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『新版 静岡県伝説昔話集』(上巻)静岡県女子師範学校郷土研究会編 1994年 ⑨ [読書記録 郷土]

今回は、2月28日に続いて、静岡県女子師範学校郷土研究会編による
『新版 静岡県伝説昔話集』(上巻)9回目の紹介です。




静岡県、郷土の出版社、羽衣出版による、すばらしい本です。



今回は、「社、詞、寺の話その他」です。






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☆『新版 静岡県伝説昔話集』(上巻)静岡県女子師範学校郷土研究会編 1994年 ⑨



3 社、詞、寺の話その他

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(1)お孝姫様 (周智郡犬居町・現春野町)
 犬居町の小奈良安に、お孝と呼ばれる姫があった。だが、婦人の病で苦労し17歳で世
を去った。


 しばらくしての後である。


 やはり同じ病で苦労している婦人の夢枕に、お孝さんがあらわれて

「自分の墓を信仰してくれたら病気は治してやる」

と言って消えた。


 翌朝、目覚めた婦人は夢の中の事を考えながら起きようとした。

 
 すると、自分一人では動かす事の出来なかった体が、その日に限って不思議に気持ち良
く起きられた。

 そこで婦人は、これも夢の中の神様のお助けに違いないと、家の者にも賛成を受けて墓
へ出掛けた。


 そしてお花をあげたり水をあげたりして帰って来ると、その日から体は日増しに気持ち
良くなっていった。

 そうして何度も参詣しているうちに完全に治ってしまった。


 そしてその事が、だんだんと人々に伝わり大勢の参詣者が来るようになった。


 そのころ、お孝の家の人々は


「お孝のお墓へ、お花や水をあげに来る人や参詣に来る人があるがなぜだろう」


と不思議そうに話をした。


 そして、ある人から夢枕の話を聞いて驚き、そして喜び、他へ祠をたてて祀る事にした。


 それから人々の信仰はまた増えて、今ではかなり遠くまで聞こえている。


 その祀ってある所は林の中のささやかな建物ではあるが、お孝姫様在世当時の、人を救
おうとお思いになった美しい心掛けがしのばれる。

                                  (鈴木とし)






(2)鎌田 (磐田郡御厨村・現磐田市)
 御厨村に鎌田神明宮という社がある。


 昔、その御神体が舟から上陸される時に、鎌を投じて去った所であるから、鎌田という
ようになった。



 この鎌田袖明宮に願をかけて、かなうと、鎌を一つずつ奉納する。それで社殿には鎌が
沢山ある。                             (本多みち)












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