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『新版 静岡県伝説昔話集』(上巻)静岡県女子師範学校郷土研究会編 1994年 23 [読書記録 郷土]

今回は、9月30日に続いて、静岡県女子師範学校郷土研究会編による
『新版 静岡県伝説昔話集』(上巻)23回目の紹介です。



戦前に女子師範学校の学生さんがまとめた昔話集です。
大変おもしろく、今読むことができるのは 学生さん達のおかげです。




今回も、「海に関する話」です。

わたしの家は海に近く、「波小僧」の音がよく聞こえます。
「柄杓の話」も土地の人からよく聞きました。






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☆『新版 静岡県伝説昔話集』(上巻)静岡県女子師範学校郷土研究会編 1994年 23

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10 海に関する話


(1)亡魂 (浜松市)

 お盆の夜、釣りの好きな人が海へ行くのに、経験のある人ならば、必ず底なしの柄杓を
持って行くそうである。


 その訳は、お盆の夜遅く海上にいると、その海で死んだ幾多の亡者が出て来る。


 そして仲間を増やさんがために、柄杓で舟の中へ無気味な音を立てて水を入れるのだそ
うである。


 その時、その底なし柄朽を貸せば、ただ入れる真似するだけで、水が入らないのだそう
である。



 海でも山でも線路でも、人の死んだ跡へ行くと、死神がつくという。


 それは、死んだ人には死番というものがあって、その番に外れないと、いくら供養され
ても浮かばれないのだそうである。


 そして、そのため、後から人が死ぬように招くのだそうである。


 だから人の死んだ跡には行くのを恐れるのだ。                  
                                (渡辺はな)





(2)カッパ (浜名郡雄踏町)

 祇園のお祭(6月15日、但し普通は7月15日)がすむ前に海に入ると、カッパが来
てシリコダマをぬいてゆくという。                 (山内きみえ)






(3)盆の十四日 (浜名郡雄踏町)

 お盆の14日に海に行くと、海で死んだ人の死霊が現れるという。

 俗に海坊主ともいう。

 そして、その死霊が、舟の水をかい出すひしゃくを貸してくれと言う。

 その時には、そのひしゃくの底を抜いてやらないと、死霊がそれで舟に水を入れ、舟を
沈ませてしまうという。                             
                                 (山内きみえ)



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