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(1)『致知』2009年5月号 (2)「おーい 父親」汐見稔幸 大月書店 2003年 【再掲載】 [読書記録 一般]

今回は、月刊誌『致知』2009年5月号より、その要約を紹介します。

およそ10年前。
思い出すこともあります。


今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「(地雷は)悪の兵器」


・「プロとは軸がぶれない人」


・「人はパンだけで生きているのではない。神の口から出るすべての言葉によって生きる」





もう一つ、再掲載となりますが、「おーい 父親」大月書店 より、
汐見稔幸さんの文章を紹介します。






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(1)『致知』2009年5月号

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◇バスジャック事件が教えたもの 山口由美子(「ほっとケーキ」代表)

 2000年5月3日 
   ゴールデンウィーク中にバスジャック事件


 塚本達子先生(幼児教室)






◇悪魔の兵器・地雷と闘う 大谷さん
  
 悪の兵器 
   ① 残虐性 

   ② 無差別性

   ③ 残虐性(命は奪わない) 






◇逆境を超える 池内計司(池内タオル)

 こつこつやることがコンプレックスだった


 1999年「風で織るタオル」






◇サントリーブレンダー 輿水精一

 世界が認めるジャパニーズウィスキー 
   日常を一定のリズムで回していく


 プロとは軸がぶれない人






◇大槻文彦の一念 高田宏
  
『言海』十七年間の編纂作業






◇鈴木秀子

「人はパンだけで生きているのではない。神の口から出るすべての言葉によって生きる」

~ 物質的豊かさによる満足には限りがある










(2)「おーい 父親」汐見稔幸 大月書店 2003年 【再掲載】

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◇いい加減は、よい加減? -  「父性原理」が増す日本で
 「父性原理」「母性原理」という言い方がある。

 「男性原理」「女性原理」とも言う。


 この2つは厳密には異なるのだが、あまり区別しないで使われている。


 現文化庁長官の河合隼雄氏は、日本は母性原理が優勢の国で、本来父性原理でやるべき
ことも母性原理になっている、という趣旨の『母性社会日本の病理』という本を書いたこ
とで有名だ。


『甘えの構造』を書いた土居健郎さんも似た議論を展開している。


 ところで、その父性原理、母性原理だが、河合氏は、ものごとにけじめをつけ、境目を
はっきりさせて切り離すような原理を父性原理とし、逆に境目をあいまいにし、異なるも
のでも結びつけてしまうような原理を母性原理だとしている。


 具体的には、競争させて順位をはっさりさせるのは父性原理、順位よりもみんなでわい
わいが母性原理、何でもけじめをはっきりさせて振る舞うのが父性原理、そのあたりをあ
いまいにして行動するのが母性原理ということだ。



 最近の日本を見ていると、このうち父性原理がどんどん増してきているのに気がつく。



 企業だけでなく、大学や病院、保育所までもが第三者による評価を受けて序列化され始
めている。


 内々の論理だけではダメだということなのだろう。


 学校も経営手腕を競わされ、夏休みもほとんど毎日出勤で研修内容までチェックされ出
している。



 それだけでいいのだろうか、という思いが私にはある。


 公私の区別のあいまい化などは確かに問題だが、何でも競争させられ序列化されるよう
になれば、生きることの緊張感が強まって疲れてくる人が増えるに決まっているからだ。


 そもそも、切り離し、競う原理をどうして父性原理というのだろうか。

 男にそれが向いているとでもいうのだろうか。


 男である私はむしろ逆で、競争よりも共生、そんなに目くじら立てなくていいじゃない
かというあいまいさが好さだ。


 因っているやつがいればみんなで助ければよい。損得なんか抜きだ。


 そこはいい加減でいい。いやいい加減だからいい。こういうことに男も女もないのでは
ないか。



 世の中に、「いい加減」が「よい加減」、というところをもう少し増やしてほしいとい
う気持ちが、最近とみに強くなっている。







◇急増する中高年の自殺 - 働かされ方、もっと議論を

 知人の川人博弁護士から一通の報告書が届いた。氏は、知る人ぞ知る過労死弁護士だ。


 氏は、アメリカのアンカレッジで開かれた世界保健機関(WHO)の国際安全会議に出
席し、日本で急増している中高年の自殺問題を報告してきたという。



 日本では失業者の増加に比例するかのように、自殺者が急増している。

 完全失業率が今の半分以下の2.1%だった91年には、人口10万人あたりの自殺者
数は17・0人だった。


 失業率が4.7%になった99年には、それが人口10万人あたり26.1人までに増
えている。10万人あたり10人近く、自殺者が増えてきたことになる。



 一方、スウェーデンでは、70年に失業率が1.5%で自殺者は人口10万人あたり2
2.3人であったのが、99年には失業率が5.2%に増えたのに自殺者は13.0人ま
で減ったという(反町吉秀医師報告)。


 スウェーデンは今、自殺率が日本の半分になったということだが、川人弁護士は、その
理由を雇用慣行の違いに求めている。



 スウェーデンは雇用期間が短い若い人から解雇していく法律があり、失業率の高さが、
そのまま自殺増につながることはない。


 しかし、日本では、不況で中高年従業員が過労状況になっていて、いつリストラされる
か分からないという不安とあいまって、自殺者が増えているのではないかというのだ。


 中高年の自殺者が急増しているのがその証拠だというわけだ。


 川人弁護士は、失業したとさの失業給付日を増やすなどの手をきちんと打たないと、も
っと深刻な自殺大国になりかねないと訴えている。



 自殺者が年間3万人を超え、死亡原因の上位に自殺が踊り出ているという現実が日本に
はある。その後ろには不況問題があるのだが、それ以上に、自殺まで追い込まれることの
ない、その意味でもっと安心して働ける雇用慣行が十分ないという問題があるということ
は、何とも考えさせられることだ。



 私の周りにも夫が自殺したという人が具体的に出てきている。



 育児中の男性の労働時間の短縮の問題を含め、働かされ方についての国民的な議論がほ
しい。

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