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「教師の哲学」岬龍一郎 PHP研究所 2003年 ⑤ [読書記録 教育]

「中学生には   吉野源三郎『君たちはどう生きるか』
高校生には   森信三『修身教授録』
大学生には   福沢諭吉『学問のすすめ』
もっと読みたいもの  林語堂『人生をいかに生きるか』」







今回は、1月18日に続いて、岬龍一郎さんの、
「教師の哲学」の紹介 5回目です。





出版社の案内には、


「後という言葉も遠くなり、平成も15年になってしまった。振り返れば戦後の日本は文
 字どおり献身的な努力と勤勉なる働きにおいて、この国を廃墟から経済大国へと復興さ
 せた。しかし、その繁栄もつかの間、どこでどう間違ったのか、バブル崩壊後の日本は
 いまだ立ち直れず未曾有の不況にある。中高年はリストラのもとに解雇され、若年層の
 就職率は悪化する一方だ。それにともない、人心は荒廃し世の中にはびこる無節操な倫
 理観の欠如は夢想だにしなかった悪質な犯罪やわけのわからない変質的な事件を生み出
 している。その一方では、もっとも倫理観の強かったはずの教育者、警察官、医療関係
 者といった人びとまでもが常識では考えられないような不祥事を起こしている。こうし
 たモラルの喪失はなぜおこったのか? 本書は、そういった問題の本質にある一因とし
 てあげられる学校の教育者の質の低下を憂い、理想の教師とはどのような人かについて
 とりあげたものである。」


とあります。




今回紹介分(「福沢諭吉」さん)から強く印象に残った言葉は…

・「子どもの知的能力が落ちたのは大人の責任」


・「国家を築くのはこの痩せ我慢をもった一人一人の個人である」
- 昭和から平成となり「痩せ我慢をもった個人」は少なくなりました。
  新しい元号となってからはさらに?



・「福沢諭吉  言行一致の人= 文は人なり
       人を呼び捨てにしたことがない」





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☆「教師の哲学」岬龍一郎 PHP研究所 2003年 ⑤

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◇福沢諭吉

□福沢諭吉

 1834-1901 明治の思想化・教育家 豊前中津藩士の子


 緒方洪庵の「敵塾」で蘭学
   → 江戸築地鉄砲州で蘭学塾
        

 幕府の翻訳方に勤め、三度の「幕府使節」に随行し欧米を見る 


 慶応4(1868)年 塾移転 芝新銭座に慶應義塾


 近代日本随一の啓蒙家
  「独立自尊」





□子どもの知的能力が落ちたのは大人の責任

1 読書力の低下

佐藤一斎 「三学戒」-言志四録
「少くして学べば 壮にして為すことあり、壮にして学べば 老いて衰えず、
    老いて学べば 死して朽ちず」

   = 生涯学習の勧め





□世界に誇るべき名著「学問のすすめ」

 中学生には 
   吉野源三郎「君たちはどう生きるか」


 高校生には 
   森信三「修身教授録」


 大学生には 
   福沢諭吉「学問のすすめ」


 もっと読みたいもの 
   林語堂「人生をいかに生きるか」

※ 福沢 「独立自尊」 独立・実学・合理主義

大分県中津に中学校ができるときその少年たちに向かって「なぜ勉強しなければなら
 ないのか」を説いたものだ。

= 文章が平易で抽象論は1つもない





□人生を決定づける差とは何か

 人生を決定づける差とは
  「それはただその人に学問の力があるかないかによって決まる」



 役に立つから勉強する
  「一身独立して一国独立す」





□自由とわがままの違い

 自由とわがままの違いは他人を妨げるかどうかにある



「自由とは自分の分限(程度・立場)をよく心得、天の定めた道理に基づき、人間の情を
 大事にして他人を妨げず、一身の自由を守ることである。これは一国の場合も同じであ
 る」


中村正直「西国立志編」 江戸川の聖人





□一身独立して一国独立す
      
 独立 = 自分で自分の始末を付け、他人を頼る心がないこと





□「痩我慢の精神」の神髄とは

 明治24(1981)年「痩我慢の説」
国家を築くのはこの痩せ我慢をもった一人一人の個人である



勝海舟、榎本武揚を批判
「得々と名利の地位」についた 「節義」がない



しかし勝の立場は「日本国」という大所高所
福沢が本当に腹を立てていたのは明治20年当時の世相





□現代人は心を高尚にしているか

「文明とは身を安楽にして心を高尚にすると言ういなり,衣食を饒にして人品を貫くとい
 うことなり」



 高尚なる心 - 高尚な生き方


ルソー ~ 言動が裏腹 女たらし、5人の子どもと下宿先の洗濯女と

  → 全員孤児院に捨ててしまっても平気

↑↓

福沢諭吉 言行一致の人「文は人なり」
  「人を呼び捨てにしたことがない」


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