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「学力と階層」苅谷剛彦 朝日新聞社 2014年 ② /「幸福な死に方」鈴木秀子 同朋舎 2001年 ②【再掲載2016.12】 [読書記録 教育]

今日は1月26日、日曜日です。


今回は、1月23日に続いて苅谷剛彦さんの
「学力と階層」の紹介 2回目です。


出版社の案内には、

「学習資本の階層差がますます拡大する日本の教育。出身階層という社
 会的条件の違いが子どもたちにもたらす決定的な差について警鐘を鳴
 らす。90年代以降、迷走を続けた教育政策を豊富なデータとともに
 検証。学力問題の第一人者が説く処方箋。」

とあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「現行基本法でも新しい時代に対応できるのだが、改革が文科省以外
の立場で決められている。放置すれば教育の市場化と予算の削減が
進む」


・「日本では財政的裏打ちにより標準化の進んだ義務教育となっている。
  アメリカでは教育の分権化により格差が課題となっている」


・「義務教育の人件費は全国平均は59.7万円/人である。高知県は86.5万
円/人と埼玉県の46.9万円/人の1.8倍となっている。ちなみに静岡県
は50万円/人。義務教育機会の不均等化は経済格差を生むと考えられ
れないか」



もう一つ、再掲載になりますが、鈴木秀子さんの
「幸福な死に方」②を載せます。



☆「学力と階層」苅谷剛彦 朝日新聞社 2014年 ② 

1.jpg

◇義務教育の機会は平等に保たれているか
 
1 教育基本法改正が地域格差をもたらす
教育への資源配分が切りつめられる 
     今回の改正「妥協の産物」

   改革が文科省以外の立場で決められている

   現行基本法でも新しい時代に対応できる

   放置すれば教育の市場化と予算の削減が進む

 
2 多様な価値観を否定する徳育教育
自民党がなぜ道徳教育にこだわるのか
① 社会不安の解消 
      ② 戦後民主種主義価値観の転換

   特定の価値観の押しつけを排した旧基本法
旧法 … 抽象的レベル 
          「メタレベルの理念体系」
新法 … 5つの価値理念 
          ベタな徳目主義

   旧法が直接の教育対象を設定しなかった意味
「価値観むき出し」は賢い選択なのか?

   メタなレベルの理念かベタな徳目主義か
価値の内実を共有する共同体をベタに構築しようとする本音が
     含まれているから

 
3 学習指導要領は学力を保証できるか
学力低下で見直し論議に火が点いた
公立小中 61万人の教員
        40~50代がピーク→教員不足と質の劣化の時代
   財政だけにとどまらず,教育行政の仕組みと一層分権化しようと
   いう動き
  じっくり学べる時間を確保して基礎力を付ける
  教育に於ける人材難とさらに分権化の流れ
   ~ 小4・5 読み書き算  基礎
= 学年の上昇に連れ国による縛りを緩めていく

 
4 義務教育の不均衡化は経済格差を生む
義務教育は教育の機会均等を実質化する
義務教育
      -「機会均等」の原則,「無償制」の原則

   普通教育(共通の) 
     少子化と教職員の高齢化が義務教育の費用負担に影響

   子どもは生まれ育つ家族,居住する地域を選べない
子どもの社会化は地域という狭い空間の圏域内で行われる

   業績や達成の条件を均等に見えるようにする
日本 … 標準化の進んだ義務教育 ← 財政的裏打ち
アメリカ … 教育の分権化 → 格差

   義務教育の人件費,高知は埼玉の1.8倍
義務教育費国庫負担制度
       1/2を国が負担+地方交付税
高知県 86.5万円/人 埼玉県 46.9万円/人
平均59.7万円 静岡 50万円/人
高齢化により 毎年3000~4000億円の負担増

   義務教育機会の不均等化は経済格差を生む








☆「幸福な死に方」鈴木秀子 同朋舎 2001年 ②【再掲載2016.12】

[ 出版社の案内 ]

死を恐れる前に、もっとよく死を知ることを大切にし、より深く
死について想うことにつとめよう。国際エニアグラムカレッジ代
表で臨死体験の経験者である著者が、人間の一生の重大な出来事
である死をどうとらえるかを説く。

1.JPG

◇「なんでわたしが」で始まる死の5つのステップ

 ◎「大切なのは知ることと愛すること」

  まばゆい光に出会う体験


  臨死体験の恵み 
    遠藤周作
    「ものすごく死を恐れている人が、もし、この話を聞いていた
     なら、死の床でかけかげえのない慰めを得るかもしれない」


  大宇宙との一体感


  人を幸せにする力


  デス・エデュケーション 死の教育
死の不安からの解放 
     「死を未知の領域に閉じこめ、死をタブー視すること」
死についての学びの重要性 ←→ 「いかに生きるか」
   「死生学」-サナトロジー


  エリザベス・キューブラー・ロス(精神科医)
    死への5つの段階 
      第1段階  否認
      第2段階  怒り  怒ってもいいという自覚
      第3段階  取引  神との取引
      第4段階  抑鬱
      第5段階  受容  
   「長い旅の前の最後の休養」第5段階 


  苦しみの意味


  苦しくても安らかな心
   「自分を愛しなさい」 - 幸せは日常の中に


  誰もが苦しみを乗り越える力を備えている
   「必要なものは、すべて自分の中にすでに与えられている」   
   明恵上人も
    = 問題もそれを解決する力もすべて自分の中にあることを示
     されている


  死は愛に満ちた体験
   返すことのできなかった愛を一生分注がれ、愛に満ちて死んで
   いくものと思われる。       
死ぬ瞬間 = 恵みに満ちた愛を体験する
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kome

文科省、解体して民間人を入れた組織にした方がいいなと個人的には考えています。
あと、地球環境の問題を取り込んでほしい。
by kome (2025-01-26 21:10) 

ハマコウ

komeさん ありがとうございます。
文科省には、取り入れた数ある「〇〇教育」の効果をふり返ることを行うことを希望します。社会教育、家庭教育で行うべきものがかなりあるように感じます。
by ハマコウ (2025-01-26 21:30) 

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