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「日本がわかる思想入門」長尾剛 新潮社 OH文庫 2000年 ⑭ [読書記録 一般]

「誠実な生き方を忘れては、一日でも人として本当に生きられない」富永仲基(1715~1746)


「天地に上下がないようにこの世界には本来上下関係はない
 『人間社会は完全平等こそ正しいあり方だ』
 人間は一人残らず自ら耕す農民になるべき」安藤昌益(1703~1762)



今回は 7月1日に続いて、長尾剛さんの
「日本がわかる思想入門」、14回目の紹介です。



出版社の案内には、


「ヨーロッパ哲学だけが人類の思想・哲学のすべてではない。古代から、中世、近世、近
 代まで、各時代の日本思想にこそ、知的発見の楽しみが満ち溢れている。先賢に学ぶ40
 のニッポン・オリジナル。」


とあります。



今回紹介するのは、「幕末思想」「独創的な思想家」についてです。



今回紹介分から強く印象に残ったことばは…

・「尊皇 は 思想というより宗教的認識」


・「尊皇と攘夷は基本的にセット」


・「孝明天皇と徳川慶喜はよいパートナーシップ」


・「人間は一人残らず自ら耕す農民になるべき
  - 自分にも厳しい考え方」





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☆「日本がわかる思想入門」長尾剛 新潮社 OH文庫 2000年 ⑭

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◇幕末思想 五つのキーワード

□尊皇

 天皇精神的支柱 

  → 思想というより宗教的認識



 尊皇思想が時代先端の思想に
  国学 水戸学 復古神道 吉田松陰の思想


 問題点 
  ・生身の人間(天皇)の主観的好き嫌いまでも正義化

  -「勤王」  天皇に忠誠を尽くす姿勢





□攘夷 

「文明を知らない野蛮人が侵入してきて文明が汚されることのないように近づく野蛮人と
 して徹底的に排撃すべし」 

 = 排他思想


 尊皇と攘夷は基本的にセット


 鎖国維持 - 正義として認められやすかった





□開国

 悪の思想 

 本音のところは開国主義者も - 阿部正弘ら





□佐幕・倒幕

 佐幕 -  徳川本家、御三家、会津藩等 - 新撰組


 倒幕 -  薩摩、長州、土佐

   |

孝明天皇はバリバリの攘夷主義者 
  → 徳川慶喜に大きな信頼


孝明天皇と徳川慶喜はよいパートナーシップ
慶喜は開国の必要性も理解 - 板挟みに



孝明天皇没 1866年
倒幕派が明治天皇(少年)を擁して倒幕の勅許 = 政治的謀略





□攘夷佐幕 

 → 尊皇攘夷 

 → 尊皇開国 

 → 尊皇倒幕

尊皇思想を組み合わせるスタンスが時勢により変化









◇あまりにも独創的すぎた思想家たち

□ゼロからのスタート 

 オリジナルな思想





□富永仲基(1715~1746)

「宗教の教典を一つの文献としてみる」 - 歴史性風土性を見る

   ↓

 大乗仏教の経典は後世の作
加上 新しい文献ほど古くさいイメージが意図的に醸し出される



誠実な生き方を忘れては、一日でも人として本当に生きられない





□安藤昌益(1703~1762)

「自然真営道」


 活真 天地、自然、人間社会も同じ根元的エネルギー


 天地に上下がないようにこの世界には本来上下関係はない
  「人間社会は完全平等こそ正しいあり方だ」



 人間は一人残らず自ら耕す農民になるべき
自然世(理想社会)
 
   徹底した重農平等主義 - 個人主義 

 自分にも厳しい考え方


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