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「死ぬのがこわくなくなる薬」エッセイ集8 中央公論社 1993年 [読書記録 一般]

今回は、井上ひさしさんの
「死ぬのがこわくなくなる薬」の紹介です。



出版社の案内には、


「浅草フランス座での失敗談、駆け出し作家時代のほろ苦い思い出、男勝りな亡き母の名
 セリフ―ワープロ談義や『最上かつ最良の』文章上達法をまじえて自由自在に語る、井
 上版『わが半生』の記。」


とあります。


なぜか、「悪党と幽霊」井上ひさしエッセイ集7の要約も混ざっていますか…。



井上ひさしさんの本、エッセイもおもしろく感じます。




今回紹介文から強く印象に残った言葉は…

・「50代の一年は40代の9か月」
- まさにそんな感覚です。


・「丸谷才一の『文章読本』を読め」


・「報道写真は不幸な現実と写真家との合体」


・「臆病な人間こそ残酷になりうる」



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☆「死ぬのがこわくなくなる薬」エッセイ集8 中央公論社 1993年

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◇時間 

 年をとれば取るほど時間の流れは速くなる
     

 60代の一年は50代の8か月

 50代の一年は40代の9か月

 40代の一年は30代の10か月

 30代の一年は20代の11か月
 




◇コトバの溶解炉

 文学雑誌 
  = どんなページにも作家の力業が刷り込まれており,それを読みとることで読者の
   言葉も鍛えられる
 



◇国語辞典

 自分は国語辞典の中で一生を過ごしている
 



◇文章上達法

 丸谷才一の「文章読本」を読め


 文章 
  ① 個性のない実用文

  ② 個性ある文章

   → いかに本を読み,少しでもいい文章家と巡り会う 




◇金ペン堂

 神田神保町三省堂書店斜め向かい 

 万年筆専門店
 



◇和算 

「和算家の旅日記」佐藤健一


 千葉胤秀・長谷川寛「算法新書」
千葉 文政11(1828)一関藩に採用・算術指南役

   |

  当時の和算家は弟子が百点満点を取らないうちは先へ進もうとしなかった
 



◇三留理男

「飢餓」高名な国際報道写真家

 - 報道写真は不幸な現実と写真家との合体
 



◇木村光一

 イツモ静カニ笑ッテイル


 日本人とは
 「吐くほど食物を呑み込み,頭は金とセックスの他は空っぽのまま,ドブネズミ色の背
  広とゴルフウェアで車を走らせ,プロ野球と競馬の中継に耳を傾け,工業製品の優秀
  性にごたくを並べ,我こそは世界一の民と思っている能面をかぶったような陰気な人
  々」







☆「悪党と幽霊」井上ひさしエッセイ集7 中央公論社
 
◇芸談スクラップ

 徳川夢声(1894-1971)
登壇しても黙っている。30秒するとシーン。



   15秒待つと客席が一つになる。(宙づり状態から脱したい)
       |

一斉に首を伸ばす



そこで軽い冗談か何か言ってガッと捕らえる



「客の自発性に信頼を置け」

「送り手固有の時空間をつくることが先決」
 



◇平等ばやり   

 社会学者ルークス(英・オックスフォード大)


個人主義
  1 尊厳を認め合うこと

2 自分自身の主人でありたいと願うこと

3 プライバシーを重んじること

4 自己発達の可能性を信じる
 



◇誰のための教育か

 バーランド・ラッセル
「子供は反射作用と少しばかりの本能をもって生まれてきた」

= 可能性そのもの



臆病な人間こそ残酷になりうる



  子供たちにもってもらいたいもの
智恵・勇気

 親が先ず自分を鍛え直す
 



◇悪党と幽霊   

 円朝と黙阿弥
言葉の音と意味との渡り合いに細心の目を向けて生活語を磨き上げること




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