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「日本がわかる思想入門」長尾剛 新潮社 OH文庫 2000年 ⑰ [読書記録 一般]

「日本の民主主義 
 明治初期 -  自由民権運動
 明治後期 -  社会主義運動
大正期  -  大正デモクラシー」





今回は 8月16日に続いて、長尾剛さんの
「日本がわかる思想入門」、17回目の紹介です。



出版社の案内には、


「ヨーロッパ哲学だけが人類の思想・哲学のすべてではない。古代から、中世、近世、近
 代まで、各時代の日本思想にこそ、知的発見の楽しみが満ち溢れている。先賢に学ぶ40
 のニッポン・オリジナル。」


とあります。







今回紹介分(近代)から強く印象に残ったことばは…

・「議会は内閣の忠臣であっても天皇と国民の双方に不忠をなすものである」


・「幸徳秋水『天皇の存在と社会主義は両立する』
明確な天皇否定の気持ちはなかった」


・「夢物語だが一蹴してしまうことは大きな誤り。」






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☆「日本がわかる思想入門」長尾剛 新潮社 OH文庫 2000年 ⑰

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◇自由民権運動

□日本の民主主義 

 明治初期 -  自由民権運動

 明治後期 -  社会主義運動

 大正期  -  大正デモクラシー




□自由民権運動

 中江兆民 1847~1901
土佐の下級武士 ルソー「民約訳解」

「理」儒教的論理運用

帝王の尊さを結果的に肯定。

   民権 ①回復的民権 ②恩賜的民権




□植木枝盛(1857~1892)

 当選したが二回目立候補準備中に急死

 天皇否定 … 論理的に無価値。
もともと神武天皇がこの国を略奪して統一したことから・



政府はアメとムチの政策。




□中江兆民

 当選するも土佐派議員の裏切りにあいすぐに辞職。

「議会は内閣の忠臣であっても天皇と国民の双方に不忠をなすものである」

 著述 - 国家主義への傾倒







◇明治時代後期 社会主義の時代だった

□日本の社会主義3系統

 ① キリスト教  博愛精神・福祉意識から


 ② 自由民権運動から発生したもの 幸徳秋水


 ③ 欧米社会主義運動や労働組合運動を模範としたもの 
   
   片山潜 - 1891(明治34)年 「社会民主党」
政府から即日禁止 ← 「非戦論者」

政府の偏狭さや臆病さ


社会主義運動内部で
キリスト教派と無宗教派の対立

議会政策派(片山潜)と直接行動派



  1910(明治43)年 大逆事件
政府のでっち上げで冤罪事件

幸徳秋水「天皇の存在と社会主義は両立する」
明確な天皇否定の気持ちはなかった



 スピーディな処分 12名を処刑
日本社会主義冬の時代に




□幸徳秋水

「もし世界万国資本家や地主の階級がなくなり富がすべての人に公平に渡って誰もが人生
 を楽しめば、誰のために戦争をする必要があろうか。社会主義とは一面において民主主
 義なのであり、さらにもういちめんにおいては、世界平和主義なのである。」
                                『社会主義神髄』

 … 夢物語だが一蹴してしまうことは大きな誤り。




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