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「ベストセラーの戦後史」井上ひさし 文藝春秋 1995年 上  [読書記録 一般]

「水や空気やみどりや人の心は無料のように見える。しかし,無料に見えるのは,それら
 の公共財産が市場というシステムにのりにくいからというだけであって,やがて厳しい
 勘定書が回ってくる。
その時では遅いから,普段から水や空気やみどりや人の心の保全に高いコストをかけな
 さい。」






今回は、井上ひさしさんの
「ベストセラーの戦後史」の紹介1回目 上です。


出版社の案内には、

「ベストセラーの中に戦後世相を読む。シリーズ第2集は1970年前後。『愛と死をみつめ
 て』『人間革命』『どくとるマンボウ青春記』『日本人とユダヤ人』『日本列島改造論』
 など17章。」

とあります。


戦後しばらくしてからのベストセラーを知るにはよい本です。



今回紹介するのは昭和37年から昭和46年のベストセラーについてです。
知っている本もありますが、読んだことがある本はあまり…。

今回紹介分から強く印象に残った言葉は…

・「1+1程度の実力が3に評価されてブームになる」


・「社名変更  
   壽屋 → サントリー   
   理研光学工業 → リコー
愛知トマト → カゴメ… 」


・「昭和39年 →  オリンピックにより人間の身体の持つ美しさを知り,大島みち子
  によりその身体のもろさと人間の精神の強さを知った。」


・「ハーン → 日本の日常生活の『簡素な美しさ』に打たれた」






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☆「ベストセラーの戦後史」井上ひさし 文藝春秋 1995年 上
 
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◇「易入門」黄古女我 昭和37年

 未来予測の測定式  
   1+1=3-1


 相場は新しい材料に過剰反応する


 1+1程度の実力が3に評価されてブームになる


 やがて時の審判が公平に働き実力相応の正しい水準に落ち着く
 




◇「危ない会社」 昭和38年

 社名変更  
   壽屋 → サントリー   
   理研光学工業 → リコー
愛知トマト → カゴメ  
   日本麦酒 → サッポロビール
野田醤油 → キッコーマン 
   福助足袋 → 福助
 




◇「愛と死を見つめて」 昭和39年

 大島みち子と河野実
→ 健康な青年との恋は彼女の闘いの強力な援軍に

↓↑

彼の鈍感さは彼女を苦しめると同時に彼女をさらに高めだした


 昭和39年 
  オリンピックにより人間の身体の持つ美しさを知り,大島みち子によりその身体のも
 ろさと人間の精神の強さを知った。
 




◇「おれについてこい」 大松博文 昭和40年

 成せば成る 

 私がしなくて誰がする 

 今しなくていつできる
 




◇マルクーハン 

 コミニュケーション進化 
   話し言葉(部族時代)

書き言葉(マニュスクリプト時代)

印刷言葉(機械時代)

電気言葉(エレクトロニクス時代)


 クール と ホット
 




◇「心」 高田好胤 昭和45年

 昭和9年ニッポン  


 昭和45年ニッポン再確認 


 表向きは国運隆盛  
   内証は高度成長の勘定書が回ってきてぼろぼろに


 流行語
  「断絶」「貧乏感」





◇「日本人とユダヤ人」 イザヤ・ペンダサン 昭和46年

 外国人の日本人感
ハリス  
  「私はくっきりとして美しい衣服を着た日本人の姿が好きである。人民の身なりは、   さっぱりしていて立ち居振る舞いが優雅である。世界のあらゆる地方の貧乏にいつ
   でもつきものになっている不潔さが少しもない」


  ロティ(フランス海軍士官)
「お菊さん」 
      日本 … 小さい 気取った すました


  ハーン   
    日本の日常生活の「簡素な美しさ」に打たれた



貧しいが名誉と礼儀を重んじる優雅で清潔な向上心のある民族
↓↑

 昭和期
  「幼稚で野蛮,尊大で狡猾,神経質で興奮しやすい」民族に


 水や空気やみどりや人の心は無料のように見える。しかし,無料に見えるのは,
それらの公共財産が史上というシステムにのりにくいからというだけであって,
やがて厳しい勘定書が回ってくる。



 その時では遅いから,普段から水や空気やみどりや人の心の保全に
高いコストをかけなさい。



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