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『新版 静岡県伝説昔話集』(上巻)静岡県女子師範学校郷土研究会編 1994年 ⑮ [読書記録 郷土]

今回は、5月30日に続いて、静岡県女子師範学校郷土研究会編による
『新版 静岡県伝説昔話集』(上巻)15回目の紹介です。




静岡県の羽衣出版による、すばらしい本です。


今回は、「石」にまつわる伝説の紹介です。


短くおもしろい話です。





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☆『新版 静岡県伝説昔話集』(上巻)静岡県女子師範学校郷土研究会編 1994年 ⑮

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6 石の話


(1)青塔の五輪石 (周智郡熊切村・現春野町)

 熊切村の山中、青塔山にある。


 普通の人では見つからない。


 山の中に半畳位の平らな所に丈八寸位の(約24センチ)五輪石が6つある。


 これは昔、ある士族がこの山へ入って行方不明になったが、これが後世崇ったので、村
の人がつくつてあげたものだという。


 もし、それを流人等が持って行ってどこかへ捨てておいても、明朝には必ず元の場所に
帰っているという。


 また、それは自分自身で真ん中や端にと位置を変えるという。


 ある時はその五輪石が話をしているように聞こえると、炭焼きをする人や木挽きをする
人が話した。
                                  (鈴木とし)







(2)みこ岩 (磐田郡山香付・現佐久間町)

 福沢にみこ岩という岩がある。


 昔、戦争があって敵の武士が攻めて来た時、一人の巫女がその岩かげに隠れたので、み
こ岩というようになった。


 その時、武士が馬に水をくれた所を馬水という。


 また、武士たちが福沢から城西村の方へ行く途中、峠で馬の鉄沓(蹄鉄)がとれたので、
打ち直した所をくつ打ち場という。
                                  (本多みち)






(3)仁王岩 (磐田郡山香付・現佐久間町)

 昔、勝様という人が西渡を治めていた。


 その勝様が、お金を使い過ぎて一段位を下げられた。


 この時、西渡で勝様の次の位の人は御室という人で、戸口では仁夫という人であったが、
この事件で戸口では色々相談するために、仁夫という人が岩の上に乗って、法螺貝を吹き
戸口中の人々を集めた。


 それからその岩を、仁夫(仁王)岩というとか。

(その勝様が、鼠小僧次郎吉に枕元の刀を取ってみよと言ったら、その夜、知らぬ間に刀
 をとられたという)    
                                  (本多みち)

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