SSブログ

「教師の哲学」岬龍一郎 PHP研究所 2003年 ③ [読書記録 教育]

「日本人に欠けているのは人格の形成であり、人格のないところに責任は生じ得ない」




今回は、1月10日に続いて、岬龍一郎さんの、
「教師の哲学」の紹介 3回目です。


出版社の案内には、


「戦後という言葉も遠くなり、平成も15年になってしまった。振り返れば戦後の日本は文
 字どおり献身的な努力と勤勉なる働きにおいて、この国を廃墟から経済大国へと復興さ
 せた。しかし、その繁栄もつかの間、どこでどう間違ったのか、バブル崩壊後の日本は
 いまだ立ち直れず未曾有の不況にある。中高年はリストラのもとに解雇され、若年層の
 就職率は悪化する一方だ。それにともない、人心は荒廃し世の中にはびこる無節操な倫
 理観の欠如は夢想だにしなかった悪質な犯罪やわけのわからない変質的な事件を生み出
 している。その一方では、もっとも倫理観の強かったはずの教育者、警察官、医療関係
 者といった人びとまでもが常識では考えられないような不祥事を起こしている。こうし
 たモラルの喪失はなぜおこったのか? 本書は、そういった問題の本質にある一因とし
 てあげられる学校の教育者の質の低下を憂い、理想の教師とはどのような人かについて
 とりあげたものである。」


とあります。



今回紹介分(「新渡戸稲造」さん)から強く印象に残った言葉は…

・「何ものかになりたいという意志」


・「自分の欲望を適える立身出世よりも、みんなが仲良く暮らす社会を作るために愛ある
  人になれ」


・「私を生んだのは父母である。だが私を人たらしめたのは教師である」


・「 内村  『炎の人』  厳しさ 父性
新渡戸 『バランスの人』 優しさ 母性」





<浜松の新名所 浜松ジオラマファクトリー!>
  ものづくりのまちとも言われる浜松。
 山田卓司さんのすばらしい作品を 
 ザザシティ西館の浜松ジオラマファクトリーで味わえます。
 お近くにお寄りの時は ぜひ お訪ねください。

浜松ジオラマファクトリー



☆「教師の哲学」岬龍一郎 PHP研究所 2003年 ③

1.gif

◇新渡戸稲造

□新渡戸稲造

 1862~1933 思想家・教育者

 南部藩主の子 

 札幌農学校在学中基督教信者に 

 卒業後米・独留学
         

 札幌農学校 → 京都帝大 → 第一高校長 → 東京女子大学長


 国際連盟事務次長 太平洋問題調査会長 「国際親善の使者」
   



□「少年世大志を抱け」 

 大志 = 向上心の源泉 

 「何ものかになりたいという意志」



□クラークの「紳士たれ!」の教育

 一期生16名 
   授業料無料 毎月16円の小遣い


 Be Gentleman! = 大人としての自覚と責任を持て




□生徒は教師を見て育つ

「我太平洋の架け橋とならん」

  新渡戸は二期制 クラーク在日は八ヶ月のみ-直接の教えは受けていない



 東大 → 1883年 見切りを付けて私費でアメリカへ
 ジョンズ・ホプキンス大学


      1887年 政府派遣留学生としてドイツへ3年間



 帰路米国へ寄りメリー・エルキントンと結婚

 
 帰国して札幌農大助教授に


 明治31年 アメリカ西海岸に居住


「武士道」執筆(原文は英語)
   



□新渡戸「武士道」の教育観

「私を生んだのは父母である。だが私を人たらしめたのは教師である」




□新渡戸と一高生たち

 第一は品格を高めること


 自分の欲望を適える立身出世よりも、みんなが仲良く暮らす社会を作るために愛ある人
になれ




□生徒全員が泣いた告別演説

「日本人に欠けているのは人格の形成であり、人格のないところに責任は生じ得ない」




□新渡戸稲造と内村鑑三

 新渡戸と内村は親友同士

   内村  「炎の人」  厳しさ 父性

   新渡戸 「バランスの人」 優しさ 母性


 内村新渡戸門下
文相   4人(森戸辰夫、前田多聞、天野貞祐、田中耕太郎)

東大総長 2人(矢内原忠雄、南原繁)


nice!(161)  コメント(2) 
共通テーマ:学校