「日本がわかる思想入門」長尾剛 新潮社 OH文庫 2000年 ⑦ [読書記録 一般]
今回は 3月16日に続いて、長尾剛さんの
「日本がわかる思想入門」、7回目の紹介です。
出版社の案内には、
「ヨーロッパ哲学だけが人類の思想・哲学のすべてではない。古代から、中世、近世、近
代まで、各時代の日本思想にこそ、知的発見の楽しみが満ち溢れている。先賢に学ぶ40
のニッポン・オリジナル。」
とあります。
今回紹介するのは、
「慈円『愚管抄』」
「北畠親房『神皇正統記』」
「武士道の変化」
についてです。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆「日本がわかる思想入門」長尾剛 新潮社 OH文庫 2000年 ⑦
◇二つの書から日本人の歴史観
□慈円「愚管抄」
慈円(1155~1225)天台宗僧侶、歌人、天台座主4度
歴史が結果的に平和ならば運命 = 必然の結果
運命に従った時代(平和)
運命に逆らった時代(戦乱)
結果オーライの帰納的歴史観
□北畠親房「神皇正統記」
北畠親房(1293~1354)
帝王学の書「大日本は神国なり…」
歴代天皇の業績を一代ずつ順に97代後村上天皇まで
問題あった天皇は断固批判
「(天皇は)優れた治世者であらねばならない」
治世者の条件「正直さ・公平さ」
∥
生粋の貴族主義
天皇に立派さを求める = 支配される者の権利
◇武士道の変化
□本質は変わらず
① 下級武士-天皇
② 領主 = 土地所有者
土地がアイデンティティを支持
③ プロの戦闘者
殺生は罪として認識されない
□美意識が変わった
初期鎌倉武士
情的なつながり
「御恩と奉公」情的忠誠心
謡曲「鉢の木」
戦国時代
自分の信じる道を貫こうという自立性
↓
その家の正義「家訓」多分に道徳的なもの
<自己犠牲の精神から自立の精神へ>
二面性の美意識
◇室町の芸術貫く理念「幽玄」
□幽玄 「余情を楽しむ芸術的美意識」
今眼前の美しさだけ楽しむのではなく、そこに隠された姿の意味や美しさを想像するこ
とで感動に深みを与える
∥
現在の裏に隠された過去と未来 枯淡の美しさ
人の感動の豊かな表現
□世阿弥(1363~1443)
幽玄を高度に論理化し、自らの芸術の中で完璧に実践してみせた
~ 動きの間 「風姿花伝」花伝書
ほのかさこそが幽玄の大切な味わい
「美は滅ぶ運命だからこそすばらしい」
「日本がわかる思想入門」、7回目の紹介です。
出版社の案内には、
「ヨーロッパ哲学だけが人類の思想・哲学のすべてではない。古代から、中世、近世、近
代まで、各時代の日本思想にこそ、知的発見の楽しみが満ち溢れている。先賢に学ぶ40
のニッポン・オリジナル。」
とあります。
今回紹介するのは、
「慈円『愚管抄』」
「北畠親房『神皇正統記』」
「武士道の変化」
についてです。
<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
ものづくりのまちとも言われる浜松。
山田卓司さんのすばらしい作品を
ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。
☆「日本がわかる思想入門」長尾剛 新潮社 OH文庫 2000年 ⑦
◇二つの書から日本人の歴史観
□慈円「愚管抄」
慈円(1155~1225)天台宗僧侶、歌人、天台座主4度
歴史が結果的に平和ならば運命 = 必然の結果
運命に従った時代(平和)
運命に逆らった時代(戦乱)
結果オーライの帰納的歴史観
□北畠親房「神皇正統記」
北畠親房(1293~1354)
帝王学の書「大日本は神国なり…」
歴代天皇の業績を一代ずつ順に97代後村上天皇まで
問題あった天皇は断固批判
「(天皇は)優れた治世者であらねばならない」
治世者の条件「正直さ・公平さ」
∥
生粋の貴族主義
天皇に立派さを求める = 支配される者の権利
◇武士道の変化
□本質は変わらず
① 下級武士-天皇
② 領主 = 土地所有者
土地がアイデンティティを支持
③ プロの戦闘者
殺生は罪として認識されない
□美意識が変わった
初期鎌倉武士
情的なつながり
「御恩と奉公」情的忠誠心
謡曲「鉢の木」
戦国時代
自分の信じる道を貫こうという自立性
↓
その家の正義「家訓」多分に道徳的なもの
<自己犠牲の精神から自立の精神へ>
二面性の美意識
◇室町の芸術貫く理念「幽玄」
□幽玄 「余情を楽しむ芸術的美意識」
今眼前の美しさだけ楽しむのではなく、そこに隠された姿の意味や美しさを想像するこ
とで感動に深みを与える
∥
現在の裏に隠された過去と未来 枯淡の美しさ
人の感動の豊かな表現
□世阿弥(1363~1443)
幽玄を高度に論理化し、自らの芸術の中で完璧に実践してみせた
~ 動きの間 「風姿花伝」花伝書
ほのかさこそが幽玄の大切な味わい
「美は滅ぶ運命だからこそすばらしい」