「忘れないでおくこと 随筆集あなたの暮らしを教えてください2」暮しの手帖社 2023年 ③ /「教師の生き方・考え方」国分康孝 金子書房 1995年 ⑤【再掲載 2016.10】 [読書記録 一般]
今日は1月19日、日曜日です。
今回は、1月16日に続いて、暮しの手帖社の
「忘れないでおくこと 随筆集あなたの暮らしを教えてください2」
3回目の紹介です。
出版社の案内には、
「豪華執筆陣で贈る珠玉の随筆集『あなたの暮らしを教えてください』は、
『暮しの手帖』の本誌と別冊に寄せられた「暮らし」がテーマの随筆作
品を選りすぐり、全4冊にまとめたシリーズです。
第2集は、日々の気付きにまつわるお話を集めています。当時の話題に
触れて感じたこと、近所の猫やお店のこと、仕事や家事を通しての発見
や、趣味や学びのなかで思うことなど、小さな日常をいつくしみたくな
る一冊です。
とあります。
もう一つ、再掲載になりますが、國分康孝さんの
「教師の生き方・考え方」⑤を載せます。
☆「忘れないでおくこと 随筆集あなたの暮らしを教えてください2」暮しの手帖社 2023年 ③

◇過去から見る未来 赤川次郎
山のように買い込んで、見ていないDVDが並んだ我が家の棚を眺めてい
て、先日ふと目に止った一本を取り出して見た。
1971年のアメリカ映画、『ラストショー』。
当時、日本でも外国映画の第一位に選ばれた傑作だ。
アメリカ西部のさびれた田舎町。
ただ一軒の映画館が、後継者がなく、閉館することになる。
その最後の上映が、原題の『ザ・れラストピクチャーショー』である。
高校を出ても行き場のない少年たちの、やり場のない焦燥感。
憧れの女の子を巡る乱闘。高校教師の夫に構われない孤独な妻が高校生と
の情事に溺れる…。
何もない荒涼とした風景の中に、繁栄から取り残された田舎町の人々のド
ラマが描かれる。
今見てもモノクロの画面が心にしみる名作である。
このDVDを買ったときには気付かなかったのだが製作から何十年もたっ
て、監督や役者たちにインタビューした映像が特典として付いていた。
この作品からは、ジェフブリッジス・シビルシェパ-ドなどのスター
が育っている。
監督、ピーターボグダノヴイッチのインタビューは、やや重苦しいもの
だった。
ボグダノヴイッチにとって、『ラストショー』は監督第二作。
この前には『殺人者はライフルを持っている』という低予算のB級アク
ション映画があるだけだ。
演劇や小説と違って、映画は感性の生み出す部分が大きく、その点では音
楽に近い。
年齢をとったからいいものができるとは限らないのである。
ボグダノヴイッチも、「こんなに早く傑作を撮ってしまうと、後が大変なん
だ…」と苦い口調で語っている。
『ラストショー』の後、話題になったのは、テイタムオニールが史上
最年少でアカデミー助演女優賞をとった『ペーパームーン』くらいで、82
歳で亡くなるまで、『ラストショー』に並ぶ作品は撮っていない。
「早過ぎた傑作」が、大きなプレッシャ-になっていたことは事実だろう。
『ラストショー』の中で最後に上映されるのは、ジョン・ウェインの西
部劇『赤い河』である。
アメリカが開拓者精神で、ひたすら前進していた時代を象徴する映画を見
せることで、現実の映画館の外の、乾いた風が吹き抜ける町の寂しさを際立
たせている。
主人公の若者の一人は軍隊に入り、かって殴り合いをした友人と固く抱き
合って別れる。
考えてみれば、行き場のない若者たちの閉塞感は、今の日本の空気とも似
ている。
アメリカの「負の部分」を追いかけている日本。
非正規労働者が溢れる一方で、仕事のない若者たち、老いた親の介護によ
る失業…。
政権がこの現実に何も手を打たないのは、若者たちが「軍隊にでも行くし
かない」状況を作りたいからなのかもしれない、とふと思った。
2014年9月
☆「教師の生き方・考え方」国分康孝 金子書房 1995年 ⑤【再掲載 2016.10】

◇やる気を起こす
- やる気の根源は興味と必要性
□方法1<将来志向>
先が見えているときは,今どうすればよいか判断が付きやすい
- 生徒にやる気を起こさせるには将来の人生計画をさせる
キャリア・ガイダンス キャリア・カウンセリング
(例)
・様々な職域から人を招いて体験を語ってもらう
・アルバイト・ボランティア活動で実社会に触れさせる
・相互に自己開示
ポイント
① 自分の興味を発見させる
② 必要性を自覚させる
③ 現実条件を検討してどういう方法なら興味と能力の両方を
発揮できるかを計画する。
④ キーパーソン(模倣の対象)に出会う機会をつくる。
□方法2<人間関係の中での自分>
人生がおもしろい
= 他者との心のふれあいがある
仲間同士のリレーション
個の自覚が高まる
「自分がしっかりしないと自分の人生は動かない」という真剣
な気持ちにさせてくれる
外界に対して好意的になる
対人関係が少ない生活では,人間集団はなじみにくい。
定年になって元気がなくなる高齢者と原理は同じ。
どうすれば生徒同士のリレーションが深まるか工夫すればよい
スポーツ サークル 構成的グループエンカウンター
ワンネス(二人が一つの世界を分かち合う)とアイネス(人にはそ
れぞれの世界がある)この二つの体験が人をやる気にさせる。
□方法3<人の役に立つ>
他の人間に対して役に立つ
→ 人にノートを貸す 病欠の友人に電話 人の勉強を手伝う
老人をいたわる 掃除をする クラス委員を務める
= 自分の居場所を自分で作る
「情けは人のためならず」
自分の周りの人に自分のできることをする
まずアクション それにつれて感情も出てくる
役割分担はグループを活性化し,ドロップアウトを予防し各自の居
心地を良くする。
□方法4<フラストレーション>
フラストレーションに耐えるから,このフラストレーションを乗
り越えるためにどうすればよいかという意欲が湧く。
フラストレーションのない生徒(例 過剰保護)は,不快感が少
ないから燃える材料がない。
ハングリー精神がない
- 現実原則(例 比較される・ルールがある・我慢はつきもの)
を提示する気力が教師にないと生徒の意欲は高まりにくい。
今回は、1月16日に続いて、暮しの手帖社の
「忘れないでおくこと 随筆集あなたの暮らしを教えてください2」
3回目の紹介です。
出版社の案内には、
「豪華執筆陣で贈る珠玉の随筆集『あなたの暮らしを教えてください』は、
『暮しの手帖』の本誌と別冊に寄せられた「暮らし」がテーマの随筆作
品を選りすぐり、全4冊にまとめたシリーズです。
第2集は、日々の気付きにまつわるお話を集めています。当時の話題に
触れて感じたこと、近所の猫やお店のこと、仕事や家事を通しての発見
や、趣味や学びのなかで思うことなど、小さな日常をいつくしみたくな
る一冊です。
とあります。
もう一つ、再掲載になりますが、國分康孝さんの
「教師の生き方・考え方」⑤を載せます。
☆「忘れないでおくこと 随筆集あなたの暮らしを教えてください2」暮しの手帖社 2023年 ③

◇過去から見る未来 赤川次郎
山のように買い込んで、見ていないDVDが並んだ我が家の棚を眺めてい
て、先日ふと目に止った一本を取り出して見た。
1971年のアメリカ映画、『ラストショー』。
当時、日本でも外国映画の第一位に選ばれた傑作だ。
アメリカ西部のさびれた田舎町。
ただ一軒の映画館が、後継者がなく、閉館することになる。
その最後の上映が、原題の『ザ・れラストピクチャーショー』である。
高校を出ても行き場のない少年たちの、やり場のない焦燥感。
憧れの女の子を巡る乱闘。高校教師の夫に構われない孤独な妻が高校生と
の情事に溺れる…。
何もない荒涼とした風景の中に、繁栄から取り残された田舎町の人々のド
ラマが描かれる。
今見てもモノクロの画面が心にしみる名作である。
このDVDを買ったときには気付かなかったのだが製作から何十年もたっ
て、監督や役者たちにインタビューした映像が特典として付いていた。
この作品からは、ジェフブリッジス・シビルシェパ-ドなどのスター
が育っている。
監督、ピーターボグダノヴイッチのインタビューは、やや重苦しいもの
だった。
ボグダノヴイッチにとって、『ラストショー』は監督第二作。
この前には『殺人者はライフルを持っている』という低予算のB級アク
ション映画があるだけだ。
演劇や小説と違って、映画は感性の生み出す部分が大きく、その点では音
楽に近い。
年齢をとったからいいものができるとは限らないのである。
ボグダノヴイッチも、「こんなに早く傑作を撮ってしまうと、後が大変なん
だ…」と苦い口調で語っている。
『ラストショー』の後、話題になったのは、テイタムオニールが史上
最年少でアカデミー助演女優賞をとった『ペーパームーン』くらいで、82
歳で亡くなるまで、『ラストショー』に並ぶ作品は撮っていない。
「早過ぎた傑作」が、大きなプレッシャ-になっていたことは事実だろう。
『ラストショー』の中で最後に上映されるのは、ジョン・ウェインの西
部劇『赤い河』である。
アメリカが開拓者精神で、ひたすら前進していた時代を象徴する映画を見
せることで、現実の映画館の外の、乾いた風が吹き抜ける町の寂しさを際立
たせている。
主人公の若者の一人は軍隊に入り、かって殴り合いをした友人と固く抱き
合って別れる。
考えてみれば、行き場のない若者たちの閉塞感は、今の日本の空気とも似
ている。
アメリカの「負の部分」を追いかけている日本。
非正規労働者が溢れる一方で、仕事のない若者たち、老いた親の介護によ
る失業…。
政権がこの現実に何も手を打たないのは、若者たちが「軍隊にでも行くし
かない」状況を作りたいからなのかもしれない、とふと思った。
2014年9月
☆「教師の生き方・考え方」国分康孝 金子書房 1995年 ⑤【再掲載 2016.10】

◇やる気を起こす
- やる気の根源は興味と必要性
□方法1<将来志向>
先が見えているときは,今どうすればよいか判断が付きやすい
- 生徒にやる気を起こさせるには将来の人生計画をさせる
キャリア・ガイダンス キャリア・カウンセリング
(例)
・様々な職域から人を招いて体験を語ってもらう
・アルバイト・ボランティア活動で実社会に触れさせる
・相互に自己開示
ポイント
① 自分の興味を発見させる
② 必要性を自覚させる
③ 現実条件を検討してどういう方法なら興味と能力の両方を
発揮できるかを計画する。
④ キーパーソン(模倣の対象)に出会う機会をつくる。
□方法2<人間関係の中での自分>
人生がおもしろい
= 他者との心のふれあいがある
仲間同士のリレーション
個の自覚が高まる
「自分がしっかりしないと自分の人生は動かない」という真剣
な気持ちにさせてくれる
外界に対して好意的になる
対人関係が少ない生活では,人間集団はなじみにくい。
定年になって元気がなくなる高齢者と原理は同じ。
どうすれば生徒同士のリレーションが深まるか工夫すればよい
スポーツ サークル 構成的グループエンカウンター
ワンネス(二人が一つの世界を分かち合う)とアイネス(人にはそ
れぞれの世界がある)この二つの体験が人をやる気にさせる。
□方法3<人の役に立つ>
他の人間に対して役に立つ
→ 人にノートを貸す 病欠の友人に電話 人の勉強を手伝う
老人をいたわる 掃除をする クラス委員を務める
= 自分の居場所を自分で作る
「情けは人のためならず」
自分の周りの人に自分のできることをする
まずアクション それにつれて感情も出てくる
役割分担はグループを活性化し,ドロップアウトを予防し各自の居
心地を良くする。
□方法4<フラストレーション>
フラストレーションに耐えるから,このフラストレーションを乗
り越えるためにどうすればよいかという意欲が湧く。
フラストレーションのない生徒(例 過剰保護)は,不快感が少
ないから燃える材料がない。
ハングリー精神がない
- 現実原則(例 比較される・ルールがある・我慢はつきもの)
を提示する気力が教師にないと生徒の意欲は高まりにくい。
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