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(1)キーワード「家庭教育」21-「小学4・5・6年生の家庭学習法」松原達哉 産心社(3) (2)「少年犯罪の防止は家庭の役割」 竹原泰三 ジャーナリスト 『月刊少年育成』 2004年2月号【再掲載】 [読書記録 教育]

「3年生までは,指して一生懸命勉強しなくても,ある程度の成績のとれた子供でも,4
 年生からは授業中先生の話を聞き,予復習積極的態度がないと不安。」



今回は、9月22日に続いて、
キーワード「家庭教育」でまとめたもの21 回目の紹介です。

主に、松原達哉さんの
「小学4・5・6年生の家庭学習法」の紹介 2回目です。




出版社の案内には、



「本書では、教育心理学の立場から四・五・六年生の各学年の子どもの心身の発達の特徴
 を述べ、学校では大体どんなことを学ぶのか、そして、効果的な家庭学習をするにはど
 のようなことに気をつけたらよいかをのべました。いわば“勉強のさせ方”をのべた本
 です。」



とあります。




今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「成績低下の最大要因 = 『学習意欲がないこと』」


・「勉強方法をテストする」



もう一つ、再掲載(2012年9月)となりますが、『月刊少年育成』誌より、竹原泰三さんの
「少年犯罪の防止は家庭の役割」を紹介します(かなり以前のものです)。



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(1)キーワード「家庭教育」21

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◇なぜ成績が上がらないか?


 成績低下の最大要因 = 「学習意欲がないこと」


□こんな子は成績が上がらない

<子供自身の問題>
① 知能が低すぎる子・高すぎる子
     (意欲が無く態度も悪くなる)


  ②身体に欠陥のある子 

     病弱・近視等 - 緊張・不安・疲労・劣等感


 ③ 性格・情緒に問題がある子

  情緒不安定・注意散漫・意志薄弱・怠惰


 ④ 基礎学力が不足している子


 ⑤ 学習方法が適切でない子


 ⑥ 学習への興味が不足している子




<外部から働きかける問題>

 ① 家庭環境


 ② 社会的環境


 ③ 学校環境


 ④ 先生の指導法


 ⑤ 友人関係




<学習意欲を喚起させるには>

 ① 学習活動の目標をはっきりさせる 

     目の前の近い目標


 ② 学習の結果を知らせる


 ③ 成功・失敗感を生かす


 ④ 賞罰を与える  

     高知能児 - ほめる方がいい 

     低知能児 - 叱る方が効果が上がる

   ・ 叱る内容をはっきり指摘する

   ・ 解決の仕方を暗示する

   ・ あっさり打ち切る

   ・ 大勢の前で叱ったり,友達や兄弟と比較しない

   ・ 食事中登校前は叱らない

   ・ 身近な手段に訴えて叱る

   ・ 手伝いや勉強を罰の手段にしない


 ⑤ 競争をさせる

    ライバル 注意:性格を考えて


 ⑥ 学習環境を整える

     落ち着いて勉強できる学習環境

     学用品,参考書・辞書,年鑑・図鑑,問題集・ワークブック・ドリルブック
 




◇学習方法を間違っていないか?

  勉強方法をテストする













(2)「少年犯罪の防止は家庭の役割」 竹原泰三 ジャーナリスト 『月刊少年育成』 2004年2月号【再掲載】

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 平成15年版の犯罪自書によると、平成14年1年間の交通事故関係を除いた一般刑法
犯罪は285万件あまりで、戦後最多の記録を7年連続で更新した。


 検挙された人数、そのうちの外国人の数も過去最多を更新している。


 これに対して、刑法犯罪の検挙率は20.8%で、前の年と比べて1%改善されたが、
それでも5分の1にすぎない。


 簡単に人の命を奪う殺人事件、コンビニ強盗やATMをショベルカーなどで壊して現金
を奪う荒っぼい事件などを考えると、すぐにでも治安対策を強化する必要がある。


 犯罪の増加に伴って拘置所や刑務所、少年刑務所の収容人数も増えている。


 平成14年の収容人数は約6万7千人にのぼり、前年より4千人増えている。


 定員に対する収容者の割合は、106.5%に達し、およそ9割が過剰収容になってい
るという。




 今年度の犯罪自書は、法務省法務総合研究所が凶悪犯罪の被告を対象に行った特別調査
の結果を載せている。


 それによると、未成年者と20歳代の若者層は、何もしていない被害者に因縁をつけて
殴る・蹴るの暴力をふるったり、長時間監禁してリンチを加えるなどの犯罪が目立つとい
う。


 暴行を加えるうち、重傷を負った被害者の処置に困って犯行を隠すために殺害すること
もあり、遊び感覚で意図的に苦痛を与えるケースもある。


 また、平成14年の1年間に強盗事件で検挙された少年は1611人で、この10年間
で2倍に増えるなど、少年の強盗事件の増加が目立っている。



 犯罪自書について新聞各紙は、


「刑法犯は戦後の最多記録を7年連続で更新」


「若者はエスカレート型、中高年は完全犯罪志向」(いずれも毎日新聞)


などと見出しを付けて、比較的客観的に伝えている。



 これに対してNHKは、特別調査のうちの少年による強盗事件に関心を示している。


 白書の特別調査は、平成14年に強盗事件を起こして少年鑑別所に入った男子少年の記
録を調べた。


 その結果、犯行の動機は「遊ぶ金ほしさ」が51%、「簡単にカネが手に入る」が30
%で、安易な動機から短絡的に強盗に及ぶ傾向があることが分かった。


 そして、これらの少年の60%は「家庭との情緒的な交流がない」「家族から阻害され
ている」など、家庭内で問題を抱えているため、少年犯罪の防止には、取り締まりに加え
て、家庭がその役割を十分果たすことが必要だと白書は指摘している、とNHKは伝えた。



 「少年犯罪の防止は家庭の役割」という考え方は、私も個人的には、その通りだと思っ
ている。この点についてはNHKのニュースの取り上げ方は間違っていない。


 ただ、かつて少年によるナイフを使った犯罪が相次いだ時、当時の文部大臣が「ナイフ
を持ち歩くのはやめよう。家庭も断固とした指導をして欲しい」という緊急アピールを出
したことがあるが、このときNHKの解説委員は、「政府が家庭のことに口を出すのか」
と批判した。


 そのNHKが、自書の中から「家庭の役割」を積極的に取り上げたのは、時の流れなの
か、単に担当者が違うだけなのか、いずれにしてもとまどってしまう。



 青少年を巡っては、もう一つの動きがある。


 政府は昨年12月に「青少年育成施策大綱」を決めた。


 その主な内容は、少年犯罪が凶悪になるのを防ぐため、



▼刑事責任を問うことができない14歳末満の少年犯罪についても、警察の家宅捜査など
の強制的な調査を可能にする、


▼少年を立ち直らせるために必要な場合は、少年院への入所を可能にするための法改正を
検討する、


などとなっている。




 これとは別に、法務省は現在15年とされている有期刑の上限を大幅に見直す方針だと
新聞は伝えている。


 平均寿命が50年といわれた明治時代に決めた量刑は、平均寿命が延びた現在には合わ
ないとか、法律が被害者の心身の痛みを本当に受け止めたものになっているのか見直す必
要がある、というのが理由になっている。


 これに伴って殺人事件の時効期間の15年も見直す。

 実現すれば刑法は約100年ぶりの大改訂になるという。



 日本は「世界一安全な国とは言えなくなった」と言われるほど、治安が悪くなっている。


 安全な社会を取り戻すために、警察の力に頼り、刑罰を重くすることも場合によっては
必要である。


 しかし、安全・安心・治安といった言葉は、耳に優しいだけに、悪用されるとかえって
危険である。


 世の中は今、どこを向いて流れているのか、政府の発表や政治家などの意見に惑わされ
ず、自分できちんと見極めるだけの判断力が求められている。



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