある大学で学生に話す機会があった。


 教授に伴われて教室に入った途端、唖然とした。百人ほど入れる教室。前方
はほとんど空席で、50人ほどが後方に固まっている。


 それもジュースを飲んだり食べ物を頬張ったり、教授の姿を認めても様子に
変化はない。挨拶するでなし、私語がとめどもない。


 正直、これが大学生かと思った。


 そこには授業に向かう緊張感も講義に対する好奇心も、いささかも感じられ
ない。どんよりした倦怠感が漂うばかりである。


 まず前方の席に詰めてもらった。


 きびきび移る学生は一人もいない。口にこそ出さないが、迷惑げな気配があ
りありである。若者たちがよく口にする「かったるい」とはこのことかと思っ
た。


 その時点で、準備していったすべてを話すことは放棄した。


 話題を絞り、質問を発し、感想文を書いてもらい、拙いなりに関心を引くよ
うに努めて一時間半の責任を果たした。


 帰途、電車の中で彼らの感想文を読んだ。


 おや、と思った。


 当方の伝えたかったことをそれぞれが真剣に受け止めていた。


 教室をおおっていた倦怠感とこの感想文の落差は意外だった。


 思うに、彼らも立派な感受性を備えているのだと思う。


 ただ、心をコップに例えれば、心のコップがきちんと立っていないのだ。


 心のコップが倒れたり引っくり返ったりしていては、いくら水を注いでもこ
ぼれるばかりである。


 彼らは心のコップが立たないまま20歳近くまで人生を歩んでしまったので
はないか。


 焦点の定まらない生き方を心から惜しいと思った。


 運命とは定まっているものではない。


 自ら選び、ひらいていくものである。


 そのためには心のコップを立てなければならない。


 それをなすのが教育である。



 教育は心のコップを立てることから始まるといっても過言ではない。


 まず心のコップを立てる-運命をひらく第一条件である。
 

 第二の条件は、決意すること。小さなことでいい。小さなよきことを決意する。そこ
から運命の歯車は回転していく。


 そして決意したら、それを持続すること。


 花は一瞬にして咲かない。

 木も瞬時には実を結ばない。

 自明の理である。


 次に、「敬するもの」を持つこと。

「敬するもの」とは人が心の中に持った太陽である。すべての生命は太陽に向
かって成長する。心も また敬するものを持つ時、それに向かって成長する。


 最後に、「縁」を大事にすること。


 縁を疎かにして大成した人は一人もいない。



 「不幸の三定義」というのがある。友人の西田文郎氏から聞いた。


 一 決して素直に「ありがとう」といわない人

 一 「ありがとう」といっても、恩返しをしない人

 一 「ありがとう」と唱えただけで恩返しはできたと思っている人


 縁のある人に、この逆のことを心がけていくところに、運命をひらく道があ
る。


 心したいことである。

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コメント 2

coco030705

吉原敦子さんの「あの本にもう一度」は面白そうですね。買ってみます。
by coco030705 (2023-05-10 19:16) 

ハマコウ

coco030705さん ありがとうございます。
このように書いていただけると大変うれしく感じます。
30年近く前の古い本ですが、
今でもおもしろく読むことができると思います。

by ハマコウ (2023-05-10 21:07) 

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