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「無敵の生き方」小林正観 廣済堂出版 2009年 ② /「歴史の風景」木村尚三郎 山川出版社 2003年 ④【再掲載 2015.7】 [読書記録 一般]

今日は11月20日、水曜日です。



今回は、11月17日に続いて、小林正観さんの
「無敵の生き方」の紹介 2回目です。


出版社の案内には、

「無敵とは、敵がいないこと―。無敵とは、闘わないこと―。無敵とは、
 受け入れること―。すべてを受け入れることで、楽に生きられるので
 す。」

とあります。



今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「親が楽しそうに生きていると子どもは親の背中を追うようになる」


・「現象そのものに色は付いていない。わたしたちが勝手に『嬉しい』
とか『悲しい』とか色を付けている。その現象をどう受け止めるか
は自分次第」


・「思い通りしようとするから悩みが発生する。そうでなければならな
いという思いを捨てよう」


・「人生で大事なこと大事でないことの区別はない。すべてが同じ重さ」


もう一つ、再掲載になりますが、木村尚三郎さんの
「歴史の風景」④を載せます。



☆「無敵の生き方」小林正観 廣済堂出版 2009年 ②

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◇思いを捨てると無敵になる                   

 本当の幸せは努力して手に入れるものではない
幸せとは感じるもの気づくもの


 世の中を暗いといって嘆くより自ら光ってその闇を照らせ
親が楽しそうに生きていると子どもは親の背中を追うようになる


 思いをもたなければ争うこともない 
   感謝は相手に要求するものではない


 悩みはあなた自身が作り出している 
世の中に自分の思いとおりになることは1つもありません
   悩みが多いと目のしわも手のしわも多くなる


 現象そのものに色は付いていない。わたしたちが勝手に「嬉しい」
 「悲しい」色を付けている 
   その現象をどう受け止めるかは自分次第


 自分が恵まれていることに気づくこと、それが幸せになるということ


 すべてにおいてあなたが投げ掛けたものは必ずあなたに返ってくる
 怒りの念はさらなる怒りの念を生み、自分が投げ掛けたものは
   どのような形であれ返ってくる


 「鳴かぬなら鳴かなくていいホトトギス」
   思い通りしようとするから悩みが発生する    
   松良清(1766~1841) 
「甲子夜話」 
      ・なかぬなら殺してしまえ時鳥     織田右府
・鳴かぬとも なかして見せふ 杜鵑  豊太閤
・なかぬなら 鳴くまで待とう 杜鵑  大権現様

 ※ そうでなければならないという思いを捨てよう



◇頼まれたことが人生を変える

 喜ばれる存在とは頼まれごとをされる存在
わたしたちは喜ばれる存在として生きて初めて人間となる


 断わっていい頼まれごともある
不安があるなら「引き受けられない」と伝えることが、物事を
   スムーズに流す方向


 人生で大事なこと大事でないことの区別はない 
   すべてが同じ重さ


 お任せするとおもしろい人生になる 
   <自我 + お任せ = 百>
   

 遠慮することは驕り、高ぶり、傲慢という 
いただいたお金は人に喜ばれるように使えばいい


 ありがとうをたくさん言うと、ありがとうの気持ちにあふれた人が集
 まってくる
   

 楽しい
  ~ 嬉しいことをどんどんすると頼まれごとが増えていく
  

 「今のあなた」ができることをやっていく







☆「歴史の風景」木村尚三郎 山川出版社 2003年 ④【再掲載 2015.7】

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◇左足
 
 たとえば右足を、一歩前に出したとき、何も動いていない左足のほう
は「非番」かというと、そんなことはない。


 左足が足を地につけ、右足が踏み出しいいように扶けているからこそ、
右足は出ることが出来るのだ。


 こう喝破したのは、往年の人気大衆作家、長谷川伸(1884~1963)であ
る(『石瓦混淆』)。


 彼は『瞼の母』や、『一本刀土俵入』のような股旅物、そして草分け
的なドキュメンタリー『日本捕虜志』などを書いたが、つねに心は大衆、
庶民への共感にあった。


 明治維新の歴史といえば、一部の「右足」だけにスポットライトがあ
てられるが、「左足」と見做される博徒や盗賊だって、「右足」が前に
出るにはちゃんとそれなりの役を果している、と彼はいう(『相楽総三
とその同志』)。

 この言葉はまことに正しく、重味がある。
 

 しかし、だからといって急に勇み立ち、「左足」は大切だと民衆の積
極的貢献ないし関与をいい立てる、「民衆史観」に与したいとは思わな
い。


 しかし、少なくとも「左足」の存在があったればこそ、「右足」が
「右足」たりうることは、確かである。


 不況だからとリストラして、「左足」を切って捨てることしか考えな
ければ、「右足」もその意味を失い、企業は駄目になる。


 最後の晩餐に際し、イエスは上着を脱ぎ、たらいに水を入れて弟子た
ちの足を洗い、腰に巻いた手拭いでふいた(「ヨハネ福音書13-5)。


 奴隷が主人にした奉仕であり、わが国なら、宿屋の女が到着の客にした
サービスである。この愛と奉仕を拒む者は私と関わりがない、とイエスは
シモン・ペテロにいう(「同書」13-8)。


 「左足」あっての「右足」であり、弟子たちあってのイエスである。


 同じく、諸外国あっての日本であり、過去の歴史あっての現在である。


 古代ローマやヨーロッパ中世の研究者であっても、他方で現代なり日
本なりに強烈な関心を抱くとき、歴史と現在は「左足」と「右足」の関
係に変る。


 互いに扶け合い、奉仕し合いながら、認識を深め合うということであ
る。



◇かりそめの‥

 1994年に百万枚以上の売り上げを記録したCD(シングル)を、18枚
も生んだ日本音楽界のヒットメーカー、小室哲哉氏に会う機会があった。


 音楽プロデューサーであり、作詞家であり、作曲家である。


 作詞家としての売上枚数565万枚(55億7千万円)、作曲家としての
売上枚数610万枚(59億4千万円)である。


 野球の野茂選手と同じく、時代の大型新人であることは間違いがない。


 彼が売る中味は、「歌って踊れるカラオケ」である。


 そして売る相手は、15歳前後の中学・高校生である。


 皮膚の色も髪の毛の色も違う若者たちが、男も女も、歌いながらタン
タカ、タンタカと踊る。


 そういった映像を、彼は創る。


 曲自体は、まことに分りやすい。簡潔、ないしは単純そのものである。


 しかもクールな清潔感があり、肉感的な感じはない。


 要するに、野菜サラダの風味である。

 
 と同時に、そこには歌詞にも曲調にも、一見の明るさ、激しさとは裏
腹に、一種の悲しみすら漂っている。


 そこに、現代の若者たちの心象風景を見てとることができるように思
う。


 子どもと大人の境い日の、15歳のころに何を体験したかが一生を支
配するともいわれる。


 今の青少年たちが身も心も、全身で体験しつつあるのは時代の不安で
ある。


 一人ではいられず、じっとしてもいられず、居合わせた人たちが自然
に歌い出し、踊り出す。


 全世界的に、である。


 だからこそ人前で歌うカラオケが、これまた全世界的に拡まりつつあ
る。


 「男も女もともに飲み、兵士も僧侶もともに飲み、白も黒も、金持ち
  も文無しもともに飲み…」。


 13世紀ヨーロッパの若い遊行僧たちが歌ったとされる、「カルミナ・
ブラナ」のような漂流する魂の、かりそめの集いのときが始まろうとし
ている。
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駄洒落好きな庭師

「無敵の生き方」は兵庫県知事にご一読いただきたい本と思いました。
by 駄洒落好きな庭師 (2024-11-20 07:35) 

ハマコウ

駄洒落好きな庭師さん ありがとうございます。
自分が喜ばれる存在でありたいと思っても、
なかなか思うようにはならないものですね。
実際にそうならなくても、思い続けることは大切ですね。
by ハマコウ (2024-11-20 08:47) 

いっぷく

>暗いといって嘆くより
暗いと不平を言うよりもすすんで灯りをつけましょう、とどこかで聞きました。カトリック教会でしたね。似てますね。自分で困難を打開しろということかな。
by いっぷく (2024-11-20 21:28) 

萌田かずきち

前にもコメントしましたが、木村尚三郎さん監修の歴史漫画が好きで未だにたまに読みますが要点をわかりやすく纏める点が特に参考になりますね。ナポレオン・ジャンヌダルクは持ってますが特にジャンヌダルクは可愛くてお気に入りです(*´ω`*)。
by 萌田かずきち (2024-11-21 02:59) 

ハマコウ

いっぷくさん ありがとうございます。
ラジオ番組「心のともしび」のナレーションを思い出しました。
自分が動いてもがくと、確かにそちらに集中して周りが気にならなくなるかもしれません。
by ハマコウ (2024-11-21 06:25) 

ハマコウ

萌田かずきちさん ありがとうございます。
木村尚三郎さんは日本、世界の学習歴史漫画を監修されているのですね。歴史漫画のおかげでレキし好きになったという方も大勢いるでしょうね。おもしろい絵のおかげで内容がわかりやすく、大人も楽しめます。

by ハマコウ (2024-11-21 06:31) 

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